禁酒の先にあるのは栄光の狂気なのか?
酒を呑まなければその日一日何もしてなくても何かやり遂げた気持ちになれていた頃が懐かしくなってきた。
酒を呑まないのが当たり前になると何かしなければ虚しくなってくる。
これは一体なんなんだろう。
何もしてない事を誤魔化すために酒を呑んでいたなんて偉そうなことは言わない。
だけどこの何もしてないと虚しくなるこの感じはどうしたらいいんだろう。
仕事をしたら虚しくならないかと言うとそんな事は無い。
そうだ、もともとやりたい事をやってないから虚無感に苛まれていたんだ。
でもそんな事言ってたら日々の生活が成り立たないからやりたくも無い仕事をしてきたんだ。
じゃあやりたい事やればいいじゃないかって言われるしそう思う。
でもやりたい事でお金が稼げるかと言われると稼げない。
そんなの気にせずにやりたい事をただ自分のためだけにやれば良いじゃないか?
そんなアウトサイダーアーティストになれるくらいなら何も悩みはしない。
やりたい事でお金を稼ぐ事ができないけどやりたい事をやり続けるなんて事は可能なんだろうか?
まだ第三者からの賞賛とかの承認があればそれがモチベーションになるだろうけどそれも無いのにどうすればいいんだ。
それでもやり続ける事ができるというのは一種の狂気だろう。
はたして僕にはそんな狂気が宿っているのか。
それが無いから酒を呑んで誤魔化していたのか。
一体なんで酒を呑むのをやめたのだろうか。
女装するのに肌が汚くなる要因がアルコールだからだ。
じゃあ禁酒してるんだからもっと女装したらいいじゃないか。
なんだかそれも億劫になってきた。
えっ?
女装が禁酒始めた最大の
モチベーションだったのに?
億劫になってきたってどういう事?
うるさいなぁ。
女装するのってめんどくさいんだよ。
服とか靴とかメイク道具とか揃えたり
金もかかるしいろいろ大変なんだよ!
はぁ〜
なんだろうこの気持ちは。
アルコールの快楽に変わる
脳内麻薬が完全にストップしたせいでこんなにも虚しい気持ちになっているのか。
最近妻が酒を呑んだらどうかとやたら勧めてくる。
「お酒をお銚子に一本とかビールをジョッキに
一杯とかワインをグラスに一杯とか」
ちょっと呑むならいいんじゃない?
お酒が本当に好きな人ならそれでいいのかも。
でも、
僕はお酒が好きで呑んでいたのか?
そう食事の時にちょっと嗜むだけ。
ちょっと呑んで食欲が出て
一緒に食事している人たちとの
会話も円滑になって……
なんだそんなもん!
そんなものはつまらん!
呑むんだったら前後不覚になるまで呑まないと面白くない。
コンビニの前で缶チューハイやワンカップを何本も呑んで記憶を失いたい。
酔っ払って大騒ぎして訳分からなくなってそして床で気絶してしまいたい。
電車で酔い潰れてどこまでも別路線に乗り入れて行って見たこともない終着駅で途方に暮れたい。
呑むんだったらとことん呑まないと気が済まない。
じゃあとことんまで呑んだらいいじゃないか。
別に身体のどこかが悪くて健康のために禁酒してる訳じゃないんだから。
そうそう。
そりゃそうだな。
人間ドックでも
悪い数値は何も出てないんだから。
純粋に酒呑みたい人が見たら
なんてバカな禁酒なんだって言われるだろう。
でもなぁ。
なんだか禁酒続けてるうちに
もう一段階何か脳内麻薬が出そうな気配も
感じているんだよなぁ。
それって一体なんなんだろう?
それが例の狂気なのかな?
何か爆発的に集中して凄いことができるのか?
例えば永久機関の仕組みを発明して
その機械で地面に穴を掘り始めて
アルゼンチンにまで掘り進んでいけるのか?
わからない。
でもなんだかアルコールの支配を脱出した脳は
何かやってくれそうな気がしないでもない。
「なぁ?どうなんだい?僕の脳みそくん?」
答えはまだ無い。
