自分の物件なのにサブリース解約できない?正当事由の壁と解決策
サブリースを解約したいと思って調べると、だいたい最初に出てくるのが「正当事由」という言葉です。
これ、嫌な言葉ですよね。
こっちは自分のマンションの話をしているのに、「正当な理由がないと解約できません」と言われる。
いや、自分の物件なんだけど。
そう思うのは自然です。
ただ、ここで一回落ち着いて見た方がいいです。怒りで突っ込むと、相手は契約書と法律を盾にして固くなります。そうなると、余計に面倒になります。
私は投資用ワンルームマンションの相談を受ける中で、サブリースが絡んだ案件を何度も見てきました。
正直に言うと、サブリースそのものが全部悪いとは思っていません。空室リスクを一定程度ならしてくれる面もありますし、管理が楽になる面もあります。
ただし、買う時には「家賃保証」「空室でも安心」「管理の手間なし」と、かなりきれいな顔で出てきます。
ところが売ろうとした瞬間、急に別の顔を見せることがあるんです。
「外せません」
「解約には正当事由が必要です」
「違約金がかかります」
「入居者がいるので難しいです」
買う時には安心材料だったものが、出口では足かせになる。
ここで苦しんでいるオーナーさんは多いです。
この記事でわかること
・サブリース解約で正当事由が問題になる理由
・正当事由として見られる主なポイント
・売却や自主管理だけで解約できるのか
・解約前にオーナーが確認すべき現実的な順番

https://mansion-reset.jp/owner-check/
サブリース解約の正当事由とは
まず前提として、サブリースは「管理を任せているだけ」ではないことが多いです。
ここが最初のつまずきです
オーナーの感覚では、サブリース会社は管理会社のように見えます。毎月決まった家賃を振り込んできて、入居者対応もしてくれる。だから「管理をやめたい」と同じ感覚で「サブリースをやめたい」と考えやすいです。
でも法律関係で見ると、サブリース会社はオーナーから部屋を借りて、それを入居者に転貸している立場です。
つまり、オーナーから見たサブリース会社は「借主」でもあります。
これがややこしい。
普通借家型のサブリースだと、オーナー側から更新を拒絶したり、解約を申し入れたりする時に、借地借家法28条の正当事由が問題になります。
ざっくり言えば、貸している側が「もう出ていってください」と言うには、それなりの理由が必要ですよ、という話です。
買う時に説明されにくい出口の話
問題は、買う時にここまで腹落ちしている人が少ないことです。
「30年一括借上げです」
「空室でも家賃が入ります」
「管理は全部お任せです」
こう言われると、普通は安心します。むしろ、リスクが減るように感じます。
でも、サブリースはリスクが消える仕組みではありません。
リスクの見え方が変わる仕組みです。
空室リスクは見えにくくなるかもしれませんが、家賃減額、解約制限、売却価格への影響、修繕負担は残ります。
ここを買う時にきちんと説明されていないと、あとから「聞いてないよ」という話になるんですね。
普通借家か定期借家か
サブリースを解約したいなら、最初に見るべきは契約の種類です。
普通借家契約なのか。
定期建物賃貸借契約なのか。
ここを見ないまま「解約できますか?」と考えても、答えがぼやけます。
普通借家契約の場合、期間が満了しても、オーナーが一方的に更新を拒絶するには正当事由が必要になりやすいです。
契約書に「○か月前に通知すれば解約できる」と書いてあっても、それだけで安心しない方がいいです。
ここ、かなり誤解されています。
契約書に書いてあるから有効。
通知すれば終わる。
違約金を払えば解約できる。
そう思いたくなります。
私もオーナー側の気持ちとしては、そうであってほしいと思います。
でも、建物賃貸借では借地借家法の制限が入ります。特に貸主側から借主側に不利な形で終わらせる話は、契約書の文言だけでは決まりません。
一方、定期建物賃貸借契約であれば、期間満了で終了する設計ができます。
ただし、定期借家として有効に成立しているかは別問題です。事前説明の書面があるか、契約書の作りが整っているか、再契約の実態がどうか。
このあたりを見ないと判断できません。
つまり、契約書の表紙だけ見てもダメです。
見るべきなのは、契約期間、更新、解約、再契約、通知期限、違約金、借地借家法に関する条文です。
資料を見るのがしんどい人もいると思います。
分かります。
買った時の資料なんて、見ただけで嫌な気持ちになる方もいますから。
でも、ここだけは避けて通れません。最初から全部理解しなくていいです。
まず契約書を開く。
そこからで大丈夫です。
