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キャリア選択で気を付けるべきこと

仕事のキャリアを選択していくうえで一番気を付けるべきことは、あなたがその仕事に興味関心があるかどうかです。

どこでも良いからとりあえずどこかの会社にはいっておこう、と考えるのは、長い目で見るとあまり賢い選択とは言えません。

その理由は、私自身が若い頃キャリア選択に失敗し、その後20年間のサラリーマン生活において多大な精神的苦悩を味わうことになったからであります。

もし、興味関心が無いのに、単にお金が欲しいからと言う理由で適当にどこかの会社に入って働いたりすると、能力が十分に発揮できない可能性が高く、自分で自分の首を絞め、お金の奴隷となってしまう危険性があります。

若いうちに気付いて、自分が本当に興味関心のある分野で働く方向にうまく舵を切ることができれば良いのですが、例えば、お金に対する不安のために会社を辞めることができず、嫌な仕事を無理やり続けてしまうと、そのまま会社とお金の奴隷と化してしまい、歳を取れば取るほどキャリアの転換が難しくなってしまいます。

そして、いざ歳を取って会社から放り出されたときには、

「一体自分には何ができるのだろう?」
「今まで自分は何のために人生の貴重な時間を費やしてきたのだろう?」
「これからどうやって生きていけば良いのだろう?」

という人生の大きな疑問にぶち当たることになります。

ですから、キャリアを築くうえで、特に若い人たちに口を酸っぱくして言いたいのは、

お金と会社の奴隷にならず、給料の高い低いに関係なく、自分自身が一番「しっくりくる」または「興味関心のある」仕事に就くべき

ということです。

そうでなければ、後で歳を取った時に取り返しのつかないことになりかねず、私のように人生の道半ばで心身を病んでドロップアウトする羽目になってしまいます。

会社の奴隷になってはいけない。

人生の主人公はあなたです。


今では考えられないかもしれませんが、私が少年時代、青春時代を過ごした1980年代、1990年代初頭には、「正しい人生のレール」みたいな価値観が社会全体にまだ根強くはびこっており、その「正しい人生のレールに乗って生きることで幸せになれる」、と誰もが信じていました。

そして、私自身もそれを盲目的に信じていた一人でした。

この謎の「正しい人生のレール」とは概ね以下のような感じでした。
(なるべく理解できるように、※で解説を加えています。)

1.「良い大学」に入って、「良い会社」に入ったら人生安泰
※「良い大学」とは、偏差値が高い大学のことで、具体的には、国立大学か東京六大学(東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、法政大学)のどこか。
※「良い会社」とは、いわゆる大企業と呼ばれる、規模の大きい東証一部上場企業のこと。

2.「良い会社」に入って出世するためにがんばって働く
当時は、まだ転職というのが珍しい時代で、新卒で入社した会社で一生勤め上げることが美徳とされていました。
この背景には、当時の日本企業独特の「終身雇用制度」というものがありました。
また、会社内に入ると出世競争に晒され、それに勝ち抜いて高い地位と給料を得ることが素晴らしいこととされていました。

3.30歳までには結婚して家庭を築き、子供を作り、家を建てる
※当時は、大人になったら結婚するのが当たり前とされていました。
「結婚適齢期」なる時期があり、女性の場合25歳でも少し遅いぐらいでした。
※当時は、結婚して家庭を築いたら、男はがんばって働いてお金を貯めて、ローンを組んで新築の戸建てに住むのが理想とされていました。

4.女性は結婚したら、家事と育児に専念し専業主婦になる
※当時は、今では当たり前の夫婦共働きというのは一般的ではなく、女性は専業主婦となり家庭を守ることが重要な役割とされていました。

5.60歳になったら定年退職をして、年金生活で余生を過ごす
※当時は、大体どこの会社でも60歳が定年で、年金が60歳からもらえる時代でした。
そして、当時の年金は、今とは比べ物にならないほど良くて、夫婦2人が老後暮らすには充分過ぎるほどでした。
働く世代が多く、その人たちが払う年金保険料によって老後の豊かな生活が支えられていたのです。


とりあえず私が思い浮かぶものを5つ挙げてみましたが、今考えると、どれもが不安定な根拠をもとにした、謎の慣習ですが、当時はインターネットなどもちろん無く、主な情報源としては、学校の先生や両親から聞いた話、テレビやラジオ、雑誌、本ぐらいしかなく、一昔前の一般市民は、メディアによって作り上げられた価値基準によっていとも簡単に洗脳されていたのです。

操作された情報に多くの人が洗脳されていたということ以外に、バブル経済という特殊な社会的背景も幻想を創り上げるのに一躍買っていました。

しかし、そのバブル経済は1991年に崩壊し、バブル経済によって創り上げられた数多くの「神話」も同時に崩壊していきました。

その後10年以上、自民党の小泉純一郎が首相になるまで、日本経済は大不況で、多くの企業が倒産し、終身雇用という日本企業独特の制度も徐々に崩壊し始めました。

また、大学を出ても就職先が無かったり、希望する職種に就けなかったりする若者が増大しました。

いわゆる、就職超氷河期という時代に入ったのです。

私が大学院を出て就職をした2001年は、就職超氷河期の中でも最も厳しい年で、国立の大学や東京六大学を出ても就職できず、フリーターになる人が数多くいました。

2023年現在、私を含め40代半ば~50代前半の人たちのことを、「ロストジェネレーション(失われた世代)」と呼ばれたりします。

しかしながら、すべての物事にはコインの表と裏があり、ロストジェネレーションだからと言って、悪いことばかりではありません。

むしろ、逆に、人生で多くの辛酸をなめるような経験をさせてもらったおかげで、人間社会の裏側や問題点などに気付きやすくなり、その分深い洞察力が得られるようになったのは幸いなことでした。

以前は確固とした土台の上に築かれていると信じていた人間社会というものが、いかに脆くて、根拠の無いものによって動かされているかが、今ではよくわかるようになりました。

かつて30年~40年前に信じられていた「人生のレール」なるものは、人間の頭の中だけに存在する、ただの妄想に過ぎませんでした。

今でも時々、宗教に関する問題がニュースで取り上げられることがあり、宗教的なことやスピリチュアルなことを口にすると、「怪しい」とか「洗脳されている」とか言われる風潮がありますが、よくよく考えると、30年~40年前の日本国民はほとんど全員が洗脳されていた、「一億総洗脳時代」だったのであり、今でも、SNSやネットのさまざまな情報によって多くの国民が洗脳されています。

私個人の理想ですが、私のようなロストジェネレーション(失われた世代)と呼ばれる世代の人には、ただ単に歳を取っただけでなく、ある程度長い人生経験に基づく深い知恵を人生のアドバイスとして、今の若い人たちに伝えていくことができる類まれな力があると思います。




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