泣き虫野郎のパンクロック(40)
そういえば1stアルバムのツアーファイナルである下北沢シェルターの日、1人の青年に会いました。
お客さんとして来ていた彼は僕に、
「ライブめっちゃ良かったです!
EASY GRIP最高です!!」
よくよく聞いてみると、とてもEASY GRIPのファンとの事。
そして彼が唐突に言い出したのが、
「EASY GRIPのホームページを勝手に作ったんです!
なのでオフィシャルとして認めてください!!」
「え?どういう事??」
事態をあまりよく飲み込めませんでしたが、要するに彼はEASY GRIPの事が好き過ぎてホームページを自主的に制作してくれてたのです。
自分で作ったホームページをわざわざプリントアウトして持ってきて、プレゼンをしてくれたのです。
当時はまたネットも今ほど普及していない時代、というかまだiモードも無いような時代でした。
そんな有難い話はないなと思ったので、僕は即座にOKしたのです。
こうしてEASY GRIPのオフィシャルウェブサイトは始まりました。
そんな愉快な彼の名はワテンちゃん。
ワテンちゃんは後々BAD NEWS RECORDSに入社し、その手腕を買われBAD NEWS RECORDS所属アーティストであるくるりを始め、様々なバンドのホームページなどにも大きく関わっていく事になるのです。
そんな1stアルバムのツアーを終えた僕らはOATMEALのナベカワくんから、オールナイトのDJイベントに誘われます。
OATMEALの出演は無かったのですが、ナベカワくんはDJとして出演するとの事。
前日にナベカワくんの家に泊めてもらい、いろんなレコードを聴かせてもらいながら、たくさん話したり、人生初の家系ラーメンに連れていってもらったり(確かたかさご家だったかと)、とても貴重な体験でした。
イベント自体は横浜のCLUB24。
バンドは僕らEASY GRIPとpopcatcherだったと思います。
popcatcherは横浜で活動しており、自主レーベルである「CAP'N HAUS REC'S」からV.Aなどをリリースしておりました。

その時のpopcatcherのライブが余りにも素晴らしく、
「あ、なんかこの人達には逆立ちしても勝てないっぽい」
と思ったのを鮮明に記憶しております。
僕が絶対に勝てないなと思ったバンドは3つあって、
7SPEED AUTOMATIC
piggies
そしてこのpopcatcherだったのです。
イベント終了後はナベカワくんに明け方の新横浜まで送ってもらい、またの再会を約束して僕らは帰阪しました。
当たり前の事ですが、オールナイトイベントはしんどいですww
僕らEASY GRIPは引き続きライブや曲作りを繰り返す中、ある1つのバンドと急激に仲良くなります。
それが皆さんご存知、大阪のKNUCKLESです。
Vo:ツトム、G:アグ、B:ムカシン、Dr:マーブーの4人編成だったKNUCKLESは1stアルバムを自主制作でリリースし、関西に名を轟かせておりました。
「大阪でKNUCKLESの"RADIO"を知らないキッズはいない」
と思われるほど、関西で絶大な人気と地位を確立していたのです。
そんなKNUCKLESは同じく大阪のバンドであるPETとSPLITアルバムを発売します。

このSPLITアルバムもKNUCKLESの自主レーベルからのリリースだったと思います。
僕らEASY GRIPも含め、色んなバンドがインディーズと言いながらレーベルからリリースしていく中、ライブ活動のスタイルやCD制作、宣伝なども全て完全自主制作、何もかもDIYでやっている彼らは本当の意味でのインディーズバンドだったのです。
KNUCKLESの1stアルバムはアナログ盤もリリースされていたのですが、Voのツトムからツテも無いから盤とジャケットは別々に作り、自分らで封入れした、みたいな話も聞いた事がありました。
当時僕がよく連絡を取っていたのはGのアグだったのですが、アグに
「なんでそこまで自分らでやるのん?」
と聞いたところ、
「だって、やらないと始まらんやろ」
とサラッと答えたアグはあまりにもカッコよくて、そのKNUCKLESのストイックさに痺れるのです。
そんな言葉や活動スタイルに胸打たれた僕らEASY GRIPがKNUCKLESと対バンする機会も増え、仲良くなっていったのは、自然な流れだったのかもしれませんね。
ある日アグから、
「イージーな、一緒にツアー行かへん??」
という提案が出てきます。
僕らはKNUCKLESの事をとてもリスペクトしていたので、二つ返事でOKしました。
そしてKNUCKLESのスタイルに合わせたくて、レーベルの力などは借りず、自分たちでブッキングし、ツアーを回ろうという事になったのです。
KNUCKLESもEASY GRIPもアルバムを全国発売していたとはいえ、全国規模で見たら全然まだまだのバンドで、人気もお金も無かったですが、気合いだけはめちゃくちゃあったと思います。
こうしてKNUCKLESとEASY GRIPの珍道中ツアーである、「KEEP ON MY WAY TOUR '99」が始まるのです。
