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湯飯祭

何度も通った事のある道だったのに初めてその存在に気がついた喫茶店、仕事の帰り道に買ったばかりの本をすぐ読みたかったので入店した。

3月31日、初めて入った喫茶店はこの日が5周年記念で『あんバタートースト』が150円だった。
メニュー表に【今年はこしあんこ!】と書いてあったので『つぶあんの方が良かったな』と思った。
ホットコーヒー(¥350)とあんバタートーストを注文する。2つで500円、値段だけ見たらタイムリープしてしまったと勘違いしてしまいそうだ。

30分前に買った本を読み始めた。
冒頭に『書きたい』と『ヤリたい』は似ていると書いてあった。その1行を読んだ後、本に栞を挟んで「今」この記事を書き始めた。

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今年の1月、【北海道】に住む【一回しか会った事のない】タクマという青年から【山口県】で開催するイベントのお誘いがインスタのDMできた。
文章だけ見るとなかなか怪しい並びに見える。

出会いは3年前に長野の松本で開催された『りんご音楽祭』。出店が横並びになってマッサージを受けてくれたのがキッカケでインスタを交換した。
そこから1度も会う事なくこのお誘いに至る。
場所は山口県の長門湯本。
縁もゆかりもない場所の自分とは不釣り合いなオシャレな宿の1周年記念イベント。
会場までの交通費、宿泊費、断る理由の方が多そうだが、「記憶に残っている彼の雰囲気」と「初めての場所に行ける」この2つだけでスケジュールを確認してすぐOKの返事をした。

『SOIL』という宿(複合施設)のオープン1周年記念イベント【湯飯祭】(ゆめしさい)

山口県でも日本海側にある長門湯本はお世辞にもアクセスがいいとは言えない。
chatGPTを駆使しても大阪からスムーズに尚且つ安く会場に辿り着くのは不可能だった。
当日現場入りも物理的に難しそうなので金曜日に山口へ前ノリ。
数日前に大阪で会った山口県に住むカメラマン藤川くんに『週末山口行くのでタイミング合えばお茶でも』とお誘いをした。
『お茶』を誘ったら、『新山口駅まで車でお迎え』『お昼ご飯はknotというカレー屋さん』『山口駅街ブラ』『sonoda coffeeでお茶』『長門湯本まで送ってくれる』という
【半沢直樹】もビックリの【5倍返し】の優しさで包み込んでくれた。

山口駅周辺街ブラで見つけた寺の言葉

藤川くんが会場まで送ってくれたので、久々に再会したタクマや主催者の方を紹介して初めて来た長門湯本を少しだけ散歩した。
何回も記事に書いているけど、『車の中』と『散歩』ってなんか、自分をさらけ出して話ができる。お互いの生い立ちから家族の事、大好きなバンドの話まで、沢山話した。
出会って数年経つけど、一気に距離が縮まった気がして嬉しかった。

長門湯本に流れる『音信川(おとずれがわ)』

想像以上に早く長門湯本に着けたので、SOILにチェックインして宿にあるサウナとすぐ隣にある温泉でゆっくりさせてもらった。
歩いていける距離にコンビニもないので、宿の向かいにある商店でタコハイとピザポテトを買って共有スペースで1人晩酌を楽しんだ。
こんなゆっくりしている前ノリは初めてかもしれない。

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3月28日(土)

7時過ぎに起きて散策RUN。近所にあったお寺の裏山に登ろうとしたが道なき道過ぎて断念。
長門湯本駅にも寄ったが、JR美祢線は2023年6月の豪雨被災により現在も不通のままだった。
宿に戻ってサウナで汗を流す。サウナは6階にあって朝と夜で男女の場所が入れ替わる。サウナの休憩スペースからイベントの準備している様子が見えた。
こういう色んなジャンルの出店が集まるイベントで毎回思うのが自分の準備がいかに楽かだ。ベッドを開いて設置、看板置くだけ。1分あれば終わってしまう。
飲食の方は1時間以上前(仕込みとか考えたら前日)から準備をしている。
申し訳ない気持ちになる必要はないが、3セットと思って入ったサウナを2セットにして会場へ向かった。

イベント川の向かいから📸
イベント会場裏手の山から📸

天気は晴れ、気温は16°、桜も8分咲きぐらいで『春の野外イベント』としては最高の条件が揃った。
沢山の野外イベントを経験したが、【晴れ】た時点で8割成功(気分的な要素多め)だ。
イベントスタート前に主催者からの挨拶。
出店者も『知り合い』から『知り合いの知り合い』ぐらいまでの関係性で凄く居心地の良い空間だった。

