みくのしんの読書記事に思うこと~生涯学習とか国語教育とか
【記事に出ました!】
— みくのしん (@no_inngurissyu) August 30, 2024
本!読みました!山月記という超激本過ぎ本!
本当にすごい本でした。読んだ今もずっとまだまだまだまだ考えてる!
トラになりたくないと、
トラになってほしくないと、
その後のこと
「山月記」を読めなかった男が1年半ぶりにもう一度読む日https://t.co/2iOXbejiVS pic.twitter.com/NRQBy2bPYD
みくのしんさんの読書記事を読むと、思考の多動なんだなって思うし、私は割と学術書とか読む時になるんだけど、小説でなるのは大変だなあと思います。私も、単語ごとに「ああ、これ昔全然違う本で読んだわ!」とかそういうのが脳内でポップアップして、脱線するんです。私はもう本を読み漁ることで、脱線をいい感じに使いこなして読書することに「比較的」成功していますが、みくのしんさんは読書しはじめなのに「すごいな」と思います。実際、上記の記事だと、「わからない単語を読み飛ばす」スキルが身についていてすごいと思いました。
ちょっと脱線するんですが。
私はADHDの診断を受けている障碍者手帳2級所持者です。みくのしんさん本人がADHDかどうかは医師の判断が必要ですが、ADHDには、思考の多動、脳の過活動状態も含みます。みくのしんさんの読書方法には、その傾向が見受けられるかな、と思っています。
ADHDなどの発達障害は、基本的に本人が困っていてそれを医師が客観的に医学的に診断するものです。発達障害の「発達」というのはいわゆる「成長」のことで、人間だれしも同じように成長するわけではなく、その振れ幅のうち極端なものが「発達障害」となるわけです。だから、「部分的に発達障害っぽい症状持ちの健常者」も全然成り立つのです。(そもそも医師に診察してもらわないと診断はつかない)
あと、みくのしんさんの読書記事見てると、やっぱり道具でのサポートと、辞書の引き方レクチャーは国語教育の必須事項だなぁ、と。
①読書を道具によりサポートする
障害者の読書というと点字本や大活字本あたりが思いつくと思うのですが、オーディブルみたいな音声データや、電子書籍も含まれます。みくのしんさんの場合、ひとまとまりを認識するのが句点(まる のこと)単位でないと塊に見えてしまう。
どうすればいいか? たとえば、電子書籍でフォントを大きめに表示したり、指定部分だけ背景色を変更したりして、ひとかたまりの認識を上げることができます。(英語の文章読む時にさせられるのに似てるかもしれません)
電子書籍化されているならそれを用いるべきですが、電子書籍化されていない場合は、図書館で電子書籍化や音声データ化することができます。作者が電子化を認めてなくても、です。(2009年著作権法改正)
ただし、図書館の予算は潤沢ではない。このようなプロセスを経て電子化されてる例は少ないはず。
ただし、上記の図書館経由で電子化されたコンテンツは、障害者および高齢者にしか基本的に閲覧ができません。(障害者手帳の有無ではなく医師の診断書などでも対応可能だそう)
割と、そういう本の読みにくさを抱えている人っていると思うので、もっと対象が広がってほしいし、そもそも電子書籍化や音声データ化を作家側が支持してほしいです。『ハンチバック』の市川沙央先生が「文化系よりスポーツ系の方が障害者のことを大事にしてる」とはこういうことなのです。
「軟弱を気取る文化系の皆さんが蛇蝎(だかつ)の如(ごと)く憎むスポーツ界のほうが、よっぽどその一隅に障害者の活躍の場を用意しているじゃないですか」
義務教育でもっとそういった障害や、それに近い苦手意識を持っている子どもたちが、読書というか「文章を読むこと」に抵抗感をなくしていくべきだし、生涯学習(一生人生勉強しようぜ!)として図書館でそのような工夫のあるかたちで読書が円滑に行われる環境にしてほしいです。推しコンテンツに読書が増えるのは、人生のアドですからね。
②辞書の引き方レクチャー
私はみくのしんさんと同い年32歳なんですが、ちょうど学生時代がガラケーからスマホへの過渡期でした。たまたま、電子書籍が高校進学時にプレゼントされるムーブメントがあって、その渦中で見事ゲットすることができていました。
しかし、最近の学生は電子辞書ではなくスマホを渡されて終わってしまうと聞きます。電子辞書アプリは有料なのに、インストールしてもらえずに、です。
今もGoogle検索経由で辞書にアクセスすることは可能です。可能ですが、やっぱり説明が端的でわかりにくかったりします。できたら、電子辞書に入っているような辞書にアクセスしやすい環境だと、読書が捗るのではないかと思います。
国語辞典なら読みが分かってたら電子辞書(もしくは電子辞書アプリ)で一発で見つかりますが、漢字が読めないときはどうするか?
OCR技術で紙面を読み込めばある程度は認識してくれますし、電子書籍だったらすぐにジャンプで検索かけることも可能です。
さらにいうと、最近はAIの出力結果をもとに意味を掲載した(もちろん意味は間違っている)記事が乱発されており、ぱっと見「どれが信頼できる記事」なのかがわかりにくいです。電子辞書アプリ、そうでなくてもgoo辞書のような信頼できるwebサイトで意味を調べることが重要です。
現代の技術を生かしながら、いろいろな本(小説だけじゃなく、専門書なども)に出会う機会を増やしていけたらいいのに、と思います。
参考文献
『障害者サービスと著作権法』JLA図書館実践シリーズ 26
著者・編者:日本図書館協会障害者サービス委員会,著作権委員会編発行:日本図書館協会 発行年:2021.01
