白河•とら食堂のラーメンを食べに行ったら、少し自分を褒めたくなった という話
※食レポのよう食レポじゃないような何かです
ひたすら削れていった夏
ちょうど有給が1ヶ月分あったので、9月はまるまる有給消化期間にした。
職場を辞める話は5月末には既に上司に話していて、その当時は1ヶ月まるまる有給を使えるならあれやりたいこれもやりたい…などと内心少しワクワクしていた。
しかし、蓋を開けてみると今年の夏は異様に忙しかった上に、引き継ぎ資料の作成もあり、かなりてんてこまいだった。
家に帰ってご飯食べてお風呂入って寝て、また次の日が来て、土日は体を休めてできてなかった家事をやって、みたいな暮らしだった。
とりあえず「目の前のことを片付けること」だけ考えていた。
9月の有給は何としてでも死守したいと8月をどうにか乗り越え、いざ有休消化期間に入ったものの、あれやりたいこれやりたいという気持ちがわかず、とりあえずひたすらゲームをしていた。好きなゲームのはずなのに、作業のようにこなしていてあまり楽しいと思えずにいた。
なんというか、疲れていた。仕事からは解放されたのに。
とら食堂に行ってみたいって思ってた
「あー。なんかこのままだと良くないな」と思いながらも気力はわかずただただゲームをする、という生活を1週間ほど送っていたところ、転機が訪れた。
我が家の近辺の道が工事で朝から夕方まで車両通行止めになるというのだ。
家にこもりきりの生活に危機感を感じていた私は、「工事前に家を出れば、強制的に一日外出することになるな…」と思い立ち、久々にお出かけをしてみようと思ったのだった。
さてどこに行こうか。と考えていた時、あることを思い出した。
「そういえば。ずっと、とら食堂に行ってみたいって思っていたなぁ」
車を運転するようになって約10年。喜多方ラーメンの有名どころには行ったことがあったが、白河ラーメンの有名どころには行ってみたいとは思いつつ、まだ行ったことがなかったのだ。
そうだ。とら食堂に行こう。レッツゴー白河。
※とら食堂とは?
福島県の三大ラーメンとして知られる白河ラーメン。
そんな白河ラーメンの特徴は、手打ちのちぢれ麺と、豚骨・鶏ガラからダシをとった、醤油ベースの透き通ったあっさりスープ。
※参考:白河ラーメン - 白河観光ガイド白河観光ガイド
その中でもとら食堂は、1969年創業のラーメン店で、県外から食べにくる人もいるほどの超人気店なのだ。
ファミリーマートでとら食堂監修のカップ麺が発売されたこともある。
住所:〒961-0017 福島県白河市滝ノ尻1
とら食堂、行ってみた
通行止めになる前に身支度を終わらせ家を出発し、とら食堂に到着したのは11:30頃だった。
田園地帯の中に、ポツンととら食堂が建っていた。
既に店にはかなりの人が並んでおり、店横の駐車場も満車だった。
歩いて数分のところに砂利敷きの臨時駐車場があり、そちらはまだがら空きだったのでそちらに停めて店に再度向かった。
店の前には発券機があった。
番号を呼ばれたら店内に入れるシステムのようだ(別のところで順番待ちしていて、番号を呼ばれたときに店の前にいなくても、その事を申し出れば店に入れてもらえるらしい)。
券を取ったところ60番台。
発券機の近くには番号ごとの目安時間も書いてあり、見てみると大体13時頃になりそうだった。
平日なのにこんなにお客さんがいるのか…。流石有名店だなぁ…。と思いながら、そのまま待つことにした。
自分の券に書いている番号が呼ばれたのは13時台。目安時間通り。
店の中に通してもらい、入り口にある券売機でラーメンを購入し、テーブル席でラーメンを待つ。
店内は外観から想像していたよりも広く、開放感があった。
木製のテーブルが艶々としており、清潔感のある店内だった。
果たしてどんな味なんだろうか…とワクワクした気持ちが止まらない。