マッサージ入ってない時間は本を読んで出店の方とお話して、ご飯食べてコーヒー飲んで、マッサージして、DJ聞いて、すぐに夕方。
そして夜は出店者やSOILのスタッフさんとの交流会。
野菜や魚、地元の食材をふんだんに使った料理が並ぶ。
料理の話をモモちゃんから、お酒の話をチカラ君から聞く。そして昼間話せなかった人や話したけどなんの人か分からなかった人の答え合わせをしながら料理とお酒を頂く。

engawaでの交流会

2次会は『POPPA』(ぽっぱ)で。
何十年も前に閉店してしまったスナックを同じ名前で去年SOILのスタッフが復活させた。
楽しい時間の証拠『帰る帰る詐欺』で気がつけば日を跨いでいた。
スタッフさんやこの日DJで出演していた『思い出野郎Aチーム』のマコイチさんも一緒に宿へ戻る。
『静かにお願いします』とスタッフの声掛けにドリフのアンサーの様にマコイチさんが何故か【アヴェ・マリア】を歌い出した瞬間がこの日のハイライトだった。

POPPAからSOILへの帰り道
『アヴェ・マリア』を歌うマコイチさんとみんな

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3月29日(日)
イベント2日目、最終日。
この日もありがたいことに出店前に温泉に浸からせてもらう。疲れていれば疲れている程、温泉の効果を実感できる。
昨夜の交流会で『明日はマッサージ受けてみたい!』と沢山の人に声をかけてもらったので忙しくなる覚悟はできていた。が…
まさかのイベント終了までノンストップとは思わなかった。『嬉しい悲鳴』を通り越して『ちょっと悲鳴』レベルでした。笑
それでもイベントの主催者含め出店者やお客さんも【気持ちのいい】人ばかりで身体は疲れたけどずっと楽しい時間が続いた。
この日に帰ってしまう出店者も多く片付けの合間に挨拶周りをする。改めて色んな場所から様々なジャンルの人達が集まっていたんだなと再確認しながら『もう少し話したかったな』と別れを惜しむ。

2日目も結局残ったメンバーで集まることに。
約束してじゃなく、近所に遅くまで飲める店がないので自然とホテルの共有スペースに人が集まってくる。
結局最後まではっきり何をしているか分からなかった人もいるがそんな事関係のないぐらい楽しい夜だった。
『限界』と感じる時間でも時計を見たら0時過ぎ、大阪なら4時の感覚。ここで過ごせば自ずと健康的なサイクルで生活ができそうだ。
『荷物を整理してから寝よう』と数時間前の気持ちがほぼ0になったところで床に就いた。

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3月30日(月)
温泉で目覚める朝も3日目。
出発まで少し時間があったので、味噌湯で出店していた志なださんと近所にある『音』というcafeへ。
コーヒーを頼んで店内に設置してあった『月のみくじ』をひいてみた。

月のみくじ

凄くいい風に書いてあったので、都合よく解釈して手帳に貼り付けた。
店主も昨日営業終わりにイベントに来ていたみたいで『マッサージの方ですよね?』と声をかけてくれた。
長門湯本へ住むキッカケやお店のできた経緯など短い時間でたくさんの事を教えてもらった。
出発時間も近づいてきたので再会を約束して宿へ戻る。

帰りは主催のリョウくんが新山口駅まで送ってくれる。
一緒にコーヒーを飲みに行った志なださんとLIVEとDJで湯飯祭に出演していた澤部さん(スカート)と車に乗り込んだ。
澤部さんのリクエストで帰り道に外郎屋さんへ。
買い物して外に出ると、トラブルぽい感じで1台の車に3人(車の持ち主で5.60代女性、おそらくその母で8.90代女性、たまたま通りがかった60代男性)が集まっていた。

『どうされました?』
と声をかけると
『チャイルドシートのロックが解除できなくて…車に詳しい人いますか?』
と3人組。

車は詳しくないけど、写真撮ってchatGPTに聞けば分かるかもと写真を撮って調べている最中に

『閉まったー!!!』と歓喜の声が。

『ありがとうございます!』と何もしていない僕らもお礼を言ってもらった。

『お名前は?』
と車の持ち主から聞かれた男性は

『名乗るほどのもんじゃありません』
と答えた。

小さい頃から幾度となく聞いてきた台詞だが【現実世界】でこの言葉を冗談じゃなく聞いたのは生まれて初めてだった。
それでも『名前だけでも…』も食い下がる2人に
『ジェームス』です。
とこれも【現実世界】で初めて聞くアメリカンジョークを目の当たりにした。

ジェームスさんと2人

『素敵な場面に遭遇しましたね〜』
と僕らは車に乗り込み帰路へ。
新山口までの小1時間、4人で色んな話をした。
冒頭にも書いたように【車の中】は【酒の場】より自分を曝け出せる場所だと思う。

あっという間の4日間。
【湯飯祭】がなければもしかしたら一生訪れる事がなかったかもしれない【長門湯本】。
『人』も『場所』も『温泉』も【大好き】になるには十分過ぎる4日間だった。
来年も桜が咲く頃には長門湯本の事を思い出すと思う。




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