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事業にかける「思い」というと抽象的? そこをハッキリさせるとめちゃくちゃ力になる

この記事の元となる音源「Morning House」は、音声SNSアプリClubhouseで毎朝6:50から配信しています。一週間で一人の人生が「劇的」に変わる、新感覚のライフチェンジング番組です。
https://www.clubhouse.com/club/morning-house

Before-Afterのような「劇的な変化」を起こすプロデュースで、一人の人の生き方を変える「Morning House」、今週のライフチェンジャーはあべなるみさんだ。彼女は、「愛のある食」の魅力、また、その豊かさで生き方さえみずみずしく変わるという「食の力」を広く伝えたいと、現在進行形で行動し始めている。

事業にかける「思い」の深掘り

なるみさんが今の生き方に至った原体験については、前回すこし紹介した。その上で、これからなるみさんがしていきたいこと、たとえば「愛のある食」に関する情報を消費者向けに発信したり、「愛のある食のセレクトショップ」をつくって運用していくのであれば、ターゲットを明確にしていく必要がある。その時に役立つのが「自分はなぜ今の取り組みをしているのか?」という、いわば「起源」に立ち返ることだ。なるみさんはこの問いに対し、思いの言語化で応じていく(さっそく彼女は、言葉にしていくのに大切な要素を「10のポイント」にまとめてきてくれた)。

今日は、プロデューサー・川原卓巳さんとの語らいから、彼女の「思い」の部分の深掘りが始まった。

「なるみさんって、すでに自分の生きたい人生を生きているなって感じるんです。その状態から、ここ『Morning House』でどんな風に変わっていきたいと思ってますか? どうだろ」

「そうですね、今までは、農家さんのブランディングをしてきたんですけど、そこから今度は消費者に向けたものをかたちにして提供したいと考えています。私、『ブランドの助産師』という顔を持っているのですが、そこから新しい顔に移行したいって思っているんですね」

「リブランディング的な? 具体的にはどうなりたい?」

「『ブランドの助産師』っていうくらいなので、これまでは農家さんの『お手伝い』をする、あくまでもブランディングで食材などの"お産"を手伝うって感じだったんです。裏方というイメージでしょうか。そんな取り組みをする中で、『愛のある食事を取り入れると、ご機嫌になれるよ』という共通の価値みたいなものが見えてきたんです。それを今度は自分が前面に出て、食べ手・消費者にシェアしたいと考えています。食事との向き合い方を直接自分で語っていきたいというか」

「なるほど。最終的には消費者がそういうイメージを持てるようにブランディングしていきたいわけだ。で、より多くの人に声を届けたいっていうのが、今いるフェーズかな」

「そうですね。そこができれば、いま『助産』させてもらっている農家さんと食材も、みなさんにもっと知ってもらえるし、農産物も売れると思うんですね」

なるみさんの奥底にあった変化への恐れ

「うんうん。よくわかります。僕も自分で発信をし始めた時、同じような感覚を抱きました。結局、僕自身が直接届けられる人が増えない限り(川原さんであれば、こんまり流の片づけメソッド、自身のプロデュースの考えや方法等)、どんなに広く役に立ちたいと思っても、ちっちゃな世界に収まっちゃうんだよね。ちなみに、なるみさんがそれをしていく上で、何がボトルネックになっているのかな?」

「いま現状、私自身は『ブランドの助産師』としてみなさんから求められているんです。お金もそこで稼いでいて。だから……チェンジするのが怖いんです。助産師の顔から移行するのが怖い。あとは、今の顔を完全に変えるのか、変えるとしても徐々に変化させた方がいいのかといった葛藤があります。何かを変えることで、いま求めてくださっているみなさんを裏切ることになってしまうんじゃないかとも思ったり……」

話は、深いところに迫っていく。

叶えたいことの目的ともう一歩深く向き合う

川原さんが、続ける。

「それでいうと、たぶん、移行すること自体はまだ誰にも求められていないと思います。なぜなら、まだものが存在していないから。なので、ブランドというよりは、なるみさんが今後、人生で叶えていきたいことの目的に対してもう一段『深い向き合い』が必要なのかなと感じています。一回限りの人生ですからね。残り時間をどうするのかって考えますよ。どんな変化を世の中に残して死ぬかってところです。ってなった時に、今のままのブランドでいいのか、それとも『ほんとうの自分をさらけ出して生きる』こと(=たとえばブランド・顔を変える)の方が、いま求めてくださっている方々も含めてより価値がつくれる生き方になるのか、というところを問うと答えはでてくると思います」

「ああ……」

「というのも、なるみさんってまだ余裕があるんですよ」

「余裕?」

「余裕。あと500倍はできる人だと思うんだ」

「あ、そういう意味の余裕ですか」

「『徐々に〜』とか『ブランドを変えよう』って思う人って基本、余裕があるんです。僕ら(=こんまりさんと川原さん)って、目の前の人の役に立とうと思って役割をこなしまくってきたら、結果としてブランドになってたって感じなんです。ただ必死だっただけなんですよ、生き残るために。ブランドは結果論です」

