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易者DNAの継承

私は若い頃から占断の際「可否は略筮、成り行きは中筮」と分けて用いてきました。
中筮法は情報量が多く、卦を立体的に見せてくれる素晴らしい占断法だと思っています。
賽子や爻卦算木を使えばさらに早く出すことができ、易者の腕の見せどころでもあります。

「可否は略筮、成り行きは中筮」といいますのは師匠からそのように教わったため、それが当然と思っておりましたし、昔の『易學研究』誌に掲載されていた先人の占例を拝見すると、中筮法の占例が多く掲載されていて、とても勉強になりました。
嘗ての街頭易者さんたちも中筮を主流にしていた時代があったようです。
けれども近年は、あまり使われなくなってきたように感じます。
それが少し勿体ないな、と思っておりました。

そんな中、私は師匠から教わった中筮法の大切な秘伝の核となる部分を、弟子の愛蓮先生にお渡しすることができました。
胸を撫で下ろすと同時に
「紅鳳先生見てますか?確かに、次世代へと受け継がれていますよ!」
と、心の中で呼びかけずにはいられませんでした。
師匠にこのようなご報告をできることがとても嬉しかったのです。

愛蓮先生は猛勉強を重ねながら、さっそく実占の現場で中筮法を用いて鑑定してくださっています。
これからも惜しみなく伝えてまいりますがそれでもまだ序盤に過ぎません。基礎はもちろんのこと、易占における多様な占法と、その読み解きの理論を、少しずつじっくりとお伝えしていくつもりです。
実際に卦を得たとき
「そこにどのような意味が潜んでいるのか」
「どのような運動性や流れを持っているのか」
を見極めることは、占断において極めて重要だからです。

この、所謂〈マリア流占法〉と呼べる判断の核心、その視点と技法を、可能な限り噛み砕き、わかりやすい言葉で伝えていきたいと考えています。
難解と思われがちな先師の著書も、私自身がカードや漫画に落とし込んだときと同じように、現代的な言葉に変換しながら私の頭の中に広がる易の世界、景色を注釈として添えています。
私の教え方は、少し特殊かもしれません。
いわゆる教科書的なものは、基本的に使いません。
もちろん、学びの基礎となる加藤大岳先生の著書などは、すでに愛蓮先生にお渡ししています。
ただしそれは「参考資料」として活用させていただいているもので、実際のお勉強会では、私自身の経験と感得を基にした解説を中心に進めています。
故にどうしても熱弁になってしまうのです。

さらに応用や実占例まで含めれば、短くても三年はかかる、長く大きな道のりになるでしょう。
けれども、必ず現場で輝く力になると信じています。

愛弟子愛蓮先生がこのようなnote記事を書いてくださり感激の涙を流しております▼

「毎週、師匠マリア先生とのお勉強会。アタシは密かに“魂の授業”と呼んでいます。
加藤大岳先生の大岳易を高井紅鳳先生から星マリア先生、そして愛蓮へと易者DNAが流れこむのをひしひしと感じる、とても尊い時間です。」

愛蓮先生の記事より

さらに、私からの黒檀の爻卦算木について、こう記していました。

「この六爻を並べると凄まじい立体感が生まれ、物語が映像のように動き始めるのです。改めて易の凄さ、恐ろしさ、神秘を感じずにはいられません。」

愛蓮先生の記事より

毎週毎週3時間にもわたり私が熱弁するという暑苦しい勉強会を“魂の授業”と呼んでくださることがとても嬉しいです。
勿論愛蓮先生からも鋭いご質問を沢山頂き、ご質問を頂くと更に深く解説したくなって掘り下げて結局話が長くなるという熱い勉強会なのです。

また、愛蓮先生にお渡しした黒檀の爻卦算木を「宝物」と呼んでくださっていることも胸が熱くなります。
この算木には、私自身の記憶も刻まれています。
師匠の高井紅鳳先生に紀元書房で選んでいただいた日のこと
「占う際にパチンパチンと良い響きがするから、これにしなさい」
と勧めていただいたのです。

あの日から私に寄り添ってきた算木が、今愛蓮先生の手の中で新たな響きを立てている。
そのことが、胸いっぱいの喜びなのです。

これから先、まだまだ長い道のりが待っていますが、共に歩んでいただけることを心から嬉しく思います。
そして、愛蓮先生の今後益々のご活躍を心より楽しみにしています。

画像は、愛蓮先生に差し上げた算木、師匠の形見の算木、そしてこれから実占資料として共に読み進めたい『易學研究』誌です▼

『易學研究』誌は、昭和14年12月号 〜 平成20年12月号まで刊行されてました。
海外在住時には入手できませんでしたが、その代わり古本屋さんなどで見つけては求め、いつの間にか本棚は昭和15年〜平成20年迄の『易學研究』がびっしり詰まっています。
この研究発表の中に師匠の高井紅鳳先生の名前が出てくるととても嬉しくなりました。

継承とは、ただ技法を伝えることではありません。
そこに込められた想い、先師たちの歩み、そして新たにそれを受け取った者の学びや誓いが重なり合って、ひとつの物語となるのだと思います。

愛蓮先生は
「どんな努力も惜しまない。それが愛であり恩返しだ」
と誓い、日々、筮竹を振り続けています。
その姿に、私は安心します。
紅鳳先生から受け継いだものが、
確かに今も息づき、未来へと伸びていくのだと。

時代は移ろい、文明は目まぐるしい速度で発展しています。
けれども、人間の本質は何千年も昔から変わっていないと感じます。

愛蓮先生が人々の人生に光を届けていく姿を見届けること。
それが、私にとって何よりの喜びです。

紅鳳先生、どうぞ安心してください。
易者DNAは確かに繋がり続けています。
これからも、惜しみなく愛蓮先生に伝えてまいります。

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