オーナーからの解約が難しい理由
オーナーから見ると、かなり理不尽に感じると思います。
自分が所有しているマンションなのに、なぜサブリース会社の同意が必要なのか。
なぜ自分で管理したいだけなのに、正当事由が必要なのか。
なぜ売却したいのに、契約が邪魔をするのか。
この気持ちは本当に自然です。
ただ、サブリース会社は単なる管理係ではありません。借主としての立場を持っています。さらに、その先に実際の入居者がいる場合もあります。
だから、オーナーが「もうやめたい」と言っても、相手からすると「こちらにも契約上の地位と事業上の利益があります」という話になるわけです。
ここで大事なのは、感情と交渉を分けることです。
感情としては、「いやいや、買う時にそんな話ちゃんと聞いてないんだけど」と思っていいです。むしろ、そこに違和感を持つのは当然です。
でも交渉では、「聞いてない」「納得できない」だけだと弱いです。
相手が強い会社ほど、契約書ベースで返してきます。
だから、こちらも整理が必要です。
契約時にどんな説明を受けたのか。
重要事項説明書に何が書いてあるのか。
家賃減額や解約制限の説明があったのか。
現在の入居状況はどうか。
売却する必要性はどの程度あるのか。
解除しない場合、どれくらい損失が続くのか。
こういう材料を並べる必要があります。
「自分の物件なんだから返せ」で押すと、相手は硬くなります。
「契約と現状を整理したい」で入った方が、まだ話が進みやすいです。
正当事由で見られること
正当事由は、ひとつの理由でパチンと決まるものではありません。
「売りたいから」
「自主管理にしたいから」
「家賃が低いから」
「サブリース会社が嫌いだから」
これだけでは弱いことが多いです。
正当事由では、いろいろな事情を総合して見ます。
オーナー側が建物を使う必要性、サブリース会社や入居者側が使い続ける必要性、これまでの契約の経緯、建物の利用状況、建物の現況、立退料や解決金の提示などです。
ここで勘違いしやすいのが、立退料です。
「お金を払えば解約できるんですよね?」と聞かれることがあります。
でも、そう単純ではありません。
立退料は正当事由を補う材料にはなりますが、立退料だけで必ず解約できるわけではありません。
逆に、正当事由が弱そうだから何もできない、という話でもありません。
裁判で勝てるかどうかと、交渉で合意解除できるかどうかは別です。
だから、最初から「正当事由がないから無理」と決めつけなくていいです。
ただし、「正当事由なんて関係ない、こっちはオーナーだ」と突っ込むのも危ないです。
どちらでもないです。
契約を見て、相手の事情も見て、入居者の状況も見て、お金の条件も見て、出口を比べる。
面倒ですが、ここをやるしかありません。

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サブリース解約の正当事由と進め方
サブリース解約は、「正当事由があるかどうか」だけで考えると止まりやすいです。
もちろん法律上の整理は大事です。でも、実際にオーナーがやるべきことは、それだけではありません。
契約を見る。
数字を見る。
売却した場合を見る。
解約しない場合も見る。
相手との交渉余地を見る。
この順番が大事です。
売却や自主管理だけでは弱い
サブリースを外したい理由として多いのが、売却です。
サブリース付きの投資用ワンルームは、売却価格に影響することがあります。買主から見ると、実際の賃料が見えにくい。自分で管理を変えにくい。サブリース賃料が相場より低い。解約しづらい。
こうなると、買主は慎重になります。
だからオーナーとしては、サブリースを外してから売りたいと思うわけです。
これは分かります。
ただ、「高く売りたいからサブリースを外したい」だけでは、正当事由として強いとは限りません。
自主管理に戻したい。
家賃を上げたい。
売却価格を改善したい。
これらはオーナー側の経済的な都合と見られやすいです。
もちろん、売却理由がまったく意味を持たないわけではありません。ローン返済が重い、赤字が続いている、修繕費が増えている、家族の事情がある、相続や生活設計の事情がある。
こうした事情が重なれば、見るべき材料になります。
でも、「売れば高くなるから外したい」だけで突っ走るのは危ないです。
ここで営業マンの言葉に乗せられないでください。
「サブリースを外せば高く売れます」
「今なら買主がいます」
「早く外した方がいいです」
こういう言葉、すごくそれっぽいです。
たしかに外した方が高く売れるケースはあります。でも、外すためにかかる費用と時間を入れたら、結局あまり変わらないこともあります。
大事なのは、解除後の高い査定額だけを見ないことです。
