「AIなんて必要ない」と思っていた現役SEが、考えを変えた日
「画像を作ってください。」
その一言で、頭が真っ白になりました。
デザイン経験ゼロ、Photoshopも使えない私が、「できません」と答えようとした瞬間、半年間避け続けていたChatGPTを思い出したのです。
1. 「画像を、作ってください」
取引先からそう言われた瞬間、頭の中が真っ白になった。
私は現役のSEだ。要件定義もできる。トラブル対応も慣れている。後輩の指導だってできる。
でも、デザインなんてやったことがない。Photoshopも触れない。ペンタブレットなんて握ったこともない。
「できません」
そう言おうとして、ふと、半年間避け続けてきたAIのことを思い出した。
2. 半年間、AIを避け続けていた理由
話は半年前にさかのぼる。
「壮子さん、そろそろAI使ったらいいのに」
この半年で、いったい何回この言葉を聞いただろうか。後輩からも、上司からも、取引先の若手担当者からも、悪気なく、むしろ親切心で言われる。そのたびに私は「そうだねぇ、今度使ってみるよ」と曖昧に笑って、結局触らないまま過ごしてきた。
正直に言うと、私はAIに抵抗があった。理由は3つある。
使わなくても、仕事はちゃんと回っていた
プロンプトや指示文を考えるくらいなら、自分でやった方が早いと思っていた
これまでのやり方で十分うまくいっている、というプライドがあった
「プロンプトなんて覚えられない」と、私も思っていた。
「どうせ、もっと若い人向けのものでしょう」というのも、正直な気持ちだった。
長年、自分の手を動かして結果を出してきた。それを疑う理由が、どこにもなかった。
3. 逃げ場がなくなった日
冒頭の場面に戻る。
取引先からの依頼は、資料に使う簡単なイメージ画像が欲しい、というものだった。デザイナーは手が空いておらず、外注する時間もない。その場に他に頼れる人もいなかった。
これまでの私なら、「できません」で終わっていたはずだ。でも、これは「プロンプトを書くより自分でやった方が早い」が通用しない、正真正銘の専門外の仕事だった。自分の手では、どうやってもできない。
そのとき頭に浮かんだのが、周りから何度も勧められていたAIだった。「そういえば、ChatGPTは画像も作れるとか言っていたな」と。
初めて、AIを「使わない理由」がなくなった瞬間だった。
4. プロンプトにも、独特の「お作法」があると思っていた
触る前、正直かなり身構えていた。
「プロンプト」という言葉自体には、そこまで抵抗はなかった。コマンドを打つことにも、指示文を書くことにも、エンジニアとしてそれなりに慣れている。
問題は、そこではなかった。
プログラミング言語には、それぞれ独自の文法や書き方がある。JavaにはJavaの、PythonにはPythonの流儀があるように、「AIへの指示にも、きっと独特の『お作法』があるに違いない」と思い込んでいたのだ。知らないルールを踏み外してはエラーになり、何度もやり直す。そんな面倒なことはしたくなかった。そんな警戒心が、最初のハードルになっていた。
振り返ると、この感覚は、新しいフレームワークやバージョン管理ツールが現場に入ってきた頃の空気とよく似ている。「今までのやり方じゃダメなのか」「また新しいルールを覚えるのか」という、あの独特の身構え方だ。この空気を何度も味わったことがある人は、きっと私と同じ昭和世代だろう(笑)。
ところが、実際にやってみると拍子抜けした。
構えていたようなプログラミング知識も、特別な設定も必要なかった。「資料に使う、シンプルなイメージ画像がほしい」と、思っていることをそのまま文章で打ち込んだだけだ。細かい専門用語も、最初から完璧な指示文を用意する必要もなかった。
出てきた画像は、正直そのままでは使えなかった。でも、「もう少し色味を明るく」「文字は入れずに」と、言葉で伝え直すたびに、望んでいるものに近づいていく。まるで、隣に座ったデザイナーに口頭で発注しているような感覚だった。Photoshopも使えず、絵も描けない私でも、画像を「作ってもらう」ことができた。
さらに驚いたのは、ChatGPTだけでは難しい作業について尋ねると、「こういう用途なら、こんなサービスもありますよ」と、別のツールやサイトを教えてくれたことだ。しかも、その使い方まで一つひとつ丁寧に説明してくれる。まるで、なんでも知っている親切な後輩が隣についてくれているような感覚だった。もちろん、紹介されたサービスをそのまま鵜呑みにはせず、安全性や料金は自分でも確認した。
素直に「すごい」と思った。
5. 「できません」の前に、AIを思い出すようになった
最終的に出来上がった画像は、資料に十分使えるものだった。
半年間、あれほど身構えていたものが、たった一度触れただけで、「避けるもの」ではなくなった。
