泣き虫野郎のパンクロック(29)
EASY GRIPとしては2回目、たっかん加入してからは初となる東京でのライブはまだ新幹線で行っておりました。
メンバー3人で新大阪に何故か早朝に集合。
よく考えたら前回初東京の時もそうでしたが、入り時間にさえ間に合えば良いのに、何故か早朝に出発していたのは、今思っても本当に謎だらけですね。
ライブ会場である渋谷のGIG-ANTIC(以下ギグアン)に午前中には着いていたような記憶があり、とりわけ何をしても良いのか、どこに行っても良いのかもわからず、ただただギグアンの周りをウロウロしていたと思います。

良い時間になった時、颯爽と現れたのはBAD NEWS RECORDSの石渡さん。
初めましての石渡さんは、いざ出会ってみると、神奈川弁混じりのちょっとやんちゃな感じでしたが、予想以上に都会派のシティボーイでした。
石渡さんと色々話しましたが、中でもEASY GRIPの「I THINK OF YOUR MIND」と「ON MY WAY」を聴いてくれて、とりあえずメロディーが最高だと、物凄く褒めていただいたと記憶しています。
そしてまずOATMEALとのSPLITをリリースして、その後単独音源をいつ頃に出そうと思ってる〜みたいな具体的な話もある程度したと思います。
そうこうしている内に、OATMEALのナベカワ君もギグアンに来てくれ、石渡さんから紹介されました。
「あー、この人があのOATMEALの人かぁ。」
一曲しか知りませんでしたが、僕は大ファンだったので、めちゃくちゃ興奮していたと思います。
初めて会ったナベカワ君は物凄くオーラを出してるのに、とても人当たりが良い柔らかな印象でした。
この人達とSPLITを出せるかもしれないなんて、なんて夢みたいな話なんだ。
また改めてBAD NEWS RECORDSというレーベルの存在と力を思い知ったのです。
僕らはライブの終演後、石渡さんとナベカワ君から「とても良かった」という感想をいただき、OATMEALとのSPLITとの話も決定しました。この時OATMEALはあまりライブ活動をしていなかったのですが、いつか一緒にやりたいなと思ったのです。
実はこの日対バンで聞いた事のある名前のバンドが出ておりまして。
たっかんから一言。
「増田さん、今からキャプヘジ始まりますよ。」
そうです。
あのCAPTAIN HEDGE HOG(以下、キャプヘジ)も出演していたのです。
ハイスタ以降、SHERBETとHUSKING BEEが現れ盛り上がっていた横浜メロディックシーンでしたが、SHERBETやGREEN GIANT、DAMAGEなどが続々解散してその後大きな動きがありました。
その解散したバンドのメンバー達が新たなバンドTHUMBやREACH、SHORT CIRCUITなどを結成し、またシーンを作り始めていたのです。
そしてTHUMBの片山さんがSPICE OF LIFE RECORDSというレーベルを主催し、V.A「MAKING UP NEW LINES」を発表。
新たな時代を作っていたのでした。

誰もが1曲目のSHORT CIRCUITに度肝を抜かれた。
その中でも一際異彩を放っていたのがキャプヘジでした。
僕はキャプヘジのライブは見た事は無かったのですが、大谷王子とたっかんはベイサイドで観た事があったらしく、物凄くカッコよいとの事。
OATMEALのナベカワ君も、キャプヘジはヤバいと言っていたので、いざライブを観てみると、
「めちゃめちゃかっこええがな!!!!」
当時の僕は田舎者が故に
「横浜メロディックがなんぼのもんやねん。」
くらいの勢いでしたが、キャプヘジのシノブ・サシミさん・おっくんの織りなす完璧過ぎるサウンドとシノブの天才的に面白いMCに完全にノックアウトされてしまいました。それと同時に横浜メロディックシーンの層の厚さに慄いたのです。
あまりにカッコよかったのでキャプヘジのライブ終了後、物販で即「Lemon」の7inchを購入したのです。

このキャプヘジとの出会いがきっかけで、EASY GRIPは横浜メロディックシーンのバンド達とも邂逅していくことになるのでした。
