MLB新人王論――三冠王・村上宗隆は「新人」なのか

先日、シカゴ・ホワイトソックスの村上宗隆選手が、月間新人賞(ルーキー・オブ・ザ・マンス)の候補に挙がりながらも、惜しくも受賞を逃したというニュースが流れました。

この報に接し、私はかねてよりMLBの新人王制度に対して抱いている違和感について、改めて書き留めておこうと思います。

【日本人MLB新人王の系譜】
これまで、MLBで新人王を獲得した日本人選手は、野茂英雄、イチロー、佐々木主浩、大谷翔平の4名です。一方で、松井秀喜は高い成績を残しながらも、投票で敗れています。

野球を愛する方々の中には、同じように感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、私は「NPBからMLBへ移籍した選手は、新人王の対象から除外されるべきだ」と常々考えています。

【「対等」ではない関係性への懸念】
なぜ、そう思うのか。それは、この制度を受け入れている限り、MLB側がNPBを自らと「同等のプロリーグ」として扱うことは、永遠にないと感じるからです。

かつてイチロー選手が日米通算安打でピート・ローズ氏の記録を超えた際、ローズ氏はその記録を認めない姿勢を示しました。当時は反発も大きかったようですが、わたしはその主張も一理あるのではと感じていました。

松井選手が新人王を逃した際も、現地記者の間で「日本でのキャリアがある選手を新人として扱うべきか」という議論が巻き起こりました。一部の記者が反対に回ったことが落選の要因の一つとされていますが、私はむしろこれはNPBをきちんと評価した上での主張なのではと感じています。

【新人王の定義と国際基準】
翻ってNPBの規定を見れば、他のプロリーグに属していた外国人選手は、新人王の対象にはなりません。
たとえ日本人選手であっても、NPBを経ずに直接MLBに挑戦したのであれば、当然新人王の対象であるべきです。しかし、日本で三冠王まで上り詰め、ポスティングという「プロの移籍」として渡米した村上選手のような実績ある選手が、現地の若手選手に混じって「新人」の枠を争うことには、やはり納得がいきません。当然、新人王を逃した選手たちにとっても、受け入れがたいのではと感じます。

マスコミにとっては、日本人選手がタイトルや記録を手にすることは格好のニュースになるでしょう。しかし、これは単なる賞レースの是非を超え、NPBとMLBの構造的な関係性に関わる問題です。

【野球を真の国際スポーツにするために】
以前、ポスティングシステムの問題でも触れましたが、NPBがMLBとどのような関係を築いていくべきなのかを、今こそ真剣に考えなければなりません。

これは、WBCを契機に最近話題になっている「日米のルールの違い」にも通じます。野球を真に国際的なスポーツへと発展させたいのであれば、国ごとにルールが異なる現状は大きな障害になります。
現状、MLBで採用されたルールがWBC等の試合に適用される流れになっています。そのため、WBC等で勝利するためには、遅かれ早かれNPBもいずれは現在のMLBのルールを取り入れることになってくるでしょう。
理想的には、世界の統一ルールを策定するため、日本からもきちんと代表を出して、会合を持つことだと思います。

新人王の問題は、一見ルールの話とは別次元に見えるかもしれません。しかし、「一事が万事」、この制度のあり方そのものが、現在の日米野球界の歪な関係性を象徴しているように思えてならないのです。将来、野球を真の国際的なスポーツにするためには、こういう一見細かい部分を見直していくことが重要だと考えています。
#MLB #NPB #新人王 #野球 #国際スポーツ  

いいなと思ったら応援しよう!