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無一郎と甘露寺さんの過去が明らかになり、禰豆子にも大きな変化が訪れる盛りだくさんの内容だった『鬼滅の刃 刀鍛冶の里 繋いだ絆編』

【個人的な満足度】

2025年日本公開映画で面白かった順位:-(過去にテレビ放送したものと同様のため対象外)
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2024年
  製作国:日本
   配給:東宝、アニプレックス
 上映時間:127分
 ジャンル:アニメ、アクション
元ネタなど:漫画『鬼滅の刃』(2016-2020)
公式サイト:https://kimetsu.com/anime/kimetsutheater/

【あらすじ】

※映画.comより引用。
刀鍛冶の里へ向かった炭治郎が、そこで鬼殺隊の鬼殺隊最強の剣士「柱」のひとりである霞柱・時透無一郎や恋柱・甘露寺蜜璃と出会い、新たなる戦いに身を投じていく姿を描く。

【感想】

「鬼滅シアター」での鑑賞。本作は、2023年に放送されたテレビアニメ第3期「刀鍛冶の里編」(全11話)を、「刀鍛冶の里 敵襲編」「刀鍛冶の里 繋いだ絆編」の2部構成でまとめたものです。この「繋いだ絆編」は、上弦の鬼との戦いの最中、霞柱・時任無一郎と恋柱・甘露寺蜜璃の過去が明らかになるのと、禰豆子の体に起こった変化の2つが見どころです。

<失われた記憶によってすべてが明かされた無一郎>

時透無一郎の背景が語られるくだりは、シリーズでも屈指の泣けるパートかもしれません。無一郎は感情の起伏がなく、悪気なく相手に心無い言葉を浴びせるキャラクターですが、その言動の奥には失われた記憶がありました。彼には双子の兄・有一郎がいたんですね。無一郎も「兄は言葉のきつい人だった」と言うように、正論ながらも何かと厳しい物言いが目立つ人物として描かれています。「無一郎の無は無能の"無"」、「無意味の"無"」などと、実の弟にそこまで言うかというぐらい性格の悪さが目立ちますが、決して悪人ではありません。それは、ある晩、鬼に襲われて兄弟共に瀕死の重傷を負った際、死ぬ間際の有一郎が口にした「神様、仏様、どうか弟だけは助けて下さい。弟は俺と違う心の優しい子です」と言う言葉に、兄としての深い愛情が滲み出ているのを感じたからです。また、「いつも俺には余裕がなかった。人に優しくできるのも結局選ばれた人間だけなんだよな」と言っていたことからも、悪意を持って無一郎に接していたわけではなかったこともわかります。両親を亡くし、幼い兄弟2人で生きていかなくてはならないのですから余裕なんてありませんよね。しかも、有一郎は自分が兄であるからと気負っていたかもしれません。それでも「モノには言い方というものがある」という意見もあるかとは思いますが、きっと不器用なんでしょうね。有一郎のその不器用な優しさと、それに気づけなかった無一郎の悲しみが胸を打ちました。

<自己肯定感を高めてくれる甘露寺さん>

一方で、恋柱・甘露寺蜜璃の過去にはもう少しポップな要素が漂います(笑)お見合いが破談になったことで、次からは相手に気に入られるよう髪の色をピンクから黒に変え、大食いであることも隠した彼女。それでようやく嫁にもらってくれそうな人と出会うも、このまま自分を偽って生きていくことに疑問を感じたことでそれをやめ、鬼殺隊に入ってようやく本来の自分を出せる居場所を見つけることができました。「ありのままの自分を大切にする」、「自分を受け入れてくれる居場所はきっとある」。甘露寺さんからはこの2つのメッセージを感じますが、大人ならまだしもジャンプを読む小・中学生の視点で見れば素直に響くかもしれません。自分が10代だったら甘露寺さんのおかげで自己肯定感が高まる気がします(単純w)。

<ド派手なバトル演出も見ごたえあり>

また、戦闘シーンも『遊郭決戦編』に次いで派手な描写の連続で興奮できるポイントです。特に、甘露寺さんの戦闘スタイルは華麗そのもの。新体操のリボンのようにしなる日輪刀から繰り出される攻撃の数々は、憎珀天の生み出す巨大な無間業樹を斬り倒し、広範囲にわたる落雷をも防いでしまうんです。あのゆるふわっとしている性格との対比によってギャップが際立ち、ヴィジュアル的にも見ごたえあるエフェクトなので、それだけでよりかっこよく感じます。

<禰豆子に起こる作品の根幹を揺るがす変化>

そして、本作で最も印象的なシーンは、終盤の禰豆子です。夜が明けて太陽が昇る中、炭治郎は禰豆子を守るか、村人を食らわんとする半天狗を討つかを選ばなくてはなりませんでした。板挟みとなり決断ができないでいる彼のもどかしさときたらなかったですが、そんな炭治郎を蹴飛ばし、襲われている村人の元へと送り出した禰豆子の姿には心打たれましたね。全身が焼かれながらも「自分のことはいいから村人を助けてあげて」と言っているようでした。が、なんと禰豆子は太陽を克服するんです。これまで鬼が絶対に超えられなかった日の光という壁を禰豆子が超える瞬間はこの作品全体の設定を覆すほどの衝撃ですよね。アニメでは夜明けの光や静寂を丁寧に演出し、原作漫画以上に感動的なシーンになっていました。これはアニメで観てこそのシーンです。

<そんなわけで>

柱2人に上弦の鬼2体、そして禰豆子の変化など、実に盛りだくさんなエピソードでした。ド派手な戦闘だけでなく、それぞれのキャラクターの心情変化も丁寧に描いており、シリーズの中でも見ごたえある話です。太陽を克服した禰豆子を鬼舞辻無惨が放っておくわけがなく、いよいよ最終決戦に向けての動きが始まろうとしているので、この先の展開も楽しみでなりません。


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