【大阪キタの洗礼】徒歩15秒の出禁におびえ、ノーまばたき理容師に見つめられる日常
関東から大阪に引っ越してきて数年。
我が家が住んでいるのは「大阪キタ」のマンションですが、住んでみるとこれがなかなかに「パンチの効いた街」です。
今回は、我が家がこの街で出会った、愛すべき「クセ強な行きつけ」についてご紹介したいと思います。
100%の信頼と、ノーまばたきの眼光
まずは、夫の行きつけの床屋さん。
関東に住んでいた頃と比べると、大阪にはおしゃれな床屋さんが多い印象があります。
実は夫、「癖毛・多毛・絶壁」という難しい頭の持ち主。
関東時代は長年通った美容室でさえ、3回に1回は失敗して帰ってきていました。
そのたびに私が手直しをする羽目になり、気づけば無印良品で購入した15年物のスキバサミ1本で夫の髪を整える「スキバサミ職人」として覚醒してしまったほどです。
そんな難解な頭を持つ夫ですが、大阪に来てから毎回100%完璧にカットしてくれる神業の床屋さんを見つけ、何年も通っています。
ただやっぱり、理容師さんたちのクセが強い。
いつも夫は、その床屋さんの専売品であるスタイリングジェルを使っているのですが、たまたま切らしてしまい、お出かけついでに私が買いに行ったことがありました。
その異変は、自転車をお店の前に止めた瞬間から、すでに始まっていました。
ガラス張りのお店の中から、刺さるような強い視線を感じるのです。
ふと見ると、レジに立つ目力の強い理容師さんとバチッと目が合いました。
店内に入り、レジで「夫がいつも使っているジェルをください」と頼みました。
何もおかしいことは言っていません。
…なのにその理容師さん、私が店に入った瞬間から注文を聞いている間、一切瞬きをせずにずっと私を見つめてくるのです。
ジェルを出してもらい、お金を払おうとかばんを探っている間も、その眼光は微動だにせず私をロックオン。
あまりのノーまばたきぶりに、だんだんと面白くなってきました。
(……え? なんでそんな見つめる?)
(確かに床屋さんは男性しか来ない場所だけど…ジェル買うくらい女の私が行ったらあかん?)
(え、私なんか顔についてる?)
(普通にお財布出すだけだけど、まだ見る?)
私の脳内で巡る数々の疑念をよそに、理容師さんの黒目は1ミリも動きません。
最後、「ありがとうございました」と言われて店を出て、私が自転車に乗り込んで走り去るその瞬間まで、彼の熱い視線が途切れることはありませんでした。
腕は間違いなく超一流。
だけど、接客のクセ(存在感)も超一流なのです。
夫婦でお世話になる「沼」への案内人
続いては、夫婦でお世話になっている接骨院の先生。
とても感じの良い先生なのですが、施術中に毎回ものすごい熱量でこう言ってくるのです。
「〇〇さん!マラソン一緒に走りましょう!」
私は「いやいや~」と笑顔でスルーしていたのですが、夫はまんまとその熱意につられてしまいました。
結果、3年ほど連続で大阪マラソンに応募し、毎年途中でリタイヤを繰り返して全身筋肉痛になり、同じく全身筋肉痛の先生から施術してもらうという謎のループにハマっています。
そんな先生ですが、さすがに夏は暑いため今はマラソンをお休みし、空前の「登山ブーム」が到来しているらしく。
最近も夫は、「〇〇さん!山登りましょう!気持ちいいですよ!」と、新たな沼へ爽やかに勧誘されているそうです。
ちなみにこの先生、私たちより10歳年上の50代前半。元気すぎる。
しかも「〇〇さん(夫)の髪型かっこいいですね」と憧れ、夫と同じあの『クセ強・ノーまばたき床屋』に通い始めたという、これまた濃厚なクセの持ち主です。
徒歩15秒の天国と、即・出禁の緊張感
最後は、我が家から徒歩15秒の場所にあるお気に入りの飲食店。
初めは私が1人でランチに行ったのですが、あまりにも美味しいので夫婦で月に1、2度は通うようになりました。
こちらの店主さんは元魚屋さんで、とにかく食材の目利きが確か。
いつも旬の食材を驚くほどお安い価格で出してくれるので大変重宝しています。
……ですが、ここの店主さんも漏れなくクセ強。気をつけないと、すぐに出禁にされてしまうのです。
食事とお酒を程よく嗜み、カウンターで会話を楽しみながら過ごしている分には大歓迎。
しかし、お酒ばかり飲んで長居したり、おしゃべりに夢中になりすぎているお客さんは一発アウト。
実際に私たちがお店にいる時も、「あの客、もう入れんわ」と店員さんにボソッと言っている場面を何度も目撃しました。
今のところ我が家は無事にセーフを維持していますが、知人を一緒に連れて行くときには相当な気を遣います。
美味しいものを安く食べるというのは、なかなか緊張感のある仕事なのです。
そんな店主さん、最近魚の仕入れで肩を痛めたとのこと。
…ええもちろん、あの元気すぎるクセ強接骨院の先生を紹介しておきました(笑)。
パンチは効いているけれど、愛すべき我が家の行きつけ
* 腕は神級だけど、瞬きを忘れて見つめてくる理容師さん。
* 体をケアしてくれるけれど、夫をマラソンや登山の沼へ引きずり込む接骨院の先生。
* その先生に髪型を真似され、同じ床屋に通う夫。
* 絶品・安価な料理を出してくれるけれど、出禁の刀をチラつかせる元魚屋の店主さん。
* そして、肩を痛めた店主さんを接骨院の先生の元へ送り込む私。
ツッコミどころ満載ですが、どの店主さんも腕とこだわりは本物。
我が家の周りは日々飽きることがありません。
大阪キタの洗礼はまだまだ続きそうですが、このパンチの効いた日常に、今ではすっかり慣れきってしまった我々がいます。