いざ、実食
そうこうしていると、注文していた焼豚ワンタン麺(トッピング:半熟煮玉子)が目の前にやってきた。

「The ラーメン」という感じの、昔どこかで食べたことがあるんじゃないかと感じるような、ほっとするビジュアル。
でもスープは澄んでいて洗練された雰囲気も感じる。
店内にあったトッピングの説明を読んで気になったので、刻みたまねぎも追加で注文した。いただきます。
スープを一口。ああ、シンプルにおいしい。
くどさがなくサッパリしているのに、鶏のコクを感じる。
平たいちぢれ麺は思っていたよりは柔らかく、その柔らかさで麺にスープが絡んでいく。
ワンタンも柔らかい皮で、とてものどごしが良い。
ちょこんと入った肉ダネがいいアクセントになっている。
海苔は香り高く、スープに漬けているとホロホロと溶けていった。
海苔が溶けた箇所のスープもまたいい味だった。
これ、ごはんも食べられる胃のキャパシティがあったらごはんに海苔スープをかけて食べていたなぁ…。
焼豚は昔ながらのしっかりめな仕上がり。それでいて固いわけではなく、口に入れると旨味を感じるが、このシンプルにおいしいラーメンを邪魔するような感じではない。
さて、と刻み玉ねぎをスープに入れて味変をしてみた。
玉ねぎの甘さがスープに合っていて、スープがさらにまろやかになったように感じた。
「玉ねぎを入れただけなのに?!」と衝撃的だった。
これは美味しい。
全部が美味しいのにどれかが主張しすぎる訳ではなく、バランスが取れた、まさに王道という感じだ。
途中ほうれん草や程よく柔らかく煮込まれたメンマ、煮玉子を食べつつ、無我夢中で間食してしまった。
とても満足した気持ちでお店を出た。
自分のお願い事を聞いてあげるということ
店を出て駐車場に向かう途中、なんだかとてもうれしくなった。
暑い中1時間以上待って食べたとら食堂のラーメンが美味しかったというのもあるだろうけど、自分の長年のやってみたかったことが出来たからなんだろう。
自分のやってみたいことというのはついつい後回しにしてしまう。
日常の疲れだったり、やらないといけないことだったり、そういったもので自分の中の24時間は埋められてしまいがちだ。
「あれやりたいなぁ~」と思っても、「でも遠いし…」「時間やお金がかかりそうだし…」といったことが頭をよぎり、「まぁ今じゃなくてもいっか…いつかね」となって後回しにしてしまう。
でもその後回しにしたことは、結局いつもやらないまま終わってしまう。
そしてほとんどは忘れていってしまう。
心の中でひっくり返って駄々をこねていた自分が、ずっと無視されて諦めて何も言わなくなるように。
そして心が凝り固まっていって、何がしたいのか、何がやりたいのか、自分に問いかけてもわからなくなってきてしまう。
今日はそのやりたいことを出来た。自分をちゃんと喜ばせることが出来た。いいじゃん、私。
いっつも無視するのもなんだか可哀想だからさ、たまにはまたなんか、お願い事聞きに行ってあげよう。
全部聞いてあげるのは難しいかもしれないけどさ。
併せて、今日は行き当たりばったりではあったけれども、やりたいことは具体的にどうやるのかプランニングをしてみることで、自分の中の24時間にねじ込みやすくなって、自分のお願い事を聞くハードルを下げることが出来るようになるんだろうな、とも思った。
「書くことで叶う」、なんてフレーズを耳にする時があるけど、きっとそれってこういうことなのかもしれない。
え、このままどこかにふらっと行きたい?
しゃあないね、今日はついでに聞いてあげるよ。
そんな気分でそのまま車を走らせて那須に行き、カフェでぼんやりとしてからアウトレットで美味しそうな冷凍ハンバーグをお土産に買って帰路についた。
道中、ものすごい土砂降りと雷に見舞われ、ヒィヒィ言いながら家に帰ったのはまた別のお話。