サブリース付きで売った場合。
合意解除して売った場合。
条件変更だけして売った場合。
しばらく保有した場合。
この4つを並べてください。
「高く売れる」ではなく、「手取りがどうなるか」です。
ここを見ないと、また誰かの都合のいい数字に乗ることになります。
家賃減額と解約は別問題
サブリースで多いのが、家賃減額の話です。
「30年一括借上げ」と聞くと、30年間ずっと同じ家賃が入るように感じますよね。
営業の場でも、そう感じるような説明をされがちです。
でも実際には、契約書に家賃見直し条項が入っていることがあります。さらに、借地借家法32条の借賃増減請求権の問題もあります。
サブリース会社から「賃料を下げたい」と言われるケースです。
ここで整理してほしいのは、家賃減額と解約は別問題だということです。
家賃減額は、契約を続けながら賃料を見直す話です。
解約は、契約関係を終わらせる話です。
サブリース会社から家賃減額を求められたからといって、オーナーが必ず飲まないといけないわけではありません。
ただし、家賃を下げられて収支が悪くなったから、すぐ解約できるかというと、それもまた別です。
ここがしんどいところです。
買う時には、サブリースは「安定収入」の顔をしています。
ところが持っているうちに、賃料は下げられる可能性がある。修繕費はかかる。固定資産税もかかる。ローン返済は続く。解約は簡単ではない。
つまり、サブリースは「安心」ではなく、「条件付きの仕組み」です。
ここを見ないまま契約すると、あとから苦しくなります。
でも、もう買ってしまったなら、そこで自分を責めても仕方ないです。
本当に大事なのは、ここからどう傷を小さくするかです。
契約書でまず確認すること
サブリースを解約したいと思ったら、最初に見るのは契約書です。
いきなりサブリース会社に電話しなくていいです。
いきなり売却業者に査定を出さなくていいです。
いきなり弁護士に丸投げしなくてもいいです。
まず、手元の契約書を見ます。
見るべきところは、契約期間、更新、解約、違約金、賃料改定、修繕負担、原状回復、転貸借、売却時の承継です。
特に見てほしいのは、解約条項です。
誰が解約できるのか。
何か月前に通知するのか。
オーナーからの解約について書かれているのか。
サブリース会社からの解約だけ有利になっていないか。
違約金は何か月分なのか。
正当事由について触れられているのか。
ここを見ます。
けっこうあります。サブリース会社は数か月前通知で解約できるのに、オーナー側からの解約はかなり制限されている契約。
買う時には目立ちません。
営業トークでは出てきません。出てきても、さらっと流されます。
でも出口では、この条文が効いてきます。
もし契約書が見つからないなら、販売会社、管理会社、サブリース会社、融資関係の書類を探してください。メールにPDFが残っていることもあります。
全部そろっていなくても大丈夫です。
まずあるものからでいいです。
「資料をそろえられない自分が悪い」と思わなくていいです。
不動産に疲れている人ほど、こういう作業で止まります。
正論は分かってる。でも面倒なんです。
そこからで大丈夫です。
合意解除を考える時の順番
サブリース解約は、いきなり法的にぶつかる前に、合意解除の余地を見た方がいいです。
合意解除とは、オーナーとサブリース会社が話し合いで契約終了に合意することです。
ここで大事なのは、相手にとってのメリットも見ることです。
こちらは解約したい。
でも相手は続けたいかもしれない。
入居者がいるかもしれない。
転貸収益があるかもしれない。
逆に、相手にとっても利益が薄い物件かもしれない。
このあたりを見ずに「解約してください」とだけ言うと、話が止まりやすいです。
交渉前に整理したいのは、現サブリース賃料、実際の入居者賃料、入居状況、契約期間、更新時期、違約金、売却予定、ローン残債、毎月収支、サブリース付き売却の査定、解除後売却の査定です。
要するに、「解約したい気持ち」だけではなく、「解約した場合としない場合の比較」を持つことです。
ここがあると、話がかなり変わります。
サブリース会社に連絡する時も、最初から喧嘩腰で行かない方がいいです。
腹が立っていても、表では冷静に行った方が得です。
「現在の契約内容と、今後の出口を整理したい」
「合意解除の条件があるか確認したい」
「売却を検討しており、承継や解除の扱いを確認したい」
こういう入り方の方がいいです。
違約金と立退料で見るべきこと
サブリース解約では、お金の話が出ます。
違約金。
解決金。
立退料。
事務手数料。
原状回復費。
入居者対応費。
名前はいろいろあります。
ここで気をつけたいのは、「払えば終わる」と思い込まないことです。
