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#132:【日本株】7万円突破の祝祭から、私だけ取り残された日

保有株だけが、上がらない

日経平均が、とうとう7万円を突破した。

ニュースを見るたびに、心がざわつく。だって私の保有銘柄は、本日まさかの安値更新だったから。

スマホの画面を開くたびに、自分の口座だけが赤く沈んでいるのを見るのは、地味に堪える。指先が画面をタップする前に、もう胸の奥が重くなっているのがわかる。

周りの株が騒がしいほど上がっているのに、自分の財布だけが置いていかれる。この感覚、わかる人にはわかるはずだ。日本株が連日高値を更新する中で、自分の口座だけが沈んでいく。

あなたも、そんな夜を過ごしたことはないだろうか。市場全体は祝賀ムードなのに、自分だけがその輪の外に立っているような、妙な孤独感だ。

ニュースのアナウンサーは弾んだ声で「市場最高値」と告げる。でもその声を聞きながら、自分の口座だけが取り残されている現実に、ひとり苦笑いするしかない。

今回の上昇は、ほとんどがAI関連銘柄によるものだ。トヨタのような伝統的な大型株は、ほとんど動いていない。

市場全体が盛り上がっているように見えて、実際には一部の銘柄だけが熱狂し、それ以外は静かに置き去りにされている。まだら模様の好景気、とでも言うべきか。

テレビでは「日本株好調」の文字が流れるのに、自分の保有銘柄の画面だけは、いつまでも青く沈んだままだったりする。

同じ「日本株」という言葉でくくられているはずなのに、自分の持っている数字だけが、その祝祭から外れている。その落差が、じわじわと胃の底を冷やしていく。

戦争が終わって、原油が安くなる不思議

同じ日、もう一つ大きなニュースが飛び込んできた。イランとアメリカが、ようやく和平合意に達したという報道だ。

原油の先物価格は、1バレル74ドルまで下落した。まだインフレで生活が苦しいというのに、原油価格が下がっていく。

この感覚に、奇妙な違和感を覚えないだろうか。スーパーで値札を見るたびに感じていた重さが、ニュースの数字とまったく噛み合わない。レジで会計をするたびに、財布の中身が軽くなっていく感覚は、まだ消えていないのに。

あの戦争は、結局何のためだったのか。考えれば考えるほど、答えのない問いがぐるぐると頭の中を回る。

170円の補助金もいらなくなり、価格は戦争前の水準に戻りつつある。世界が動いた数字の裏側で、私たちの暮らしは静かに元の場所へ戻っていく。

まるで、あの緊張も混乱も、最初からなかったことのように。テレビのニュースが切り替わるたびに、世界はこんなに簡単に「元通り」になるのかと、拍子抜けするような気持ちになる。

政権が変わると、株価も変わる

そして、もう一つの大きな要因。政治だ。

去年、石破政権が退陣する直前、日経平均は4万4000円ほどだった。それが高市首相になってから、3万7000円ほども上昇している。

この数字を見れば、石破政権がいかに市場から不人気だったかが、はっきりとわかる。たった一人の首相が変わるだけで、市場全体の空気がこれほど変わるのかと、改めて驚かされる。

グラフの上で一本の線が跳ね上がる瞬間、そこに政治という人間の意志が確かに刻まれているのを感じる。

かつての安倍政権、アベノミクスの時もそうだった。政治が安定すれば、株価も上がる。これはもう、ジンクスと呼んでいいレベルだ。

歴史は繰り返す、と言うが、株式市場ほどそれを忠実になぞるものはないのかもしれない。

今年1月の総選挙で自民党が大勝し、政権基盤が固まった。だからこそ海外投資家も、安心して資金を投じられるようになったのだろう。政権が不安定であれば、その不安はそのまま株価に跳ね返る。

海外の投資家は、日本の政治の体温を、誰よりも冷静に見ている。彼らにとって、首相の顔つきや言葉の重みは、そのまま投資判断のシグナルになっているのだろう。

もしあの時、小泉氏が勝っていたら――そう考えると、少し背筋が冷たくなる。今の市場の姿は、まったく違うものになっていたかもしれない。

あの選択の分かれ道一つで、今あなたの口座の数字も、まったく違う色をしていたかもしれないのだ。

選挙の結果が出たあの夜、自分はただニュースを眺めていただけだったが、実はその瞬間に、未来の資産の輪郭が静かに決まっていたのかもしれない。

あなたの年金も、この株価に乗っている

「日本株が上がっても、自分には関係ない」――そう思っている人は、案外多いのではないだろうか。

しかし、それは大きな誤解だ。私たちの年金は、日本株に投資されている。株価が上がれば上がるほど、老後の不安は少しずつ軽くなっていく。この恩恵は、株を持っていない人にも、確かに届いているのだ。

株式投資をしていないから関係ない、と思っているとしたら、それは少しもったいない話だ。あなたが何もしていなくても、あなたの未来の年金は、今この瞬間、日本株の値動きと一緒に動いている。

あなたが眠っている間も、あなたが仕事に追われている間も、その数字はあなたの代わりに働き続けている。

だから、日本株の上昇は、無条件に喜んでいいことだと思う。あなたの未来の年金も、今この瞬間、静かに膨らんでいるのだから。

自分には関係ないと思っていたその数字が、実は誰よりも自分の老後に直結していると知ったら、少し見え方が変わってこないだろうか。日経平均のニュースを、ただの「他人事の数字」として聞き流すのは、もうやめてもいいのかもしれない。

急ピッチの上昇の先にあるもの

ただ、一つだけ怖いことがある。

こんなに急ピッチで株価が上昇した時、その先には必ず大暴落が待っている。歴史が、何度もそれを証明してきた。

そしてその暴落の被害を、まともに受けるのはいつも個人投資家だ。気づいた時には、もう手の打てない場所まで価格が落ちている。

上昇局面で増えていった気持ちの大きさと同じだけ、下落局面では心が削られていく。

今は、楽観相場だ。誰もが浮かれ、誰もが強気になっている。テレビをつければ強気の予想ばかりが流れ、SNSを開けば誰もが勝っているように見える。

その空気に飲み込まれて、いつもより大きな金額をクリックしてしまった経験は、誰にでもあるはずだ。でも、こういう時こそ、無理をしてはいけない。

あなたは今、相場に煽られて、いつもとは違う判断をしていないだろうか。

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