なぜ公務員は退職時に有給を使い切れないのか― 民間との決定的な違い ―
公務員として働きながら社労士試験に合格した立場で、今回は「退職時の有給消化」について書きます。
私はこの3月末で退職予定です。
そして今、
20日以上の有給休暇を残したまま、3月を迎えようとしています。
民間企業では「いつから休む?」だった
以前勤めていた自動車部品メーカーを辞めるとき、会社から言われたのは一言でした。
「有給全部とるなら、いつから休みだね?」
引き継ぎが終われば、あとは日程の確認だけ。
年次有給休暇は
労働基準法第39条で保障された権利。
退職日が決まっていれば、実務上ほぼ取得できる。
前提は「どうやって取らせるか」でした。
公務員では“本当の後任”がまだいない
一方、いまの公務員の職場。
12月には退職の意思を伝え、
2月には引き継ぎ書を提出しました。
しかし、
• 本当の後任は3月末の内示まで決まらない
• 現在の引き継ぎは暫定対応
• 業務は副担当へ移管
副担当は広報や統計が本務。
これ以上負担が増えれば、明らかに回らない。
その状況で、
「3月は全部休みます」
と言い切れるか。
正直、難しかった。
制度上は取得できる
地方公務員の年次休暇は
**地方公務員法**や条例で保障されています。
理屈上は取得可能。
しかし制度と現実は一致しません。
年度末人事という壁
公務員の人事は4月1日付が基本。
つまり、
• 退職者は3月末まで在籍
• 本後任は3月末内示
• 実質引き継ぎは4月以降
この制度が、
退職者が休みにくい構造
を作っています。
民間との決定的な違い
違いは法律ではありません。
① 属人化の強さ
担当しか分からない業務が多い。
② 退職を前提にしていない設計
「辞めない前提」で回っている。
③ 年度末集中業務
3月に仕事が固まる。
民間は退職が常に発生する前提で設計されています。
公務員はそうではない。
ここが決定的な差です。
私は20日以上残して退職予定です
損をしている感覚はあります。
ですが、それ以上に、
• 副担当を追い込まない
• 本後任に地雷原を残さない
• 年度末を崩壊させない
という判断を優先しました。
休もうと思えば、制度上は可能だったかもしれません。
でも、
取れるかどうかと、取れる構造かどうかは違う。
いま身をもって感じています。
結論
なぜ公務員は退職時に有給を使い切れないのか。
それは、
個人の勇気不足ではない。
組織設計と人事制度の問題である。
私はまだ退職前です。
この20日以上の有給を残して辞めることが正解かは分かりません。
でも少なくとも、
「休めなかった自分が悪い」とは思っていません。
有給を使い切れない構造こそ、見直されるべきだと思っています。
追記ですが。3/28現在。
27日は引継ぎや、国の報告資料作成、調査回答で深夜1時まで。
28.29(土日)も新年度のアカウント作成、端末準備。。。
