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僕の手が物語るものは

僕はコーヒーを手鍋で焙煎する。
火と豆と対話をしながら手は絶えず働く。
温度の移ろい、色の変化、香り。
パチ、パチと豆が語りかけてくる。
その全てを目と耳と
この手で調律していくんだ。
焙煎は技術でありながら、
どこか祈りのようだ。

芳ばしい香りに包まれながら
僕は海の向こうの遥かな地へ
想いを馳せていた。



生豆は緑の香りがする
ハンドピック
真剣に欠点豆を探す息子(小6)
父と子の語らいの時間でもある



夜明け前の淡い光の中、
赤く熟した果実を一粒ずつ
確かめるように摘み取る手。
雨と風の季節を知り、
読み取ってきた手。
その手が触れた瞬間、
果実の旅が始まるんだ。


その手には愛を感じる


摘み取られた実は、次に「選ばれる」。
機械ではなく人の指先に宿る
古い記憶のような感覚で。
わずかな硬さの違い、熟度、張り。
手触りの向こうにある
「豆の未来」を案じながら。


発酵槽の中で豆は静かに眠る。
発酵という見えない変化を
時間と共に受け入れていく。
乾燥棚に移された豆は
優しく混ぜられ夜露から布で守られる。

手は絶えず豆に寄り添い、
眠りと目覚めの境界をそっと見守っている。

精製された豆は改めて
人の目と手で確かめられる。
色、形、重さ
一粒ごとに違う表情。
いい豆、という言葉の裏には、
沢山の手、指先の判断が
積み重なっているんだ。



我が子を愛おしむような手


その豆が旅立つに値するのか、
専門家(Qグレーダー)が目と鼻と舌で
品評する。豆の声を聴き点数をつけ
商談のテーブルに広げられる。

選ばれた豆は麻袋に詰められ、
港の風を受けながら船に積まれる。
異国の海。
長い波。空。
太陽と嵐のあわいを越えて、
まだ見ぬ誰かのカップへ向かって、
ゆっくりと進んでいく。


その旅のすべてに、
いつも「手」があるんだ。



僕は調理師として仕事で料理をしている。
美味しいって思ってもらえるように。
願いを込めるんだ。

手鍋焙煎も同じだ。
家族に子供たちに
大切な人に手料理を作るように。
たっぷりの愛情を込めて。

そうする事で
豆が持ってきた遠い手の記憶に、
新しく僕の手の時間が重なる。


焙煎仕立ての豆を
優しく包む娘の小さな手


焙煎後の豆を休ませていると、
香りがふわりと立ち昇る。
その香りの奥には、沢山の手の物語がある。
僕はそれを感じながら、
この物語を次の人につなぎたい
と思うんだ。



息子の描く絵が好き


ハンドメイドのコーヒーラベル。
イラストは我が子が描いた絵だ。
一枚ずつ切って貼って。
インクの匂い、紙の手触り、
指先が紙の端をそっとなぞる時間。
ひとつのパッケージが形になる度に、
そこには焙煎した豆だけでなく、
この手の温度が静かに宿っていく。



その時僕の手は
何を語るのだろう


季節に耳を澄ませる。
冬の寒さ、春の風、
夏の夕暮れ、哀愁の秋。
その時々の空気を掬い上げるように
豆の個性を選び、重ね、ほどき
新しいブレンドを生み出す。
季節のうつろいを一杯に封じ込める手。
僕のこだわり。


人から人へと繋がってきたコーヒーの旅は、
僕の手のなかで、ひとつの形となる。
袋に詰められ綴じられ、
送り出されるその瞬間
コーヒーは次の誰かの物語へと向かう。

その手からまた次の手へと
繋げられてきた大切な豆たち。


手仕事にはその人の
愛情が込められているんだ。


こうして届けられた一杯のコーヒー。
心に小さな花を咲かせるように
あなたの日常に寄り添えたら
嬉しいなあって思うんだ。


愛に溢れた物語の続きは
きっと、またそこから始まるよ。





🌿🌿🌿🌿

冬のブレンドを2種類作ったのです。
よかったら覗いてみて下さい♪







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