「置かれた場所で咲きなさい」の名言と、私が救われた理由
みなさん、こんにちは。
生きづらさ研究家、春野ましゃこです。
わたしが生きづらさ研究家を名乗った経緯については、こちらを読んでみてくださいね。
今日はこちらの本のお話です。
わたしが紹介しているのは、あくまでも個人的に気に入っている部分のみです。
要約を書いているわけではありません。
できれば、実際にその本を手に取ってみてくださいね。
この本は渡辺和子さんという方が、2012年に書かれたもの。
とても人気があって、Amazonのレビューは3000件以上にも上る。
まず初めに言っておきたいのだけれど、渡辺さんはシスター、つまりキリスト教信者であるということ。
でもこの本に書かれていることは、宗教的というよりは普遍的なものなので、特にキリスト教を信仰していなくてもスっと入ってくると思う。
渡辺さんは2016年に89歳で亡くなられている。
以下、いつものように印象に残ったところを挙げてみる。
「あなたが大切だ」と誰かに言ってもらえるだけで、生きてゆける。
この章では、「穴」という言葉が出てくる。
「穴」とは、地面に掘られた穴をさすのではない。
人生におけるつらい経験、例えば大切な人の死、病気、他人とのもめごと、などのつらい経験を「穴」になぞらえている。
そんな「穴」が開いた状態を経験しないと、分からないことがあると書かれているのだ。
例えとして、婦人科の手術をして、子どもが産めなくなった女性が出てくる。
結婚を前提にお付き合いしていた男性がいて、その男性は子どもがとても好きだった。
だから、そのことを打ち明けたくなかったという。
でも、思い切って話してみると、「赤ちゃんが産める君と結婚するんじゃなく、君と結婚するのだから」という返事。
この女性は、子供を産めない体になって、初めて、男性の「無償の愛」に気づいたのだ。
著者の渡辺さんは、うつ病を経験し、2年の闘病生活を送られている。
そして「病気というのは、それまで見ることができなかった多くのものを見せてくれました」と書かれている。
わたし自身、うつ病、そして双極症という経験を通じて、数々の嫌な目に遭ってきた。
態度が変わってしまった人も少なくない。
けれどその分、たくさんの人の本当の優しさにも触れることができた。
人は心に「穴」が開いたとき、人の本当の優しさが身に沁みるのだ。
そして渡辺さんは、自分が弱い立場になって、他人の弱さが分かるようになり、自分の傲慢さにも気付いたという。
失敗や不幸は、誰もあまり経験したくないものだけれど、全く経験したことがない人には、本当の心の痛みや優しさは分からないもの。
私自身、心に穴が開いたことは、数え切れないほどある。
でも、その分少しは人に優しくなれたし、渡辺さんと同じように自分の傲慢さに気付けた。
人生において何1つムダな経験はないと言われるけれど、本当にそうじゃないかと。
9年間に一生分のないを注いできた父
この本の帯の裏に書かれていた部分を、わたしは一番初めに読んで驚愕してしまった。
というのも、著者である渡辺さんのお父様は、昭和11年2月26日、あの二・二六事件で襲撃された渡辺錠太郎さんだったのだ。
日本史で、誰もが学ぶ歴史的一大事件。
しかも渡辺さんは、銃撃されたお父様のすぐそばで寝ていたという。
でもこの本には、事件の悲惨さについては、何も書かれていない。
ただ、どのようないきさつで、お父様が亡くなられたのか、事実だけが淡々と書かれている。
お父様がいかに素晴らしい人だったかしか書かれていないのだ。
そこには、殺した犯人に対する憎しみはなかったのだろうか。
そう思って進めていくと、最後、
父を襲った兵士を許せるまで、50年かかった。
という記述があった。
やはり、いくらシスターという身分の渡辺さんであっても、長い間許せなかったんだな、という安堵に似たような気持ちを覚える。
そして、結果的に許した(許せた)んだという驚きで、胸がいっぱいになった。
そんな渡辺さんが書かれた本だからこそ、説得力があるし、より一層価値がある。
無宗教のわたしが読んでも、何も引っかかるところはなかった。
それどころか、共感することだらけ。
だまされたと思って、一度ぜひこの本を手に取ってみてほしい。
渡辺さんの慈愛に満ちた教えが、きっと読む人の心に光を届けてくれるだろう。
わたしが生きづらさ研究家を名乗った経緯についてはこちら。
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