契約書に違約金が書いてあっても、それを払えば必ず終了できるとは限りません。反対に、最初に提示された金額が絶対とも限りません。
立退料も同じです。正当事由を補う材料にはなりますが、万能カードではありません。
それより大事なのは、出口全体で見ることです。
解約にいくらかかるのか。
解約すると売却価格はいくら変わるのか。
売却まで何か月かかるのか。
その間のローン返済はいくらか。
管理費、修繕積立金、固定資産税はいくらか。
税金はどうなるのか。
最終的な手取りはいくらか。
ここまで見て、初めて「解約した方がいいか」が分かります。
よくあるのは、査定額だけ見てしまうことです。
サブリース付きだと1,500万円。
外せば1,700万円。
こう言われると、外したくなりますよね。
でも、その200万円の差を取るために、100万円の解約費用と半年の時間がかかるなら、本当に得なのかは分かりません。
逆に、解除費用を払ってでも外した方が、買主の幅が広がって明らかに売りやすくなるケースもあります。
だから、正解は物件ごとに違います。
「サブリースは絶対外せ」
「サブリースは外すな」
こういう極端な話は、だいたい雑です。
売却前に出口を比べる
サブリースを解約したい理由が売却なら、必ず出口を比べてください。
私は、いきなり「売りましょう」とは言いません。
サブリースを外したい人にも、いきなり「外しましょう」とは言いません。
なぜなら、目的はサブリースを外すことではないからです。
目的は、赤字を止めることかもしれません。
不安を減らすことかもしれません。
家族に説明できる状態にすることかもしれません。
ローンから解放されることかもしれません。
もう不動産と関わりたくない、ということかもしれません。
ここを間違えると、また手段に振り回されます。
出口は、いくつかあります。
サブリースを継続して持つ。
サブリース付きで売る。
合意解除して売る。
条件変更を交渉する。
賃料減額への対応を整理する。
管理形態を変える。
しばらく保有してタイミングを見る。
どれがいいかは、物件と本人の状態で変わります。
自分で数字を管理できていて、収支も大きく崩れていないなら、無理に売る必要はないかもしれません。
逆に、毎月赤字で、修繕も怖くて、家族にも言えていなくて、もう不動産のことを考えるだけで嫌なら、早めに出口を見た方がいいかもしれません。
ここで大事なのは、「損をしたくない」だけで止まらないことです。
気持ちは分かります。誰だって損は嫌です。
でも、過去に払ったお金は戻りません。サンクコストに引っ張られて、毎月の赤字を見ないふりすると、傷が広がることがあります。
少し乱暴に言えば、もう買ってしまったことは仕方ねえや、です。
大事なのは、ここからです。
サブリース解約の正当事由で一番大事なこと
最後に、サブリース解約の正当事由について、実際に動く前の整理をしておきます。
まず、オーナー側からの解約は簡単ではありません。
普通借家型なら、オーナー側からの解約や更新拒絶には正当事由が問題になります。契約書に解約条項があっても、それだけで終わるとは限りません。
売却したい。
自主管理にしたい。
家賃が低い。
こういう理由だけでは弱いこともあります。
そして、解約だけが出口ではありません。
契約書を見る。
入居状況を見る。
家賃差額を見る。
ローン残債を見る。
毎月収支を見る。
サブリース付き売却と解除後売却を比べる。
合意解除の余地を見る。
必要なら専門家に確認する。
この順番で見れば、現実的な出口は見えてきます。
一番やってはいけないのは、焦って次の業者に全部預けることです。
買う時に、営業マンの「安心です」に乗せられた。
売る時に、別の業者の「今がチャンスです」に乗せられる。
これだと、ずっと誰かの都合で動くことになります。
サブリースを外すかどうかの前に、まず「自分は本当はどうしたいのか」です。
持ち続けたいのか。
売りたいのか。
もう関わりたくないのか。
赤字を止めたいのか。
家族に言える状態にしたいのか。
とにかく現実を見るのが怖くて止まっているのか。
そこからでいいです。
うまく説明できなくても大丈夫です。契約書が全部そろっていなくても、最初は大丈夫です。
まずは「ワンルーム持ってます」「サブリースが付いてます」「売るか分かりません」くらいで十分です。
サブリース解約は、正論だけでは進みません。
法律、契約、数字、感情が絡まっています。
だからこそ、いきなり売却や査定に飛ばず、まず絡まった状態をほどくことです。
売るかどうかは、その後でいいです。

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