編集後記 "安齋好太郎さん"
今回の安齋さんとの対談を読んだある方から「迷うことに迷わないおふたりの姿勢に、とても共感しました」とコメントをいただいた。「迷うことに迷わない」とはけだし明言で、そう捉えてもらえたことがとても嬉しかった。
90年代に放送された「ロング・バケーション」というドラマは、皆さんもご存知の通り空前の大ヒットとなった。僕も熱狂したひとりである。この「ロング・バケーション」という言葉の意味を深く考えた人は少ないかもしれないが、僕はこの言葉を人生における「迷いの時期」と理解しており、空白のような期間に迷い、蛇行しまくり、その結果、自分にとって最良なパートナーに気づくということなのではないだろうか。一見するとネガティブにも見えがちな迷走期に、実は大切なものが詰まっているということを「ロング・バケーション」と名付けたことが、当時の僕はとてもロマンティックに感じたものだ。
言ってみれば、安齋さんも僕も「ロング・バケーション」の最中なのかも知れない。そして、その時期をその時期にしかできないことをやろうと必死なのかもしれない。迷走し蛇行しているときは、不安にかられるものであるが、この不安は自分の内側から生まれるものではなく、周囲の期待に対して生まれるもののようにも思う。しかし、そういう不安に押しつぶされて、迷走や蛇行から逃げると、結果的にアウトプットは予定調和になり、周囲の期待を大きく越えることができなくなるのだ。
「高く飛ぶ時は、深くかがむ」それは物理的な摂理でもあるわけであって、今、自分が迷走や蛇行の最中であることを確かに自覚し、「ロング・バケーション」を謳歌する。人生の一節で、そのくらいの強さを持って向き合っても良いのではないだろうか。
