家庭での療育
長男はASDの知的障害児です。
4~6歳のときに市の療育施設に週5日通っていました。
今回はそんな長男の家庭での療育について書きます。
療育って?
療育(発達支援)とは、障害のある子どもや、その可能性のある子どもに対して、個々の発達の状態や障害特性に応じた支援をすることです。具体的には、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活や社会生活を円滑に営めるようにするための福祉的、心理的、教育的、医療的な援助を指します。
通っていた市の療育(通所型)では、
集団でのルールやコミュニケーションを学んでいました。
とはいえ、身辺自立や言葉の遅れ等については
家庭でもできる範囲の療育をすることにしました。
ABA療育
ABA療育(Applied Behavior Analysisno)は、家庭でも実施可能な療育方法であり、特に発達障害を持つ子どもたちの行動改善やコミュニケーション能力の向上に効果が期待できます。家庭でのABA療育は、専門家による指導のもとで行うことが推奨されますが、保護者が子どもの特性を理解し、ABAの原則に基づいた支援を行うことで、効果的な療育が可能です。
我が家でおこなったABA療育は以下です。
我が家の場合
≪家庭で行ったこと≫
行動分析:子どもの行動を分析し、行動を促す要因(先行事象)、行動自体、行動の結果(後続事象)を特定します。
強化:望ましい行動を促すために、強化(褒め言葉やご褒美など)を使用します。
≪具体的に行ったこと≫
子が何に拒否を示しているかを特定する
絵カードや視覚教材を活用し、見通しをたてる
正の化子(トークン)を使用して好ましい行動を増やす
ちなみに、我が家は、著しい問題行動は見られなかったこともあり
負の強化子は使用しませんでした。
負の強化子は、適切に使用しないと問題行動を悪化させる可能性があるので、
専門家と相談するようにしてください。
では、それぞれを詳しく書きます。
子が何に拒否を示しているかを特定する
子の様子を細かく観察しました。
以下は例です。
砂遊びが嫌いな理由はなんだろう?
↓
手に砂がつくとパニックを起こすよね
↓
そういえば手に絵具がついてもパニックを起こすよね
↓
いつもと違う様子の手が怖いのかもしれない
↓
タオルや水をはったバケツを用意しておいて、すぐ綺麗にできるようにしよう
↓
パニックを起こさなくなったね
ぼんやりと「砂遊びが嫌いなんだね」ではなく、何がそうさせるのかを
しっかりと見極める必要があります。
原因が特定出来たら、どう対応するかを考えれば良いです。
排除するのか、少しずつ慣らしていくのか。
子のペースにあわせて、対応方法を少しずつ変えていきます。
絵カードや視覚教材を活用する
長男の場合は
特に、初めての場所への強い拒否を緩和するために、
不安や恐怖を軽減させる必要がありました。
なので、
見通しを立て、活動の内容をわかりやすく伝えるために
絵カードなどを使用しました。
例を挙げてみます。
①いつもの療育に行く日の朝の場合
起床→オムツ替え→着替え→朝ごはん→家を出る→バスに乗って施設に行く
それぞれの行動を表す絵カードをホワイトボードなどに貼っておき、
それを見せながら「次はこれをやるよ」と絵カードを見せたり渡したりして行動に移ります。
ルーティン化してきたものはまとめたり、端折ったりもしました。
②初めての場所に行く日の場合
行く日の数日前から、行先の写真を複数枚使って説明します。
誰と行くのか、どんな電車で行くのか、どんな外観の建物なのか、何ができる場所なのかなどが分かるような写真を使用します。
なるべく実際の写真を使用すると、当たり前ですが「写真とちがう!」とならないです。
ちなみに、病院などは特に嫌がりそうですが
長男の場合は何度か行ったことがある場所であれば問題はなく、
そこで「何をするのか」を説明することの方が大事でした。
説明するのも、理解してもらうのも難しいですが、
病気になってお熱が出て遊べなくなるの嫌だよねとか
車も悪いところが無いかチェックするんだよ、〇〇君と同じだねなど
なるべく子が想像しやすい言葉と絵で説明します。
強化子(トークン)を使用する
要はご褒美システムみたいなものです。
望ましい行動をしたら、子が喜ぶものを提示します。
我が家は、長男がオウム返しすることも利用して
発語の頻度を増やし、ことばでのコミュニケーションを促すためにおやつの時間にやりました。
例)
子がいつものようにクレーン現象でチョコレートを求めてくる
↓
親が「これ?これはチョコレートだね。 食べたいの? ”チョコレートください”って言うんだよ」「真似して言ってごらん」と声をかける
↓
親「チョコレート」
子「チョコレート」
↓
親「ください」
子「ください」
↓
親「チョコレート ください」
子「チョコレート ください」
↓
子が言えたら、要望通りチョコレートをあげます。
おやつ以外に、だっこをせがまれたときなど、
長男が何かを求めてきたときに
できれば毎回これをやります。
すると、そのうち復唱もスムーズになり
自分で「チョコレート……」と言い始め
気づけば「チョコレートください」と言えるようになりました。
これで、2語文から3語文、3語文以上……と取り組みました。
これができるようになったら、応用編としてトークンエコノミー法を試してみるのもオススメです。
トークンエコノミー法とは
トークンとは、本人にとって価値のある強化子と交換できる代理物のことです。
好ましい行動をするとポイント(トークン)がたまって、決められたポイント(トークン)が貯まれば価値のある強化子(ご褒美)がもらえるというものです。
ポイントカードみたいなものですね。
我が家は「①ができたらトークン1個」「②ができたらトークン2個」というように
あらかじめ何をしたらトークンがいくつもらえるかの表と、
「5個で〇〇と交換できるよ」「10個で△△と交換できるよ」の表も
作って貼りだしました。
ゲットしたトークンはホワイトボードなどに貼っておくことで
兄弟間で刺激し合いながら、
トークンをゲットするために、自分から好ましい行動をしてくれるようになりました。
ご褒美目当てってどうなの?って思うかもしれませんが
我が家は「それでOK!だって大人も本当はご褒美欲しいよね!」のスタンスですんなり取り組みました。
続けた結果、今はどうかというと
ご褒美のためだけに好ましい行動をするといった姿は見られず、
トークンが無くても自分から進んで好ましい行動をしてくれています。
その背景としては、精神面の発達と
多分、表には書いていないその子の頑張りの過程などを、
きちんと評価して適切に褒めたり、
ご褒美を与えているからかなと思います。
最後に
どうでしたでしょうか。
今回初回したABA療育やトークンエコノミー法は
実は発達障害児だけでなく、定型発達のお子さんにも有効なので
お子さんに合わせて、取り組んでみてください。
また、我が家では良い結果になっていますが
お子さんの発達段階や特性によって、うまくいかないこともあります。
そんなときは、取り組み方が適切かどうか見直し、
支援センターや医療機関、通園・通学先の先生と話し合いながら
試してみてほしいです。
