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生き方を問う、小さなお金の物語――原田ひ香『三千円の使い方』【読書記録35】

こんにちは!🍦マオ¦読書記録 です。
2025年35冊目に読了したのは、原田ひ香さんの『三千円の使い方』(中公文庫)でした。

2025.05.26読了

就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?
知識が深まり、絶対「元」もとれちゃう「節約」家族小説!

Amazonより

── お金の話をするとき、私たちはたぶん「生き方」の話をしている。

原田ひ香さんの『三千円の使い方』。
このタイトル、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。書店の平台やSNSなどで何度も目にしてきたこの作品、実は私は最近まで未読でした。

「節約」「貯金」「投資」──
この三つの言葉、正直言ってかなり苦手です。
🥲なんだか“人生を真面目に計画してる人だけのもの”みたいな気がして、どこか他人事のように感じてしまっていました。

でも、それじゃあいけないことも分かっている。
独り身の今、自由にお金を使えるのはたまたま今だからであって、将来は確実にやってくる。今しっかり向き合っておかないと、「自分で自分の首を絞める未来」も見えているのです。

とはいえ、ビジネス書の類いにはまったく手が伸びない🙃
そこで出会ったのがこの小説でした。

▫️小説だからこそ、お金のことが“自分ごと”になった

本書は、三世代の女性たちが暮らす御厨(みくりや)家を中心に展開される群像劇です。
登場人物たちはそれぞれの年齢や環境に応じて異なるお金の悩みを抱えています。結婚、出産、離婚、老後──どのライフステージにいても、お金と無関係ではいられない。むしろ、お金の価値観がその人の人生観や人間関係までも左右していくのです。

姉妹の対照的な金銭感覚。
祖母の慎ましくも力強い生き方。
結婚相手の親の「マネーリテラシー」まで気にしなければならない現実。
読んでいるうちに、お金の話をしているようでいて、実はそれぞれの「人生観」を読み解いているのだということに気づきます。

例えば、大学進学に奨学金を使った過去がある私にとって、「奨学金=借金」だからその相手はやめておいたほうがいい、というような価値観には少し傷つきました😢けれど、「そういう考え方の人もいる」という視点を知ることができたのもまた事実。
単純にジャッジするのではなく、多様な価値観を並べて提示することで、読者自身の考えを揺さぶってくる。これが小説という形式の面白さでもあり、優しさでもあるのだと思います。

▫️未来を見据えることと、今日に手をかけること

物語を読み進めるなかで、自分自身がどんなふうにお金と付き合いたいのか、考えずにはいられませんでした。
もちろん、若いうちからコツコツと貯めることは正解だし、大切なこと。でも、私にとっては「今日を生ききる」ことも同じくらい大切。

今日を楽しむこと。
今日の自分を喜ばせること。

それがメンタルヘルス的な意味での安心感かもしれないし、美容や健康といった身体的なケアかもしれない。
あるいは、ライブや旅行に行くことで、心が満たされる経験かもしれない。

私にとっての「今日に手をかける」は、「やりたいと思うこと、好きなことをやりきること」です。悔いのない記憶を作ること。
だから、行きたいライブには行くし、旅行にも出かけるし、本もどんどん買う。けれど、そのなかでもできることは無理せず節約していきたい。自分なりの“楽しく生きる”と“賢く生きる”のバランスを見つけられたらいいな、と思えるようになりました。

ちなみに、読み終えた直後に神戸で1700円のビフカツ定食を食べてしまったのはここだけの話……!

ほぼ三千円の半分! でも美味しかったから後悔なしです!

▫️「三千円」の意味とは──

タイトルの「三千円」は、実のところ物語の冒頭にしか出てきません。
けれどこの象徴的な金額が意味しているのは、“日常で使うお金が、その人の価値観をもっとも如実に表す”ということ。贅沢な買い物ではなく、毎日のちょっとした選択にこそ、その人の人生哲学がにじむのだと思います。

たとえば、同じ三千円でも、化粧水を買う人、外食をする人、本を買う人、将来のために貯金する人──そのどれもが「正解」だし、どれもがその人の人生に必要な三千円なのだと思わせてくれる。読後には、ちょっとお財布を開くときの感覚が変わっているかもしれません。

▫️こんな人におすすめ

✔お金に苦手意識があるけれど、ちゃんと向き合いたいと思っている人
✔ビジネス書ではなく、物語の中でリアルなお金の問題を感じてみたい人
✔節約・貯金・投資に関心はあるけれど、実行に移せずにいる人
✔自分なりの“豊かさ”や“幸せ”を見つめ直したいと感じている人

▫️まとめ

お金の話というのは、ただの数字や損得の話ではなく、自分の価値観や生き方を映す鏡なのかもしれません。
この小説は、それにそっと気づかせてくれる、優しくて現実的な一冊です。

そして私は、積読になっている『お金の大学』も、そろそろ読み進めたいと思います……!
(“はじめに”までしか読めてないけど、買っただけでも偉い!よね!?)


ෆ‪┈┈┈┈┈┈┈┈‪┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ෆ‪
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