「それでいくと、私、すごく打算的なので、『これくらいだったら自分は幸せに生きられるな』って想像しちゃうんですよね」

「これ以上いくと『幸福感、下がるな』っていうラインがあるじゃないですか」

「ありますあります! その中でやってきました。必死感はないかも(笑)。バレバレですね」

「変わりたい」はどこまで本音なのか

二人の会話は続く。

「でも、それが『いま選んでる幸せ』でもあるので、あとは『変わりたい』がどこまで本音かっていうところですよね。『もう一回、人生でドライブかけたいな』っていう本音が出てくる時が、僕にはありました。なるみさんが、そこにいるかってところです」

「いますぐアクセルを全力で踏めるかというと、私は、今は踏まないって思っちゃいます」

「うんうん。アクセルワークすごく上手だよね。だから、イメージでいうとサイドブレーキをもうちょっと下ろせる余白があるかなって感じかな。まだやっていないのに『考えられる想像上の恐れ』とかを考えてると思う。そこをしっかり吟味して、少しずつサイドブレーキを下ろしていけば、今よりもより役に立てたり、ラクに成果が出せたりっていう変化は起こせるかもしれない」

「それは……やりたいのか自分でもよくわからないです。何がサイドブレーキなんだろう」

「なんだろうね」

「うーん」

「わからない。でも、その答えは今のお客さんと向き合う中にある気がします」

『やり切る』という経験をしてみる大切さ

昨日、なるみさんの話を聞いていて明らかだったのは、彼女が話している中でいちばん楽しそうにしているのが「自分自身が感じた食の感動を伝えている時」だったことだ。この点に関しては、彼女は「やりたいこと」として感じているのだろう。

ふたたび、なるみさんと川原さんの会話が続く。

「あ、でも必死じゃなきゃいけないってわけじゃないですよ。ただ、なるみさんはアクセルワークができるから、自分が思い描いた通りに設計して一度やり切ってみたらいいと思うんです。で、自分の力だけじゃ足りないってなった時に力を借りられる人さえつくっておけば、あとのブランドづくりはなるみさんならできると思う」

「私、打算的に考えていろいろ思っちゃうから、何にときめいているのかさえ自分で見失っちゃうことがあるんです。このこと自体、私は自分のマイナスだと思っていたんですけど、今、『それはそれでいいのか』って思いました(笑)」

「ばりばり才能です、それ。しっかりリスクヘッジするというか。その上で、これは僕の経験で言うとですけど、自分のキャパシティを超えるような役割が与えられた時に、僕はその感じを手放せました。ぜんぶ自らリスクヘッジする『自分でやるから』という発想から抜け出して、『助けて』が言えるようになったんです。『力が足りないのでお願いします』って自分の身を社会と世界に放り出しました」

これに、なるみさんは何かしらの光明を見出したようだ。おそらく、なるみさんには思考のブレーキがかかっているのだろう。彼女いわく「壁にぶつかる前に、壁を予期してブレーキを踏んでしまう」のだという。

でも――「人生を変えている人って、どこかで限界突破して、壁を突破して人生を変えてるんですよね」

しかし、このあと会話は別の方向に進んでいく。

やり切る=アクセル全開、とは限らない

「もっと理想を追っていいんだ」「もっとやっていいんだ」という感覚に自分でYESを出すことが、今のなるみさんに必要なのかもしれない。

「あ、いま何かわかった気がします。今まで、実は『アクセル全開にしていない自分に、人がついてきてくれるだろうか』って思ってた部分があるんですけど、理想に対する覚悟が結局弱いからダメなんだなって思いました。ゆっくり走るなら走るでいい。そこに『この速度で走る!』っていう覚悟があればいいんですね」

車の例えでいうと、なるみさんは、うまく自身をコントロールして、事故を起こさないように走っている。それは、それでいいのだ。事故が起きなくて済むなら起きない方がいいことだってある。事故を起こさずして自分らしく理想を叶える姿は、多くの人の共感を生むだろう。

「そういう私自身に自分でダメかなって思ってたんですけど、そうじゃないんですね」

それこそママであっても、事故を起こさずに安全運転の覚悟で走って理想を叶えられたら、それは新たな夢の叶え方の提示になる。これは、なるみさんにしかできないサクセスストーリーのつくり方だ。もっというと、「壁を破るだけがブレイクスルーのありようではない」ということである。「やり切る=リソースを限界まで使う」ではなく、「やり切る=深く深く覚悟を決めてやる」というありようがあっていいし、そこで成功することだってできるのだ。

彼女の覚悟が、少しかたちを帯び始めた。

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