『イクサガミ 神』読了。忘れられない最期と、Netflixへ切実なお願い(ネタバレ)
『イクサガミ』原作4巻『神』を読み終えました
感情が、最後まで置いていかれたまま終わってしまった。
読み終わった。けれど、終わった気がしない。
きっと、いい終わり方なんだと思う。
でも、胸の奥がずっとざわざわしている。
はぁ……。
ため息しか出てこない。
これはもう、完全にイクサガミロスだと思う。
***
響陣、あまりにも残酷で、あまりにも美しい最期
覚悟はしていた。
たぶん、死ぬんだろうなって。
それでも、これはきつい。
響陣は、守るために参加した蟲毒で、
その「守りたかった相手」を人質に取られる。
突きつけられた条件は、
――愁二郎を殺せ。
何かあったと察しながら、それでも勝負を受ける愁二郎。
そして響陣は悟る。
愁二郎に勝つためには、
発動したら自分も死ぬ技を使うしかない、と。
二人が戦わずに済むように、
双葉と進次郎が女の子を救い出す。
「助けたよ!もういいのよ!!」
でも、もう遅かった。
技は、すでに発動してしまっている。
それまで自我を失っていた響陣が、
その声で我に返り、
いつもの上方訛りを聞かせてくれる。
そして最後は、槐を道連れに自爆する。
……この構図、あまりにも残酷。
せっかく救われたのに、もう生きられない。
救われたからこそ、覚悟を決めて死ぬ。
悲しい。忘れられない。
未来は、手に入らなかった。
***
推しが、みんな死ぬ
たぶん、そうなるんだろうとは思っていたけど。
カムイコチャも、ギルバートも、彩八も、四蔵も。
みんな死ぬ。
生き残るのは、守られる側の双葉と進次郎。
愁二郎は、生きているようで、でも真偽不明。
たぶん、生きていると思う。
……いや、そう思いたい。
***
怪物だと思っていた幻刀斎が、一番哀しかった
朧流の剣士・幻刀斎。
正直、最初はただの化け物だった。
怖い。
強すぎる。
話が通じない。
でも、読み進めるほどに見えてくる。
数百年分の記憶を受け継ぎ、
復讐のためだけに生きてきた存在。
彩八を殺し、
四蔵とほぼ相打ちで倒れる。
けれど、この人は一度も
「自分の人生」を生きていない。
楽しいことも、選択も、
逃げる自由すらなかった。
怪物だったんじゃない。
怪物になるしかなかった人だった。
そう思った瞬間、
一番救いがなかったのは、この人だったと気づく。
***
ドラマ版シーズン2に向けて、お願いしたいこと
Netflixドラマ版「イクサガミ」
シーズン2決定の知らせは、すごくうれしかった。
……うれしかった、のだけれど。
原作ファンとして、どうしても言っておきたいことがある。
シーズン1の終盤、
ひとつだけ気になっている描写がある。
それは、
響陣が裏切ったかのように描かれ、
幻刀斎に彩八たちの居所を教えたように見えるシーン。
原作には、ない。
少なくとも、響陣が「誰かを売る」人物として描かれる場面は存在しない。
あのシーンは説明されないまま、
宙ぶらりんでシーズン1が終わっている。
だから今、シーズン2を前にして、
どうしても書き残しておきたい。
もしも、もしもですよ。
シーズン2で、響陣を分かりやすい
「裏切り者」や「悪者」として描いたら、
わたし、怒るから。(届け)
響陣は、正義の人でも、善人でもない。
でも、信念と覚悟を引き受ける側の人間だった。
原作4巻『神』まで読めばわかる。
彼が何を背負い、
どんな選択をして、
どんな最期を迎えたのか。
あの人物を、
物語を盛り上げるための単純な裏切り役にしてしまったら、
それはもう、別の物語になってしまう。
伏線としての改変ならいい。
誤解を誘う演出でもいい。
でも、
響陣という人物の“核”だけは、壊さないでほしい。
これは、一ファンの切実なお願いです。
***
もうひとつ、どうしても伝えたいこと
京八流の“強さ”を、もっとちゃんと描いてほしい
京八流の説明が、圧倒的に足りない。
京八流が強い理由は、
技が多いからでも、才能があるからでもない。
心・技・体。
この三つが、ちゃんと揃っているから。
特に「心」。
原作を読んでいると、
愁二郎が勝つ理由は、最後まで一貫してここにある。
迷い。
恐れ。
葛藤。
それでも剣を振る理由。
それを引き受ける「心」があるから、
京八流は折れない。
ただの剣術流派じゃない。
生き方そのものなんだと思う。
誰かが死ぬたびに、
誰かを失うたびに、
京八流は強く、重くなっていく。
その重さを背負えるから、
愁二郎は前に進める。
そこが、一番美しいところだと思う。
尺の問題も、映像化の都合もわかる。
それでも、京八流を描くなら、
そういうところを少しでも拾ってほしい。
八つの奥義がある。
それを、八人の兄弟妹が受け継いだ。
そこをもっとちゃんと描いてほしいと、
切に思うのでした。
シーズン2、
ものすごーーーーく楽しみにしています。
***
イクサガミ原作

シリーズは全部で4冊完結。「天」「地」「人」「神」
1冊目「天」の感想はこちら👇
2冊目「地」の感想はこちら👇
3冊目「人」の感想はこちら👇
イクサガミ文庫(PR)
耳が空いてる時間、全部“読書”に変わる。
▶︎ 移動中・家事中・目を休めたい夜に、Amazonオーディブル。
関連記事
***
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは大事に使います♡

