女子ゴルフ「アクサレディス」中継で時系列の重大な誤り発覚、関西テレビが説明
2025年4月11日、宮崎で開催された「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 2025」最終日の女子ゴルフ中継(BS10、制作協力:関西テレビ)において、スコアと選手の状況を示す時系列に重大な誤りがあったことが発覚し、波紋を広げています。
この問題は、リスナーからのラジオ番組への投書をきっかけに明るみに出ました。
【事態の概要】
問題の中継映像では、小祝さくら選手が河本結選手よりも先にホールアウトしたかのように表示され、実況アナウンサーも「現在クラブハウスリーダーが小祝さくらの8アンダー。ですから、河本はここで優勝の可能性はなくなりましたね」と誤った情報を伝えていました。
画面右下のリーダーボードでも、小祝選手には「F」(フィニッシュ)が表示され、河本選手は「17H」と示されていました。
しかし、U-NEXTのライブ配信や、現場で観戦していたリスナーA氏の証言によると、実際には河本選手が先にホールアウトし、その時点で小祝選手はまだ9番ホールをプレー中でした。
河本選手がホールアウトした際には、スコア「-7」の横に「F」が表示され、小祝選手は「-8」の横に9番ホールであることを示す「8※」が表示されていたのが事実でした。
【発覚の経緯】
この事態は、ラジオ番組「インターエフエム グリーンジャケット」に寄せられたリスナーA氏の投書によって発覚しました。
A氏は大会を現場で観戦しており、河本選手がホールアウトしたのを見届けた後、インスタートで急浮上していた小祝選手のプレーを見に移動していました。
そのため、帰宅してテレビ中継を見た際に、現場で体験した事実と放送内容が大きく異なることに衝撃を受け、ラジオへの投稿に至ったとのことです。
【カンテレ側の説明】
問題の制作を担った関西テレビ(カンテレ)の西澤宏隆スポーツ局長と大槻文人プロデューサーは、取材に対し以下のように説明しました:
* ゴルフ中継ではメインの組に生で実況をつけるが、複数のプレーヤーが同時進行している場合、タイムラグを設けるディレイ放送が必要となる。
* 今回の放送では、まず18番でフィニッシュした河本選手のプレーを収録し、流すタイミングを計っていました。
* その間に、インスタートから急上昇した小祝選手が9番をホールアウト。
* 小祝選手の映像は、リアルタイムで確認できないENGカメラで収録されていたため、中継スタッフは小祝選手がいつホールアウトしたかを把握できていませんでした。
* 一方、別棟でリーダーボードを手入力していた担当者は、大会運営からのリアルタイム情報に基づき、小祝選手にホールアウトを示す「F」を入力。
* 河本選手の18番の映像をまだ流せていなかったため、スコアとの整合性を保つため、河本選手の消化ホールは17番終了時のまま表示された。
* 中継担当者の中に、河本選手と小祝選手の「逆転現象」に気づく者がいなかった、というのが報告書と聞き取りの概要でした。
カンテレ側は、この件を「反省点」とし、河本選手のバーディーパットを「もっと早く差し込むべきだった」、そして小祝選手のハイライトも「もっと後のタイミングで出すべきだった」と認めています。
【リスナーA氏の鋭い指摘と衝撃】
リスナーA氏は、カンテレ側の反省点について「もっと早く河本のバーディーパットを」という指摘は的を射ていると評価しています。
また、A氏は再チェックにより、河本選手のバーディーパットの前に小祝選手のホールアウト後のリプレーが行われていたこと、そして河本選手の表示が17Hで止められたのは、後に河本選手のバーディーパットを入れるためだったのではないか、と推測しています。
さらに、A氏は現場での自身のレポート(「河本がクラブハウスリーダー、後続待ち」「残念ながら小祝が8アンダーで終了したため優勝は無くなりました」)と放送内容が異なっていたため、「どうして事実と違うの?」とショックを受けたと語っています。
A氏は、解説の樋口久子氏も実況アナウンサーよりも先に「小祝さんがマイナス8でもうフィニッシュしてますから」と発言していたことを指摘しており、誤った情報が視聴者に伝わったまま訂正されず、ラジオ番組での指摘まで関係者が気づいていなかった事実に疑問を投げかけています。
【過去の類似ケースと放送体制の背景】
今回の問題は、19年前にMBS・CBC・TBS系の中継で類似したケースがあった「アニカ・ソレンスタム vs 宮里藍」対決の演出を思い出させると指摘されています。
当時もソレンスタム選手の編集映像が生のように挿入され、スコアと実際の状況の食い違いが批判を呼びました。
カンテレ側は、今回の件は「意図的に視聴者を混乱させるような演出は行わない」と強調し、あくまでインスタートの小祝選手が大きく伸ばしたことに対する準備不足から生まれたミスであると説明しています。
また、今回のミスは、フジサンケイグループがCM出稿見合わせや減収といった「負のスパイラル」に陥っている中で発生しました。
昨年はフジテレビ系列全国28局ネットで大々的な放送体制が組まれていましたが、今年はフジテレビが抜け、カンテレが準キー局として放送を担う形となっていました。
大多亮社長の辞任と重なる最悪のタイミングでの重大な中継ミス発覚は、さらなるダメージとなることは避けられないでしょう。

