パチンコ屋で見つかった息子のチャリと、田舎の警察と、母を通して伝わってきたこと
鹿児島・指宿で、うちの息子のチャリが盗まれた。
正直、「もう戻ってこないかもしれない」と思っていた。
でも、まさかの展開が待っていた。
パチンコ屋、防犯登録、警察の“成績”事情。
焼き鳥屋の仕込み中に届いた母のひと言から、
少しだけ“家族と日常の輪郭”が見えた話。
パチンコ屋で見つかった息子のチャリと、田舎の警察と、母を通して伝わってきたこと
息子のチャリが盗まれてからというもの、アタマのどこかで気になっていた。
買い出しのときも、仕込みのときも、焼き鳥を焼くときも。
顔は笑っていても、心の中はずっとモヤモヤしていた。
昨日、仕込みをしてると、母がポツリと言った。
「今日は仕事が休みだから、朝からチャリ探しているらしいよ」
どうやら、元嫁がチャリを探し回ってるということだった。
駅の周辺、海岸、公園、団地の裏道、など、思いつく場所を片っ端から探し回ってくれたらしい。
だけど、どこにもなくて、ふと、「パチンコ屋かも」「パチンコ屋になかったらあきらめよう」そう思ったんだと。
元嫁の直感は、見事にビンゴ。
「見つかったよー、パチンコ屋の駐輪場に」
とうれしそうな声で母に電話があったそうだ。
「よくぞ気づいてくれました、そうか、パチンコ屋だったか」
「見つかってよかった」と思いかけたけど、話はそこで終わらなかった。
元嫁が警察に電話をすると、反応は思いのほか「その場から動かないでください」とだけ言ったという。
警察が来ると「チャリが見つかって良かったですねー」ということは、一切なく、「あなたと息子さんとの関係性が確認できないので、自転車はこのままにしておいてください」と言ったそうだ。
...は?
元嫁はブちぎれたらしい。
元嫁のブちぎれた顔や声はだいたい想像がつく。
昔から言いたいことはハッキリ言うタイプだったし、思い込みも強いけど、筋の通らない話には徹底的に食い下がる。
そのあと、ぼくも気になって警察に、電話をしてみた。
「昨日、息子がチャリを盗まれて被害届を出してるものなんですけど、、」
「今日たまたま、元嫁が仕事が休みで朝からチャリを探して回ったそうなんですが、やっとパチンコ屋でチャリを見つけたとおもったら、犯人扱いされたって聞いたんですけど、、本当っすか?」
相手の警察官はやや困ったような声でこう言った。
「実はですね、防犯カメラで目ぼしい人物が映っておりまして、その人物が現在、そのパチンコ店で遊戯中なんです。現行犯で逮捕するために、現場で待機してるところなんですよ」
...なるほど。
そういうことか。
”事件として成立”させるために、現行犯で抑えたい。
その気持ちはわからなくもない。
でも、だったら最初からそう言えばいいのに。
「あなたと息子さんとの関係性が確認できないので、自転車はこのままにしててください」
っていうから、話がこじれるんだよな、と思った。
夜9時すぎころ、息子からLINEがきた。
「チャリあったー」
「パチンカスが奪ってたわw」
その”w”の軽さに、なんとも言えない気持ちになった。
チャリが見つかってよかったな、と。
警察の都合も、元嫁の怒りも、ぼくのモヤモヤも、ぜんぶひっくるめて、チャリが戻ってきた。
正直に言うと、「またチャリ買わないといけないかも」とちょっとドキドキしていた。
チャリが見つかって御の字だった。
だけど、それ以上にじんわりと心に残ったのが、母を通して伝わってきた、”元嫁の行動”だった。
いちばん頼りになったのは、誰に言われたわけでもなく、誰かのために動いた「行動力」だった。
息子にLINEで返信した。
「ママちゃんに感謝やね」返ってきたのは、にこちゃんマーク。
にこちゃんマークひとつだけ。
たぶん、めちゃくちゃうれしかったんだろうな。
戻ってこないと思ってたチャリが、ちゃんと帰ってきたんだから。
今日も今日とて、やきとりです。
いつもありがとうございます。
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