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シリーズ ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー⑱ 第1幕第3場 ~ その6 ~ ヴァルター登場

いよいよ
ヴァルター・フォン・シュトルツィング
の登場!
まずは彼のテーマをご覧ください!

「シュトルツィングの動機」

軽妙でスケルツァンドな楽想ですね。
彼の騎士という高貴な身分を表すには
いささか相応しくない感じがします。

コートナーから

  「氏素性は確かかな?」

と、尋ねられますが
ヴァルターは、プライドを
傷つけられたと感じ、ムッとします。

ここで剣を抜こうとする演出もあるくらいで、
何かあると力で済ませようとする
喧嘩っ早い態度が彼の特徴です。
(実際第2幕では何度も剣に手を掛ける!)

そんな彼にはもう少し堅いテーマが
お似合いかも、って思ったりします。

さて、この軽妙なテーマが
何度も何度も聞こえてきます。
何と言っても出だしの

 「ンッ タターン」(← ンッ は休符です!)

が特徴的ですから
とっても耳につきます。

こういう時のワーグナーのしつこさは
凄まじいのです!

以前「トリスタン2幕」に出てくる

「昼の動機」

が何回出てくるか、数えたことがあります。

「トリスタンとイゾルデ」第2幕冒頭、「昼の動機」

確か2幕全体で
140回!
だったと思います。

これだけ鳴ればいやでも
覚えてしまいますよね。

では
「シュトルツィングの動機」
はどうか?

ザックスが口を挟み
音楽の景色が変わるまでの
44小節の間に

何と!

21回も!!

このテーマが鳴ります。
打率約5割!!
トリスタン2幕は
全2051小節のうち140回ですから
(まあそういう比べ方はナンセンスですが)
圧倒的な登場割合です。

さらにワーグナーのすごいのは、この

 「ンッ タターン」

をシュトルツィングだけではなく
「ベックメッサーの動機」
の頭にも使っていること!

「ベックメッサーの動機」

楽譜を見ると似ているのが
よく分かると思います。

そうです、ワーグナーは
「あえて」
このような動機操作をして
敵対する2人を音楽的に結んでいるのです。

「麻薬のよう」と言われる
彼の音楽の秘密の、
ほんの一端ですけれど。

凄いでしょう?
ワーグナーって。

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