それからというもの、専門外の作業を頼まれるたびに、「できません」の前に、まず「ChatGPTに聞いてみようか」と考えるようになった。
資料の構成に迷ったとき
文章の言い回しに悩んだとき
知らない分野の概要をざっと知りたいとき
以前なら自分で抱え込んでいた場面で、AIという選択肢が、自然に頭に浮かぶようになった(もちろん、社外秘の情報や個人情報の扱いには気をつけている。この点は、また別の記事で改めて整理したい)。
大げさに言えば、仕事の景色が少し変わった。
6. 「いま困っていない人」がAIを避けてしまう理由
これは私自身の経験から感じたことだが、AIへの抵抗感は、決して「能力がない人」「頭が堅い人」の感情ではないと思う。
むしろ逆で、これまで自分のやり方で結果を出してきた人ほど、AIに対して抵抗を感じやすいのではないだろうか。理由は3つある。
①「自分でやった方が早い」が、たいてい本当に正しい
経験を積んでいるからこそ、実際に自分で手を動かした方が速く、正確にできる場面が多い。だからこそ、AIに頼る動機が生まれにくい。
②困っていないのに、新しい手間を増やしたくない
仕事が十分に回っている状態で、新しい道具を学ぶためのコストを払う理由が見当たらない。
③専門外のことは、「できない」で済ませられる
自分の専門分野の中だけで仕事が完結している限り、専門外の壁にぶつかる機会自体が少ない。
つまり、AIへの抵抗感は「苦手」なのではなく、これまで積み上げてきた「自分のやり方」が十分に機能していた、というだけなのかもしれない。裏を返せば、専門外のことを頼まれるような場面に出くわさない限り、AIに触れないまま過ごす人も、少なくないのかもしれない。
7. 明日から試せる、抵抗感を減らす5つの触れ方
同じように感じている方に向けて、私が実際にやってみて「これなら抵抗なくできた」という触れ方を紹介したい。
① 誰にも見られない場所で、こっそり触る
人に見られながら操作すると、「変な質問をしたら恥ずかしい」という気持ちが邪魔をする。まずは一人のとき、誰の目もない状態で触ってみるのがいちばんハードルが低い。
② 仕事に関係ない、どうでもいい質問から始める
いきなり仕事の重要な資料を任せようとすると緊張する。まずは「冷蔵庫に卵とキャベツがあるけど、簡単な料理を考えて」くらいの、失敗しても何も困らない質問から始めるとよい。
③ 「完璧な答え」を求めない
AIの回答は、たたき台と割り切る。自分の経験で直せばいい、くらいの気持ちで向き合うと、驚くほど気楽に使える。
④ あえて「専門外」の頼まれごとから使ってみる
私自身がそうだったように、「自分でやった方が早い」が通用する領域では、なかなかAIに手が伸びない。逆に、自分の専門から外れた頼まれごとがあれば、それはAIを試す絶好の機会だと捉えてみるとよい。「できません」と断る前に、一度AIに聞いてみる。それだけで、抵抗感はぐっと下がる。
⑤ 「かつてやってみたかったこと」を試してみる
頼まれごとがなくても構わない。長年「これは専門外だから」「自分には縁がない」と諦めていたこと、たとえばデザイン、作曲、イラストなど、かつて憧れつつも手を出さなかったことを、試しにAIに頼んでみてほしい。「こんな雰囲気の画像を作ってみたい」と伝えてみる、初心者が曲作りを始める手順を聞いてみる。「自分にもできるかもしれない」と感じられることが、AIへの抵抗を小さくしてくれる。
一つだけ、頭に入れておきたいこと
ここまで触れてきて感じたのは、AIはとても丁寧で、まるで人間の同僚のように接してくれるということだ。ただ、あまりに親切なだけに、つい人間と話しているような錯覚に陥りそうになる。
AIはあくまで道具である、ということだけは、頭の片隅に置いておいた方がいい。判断すること、責任を持つこと、それは今も昔も、人間の役割のままだから。
8. 半年前の私へ
もし今、半年前の私に会えるなら、こう言いたい。
「一回だけでいい。触ってみて」
必要だったのは、思っていることを一度伝えてみる勇気だけだった。
私にとってAIは、専門外だった世界へ、一歩踏み出す勇気をくれる道具だった。
もし今、周りから「AI使ったら?」と言われ続けているなら、まずは誰にも見られないところで、どうでもいい質問を1つ、投げかけてみてほしい。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
少しでも参考になったら、スキ♥️で教えていただけると励みになります。
私自身も、まだ試行錯誤しながら note を書いています。
だからこそ、皆さんの体験や考えもぜひ聞かせてください。
一緒に成長していけたら嬉しいです😊✨
次は、「ChatGPTって結局何ができるの?」について、AI初心者の目線から書いてみようと思います。
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