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【後払い決済フィンテック】BNPLとは・市場動向と主要企業(Klarna・Affirm・Block・PayPal)

インフレが進み、モノの値段が高くなっていく世の中。
K字経済とも言われ、貧富の差も激しくなっていっています。

そこで近年、注目を集めているのは「Buy Now, Pay Later (BNPL)」です。

BNPL (Buy Now, Pay Later) とは
…「今買って、後で払う」決済サービスです。
… 商品を購入する際に、追加の手数料や利息なしに分割払いが可能になります。

分けて払えるため、月々の出費がかさみにくく、低・中所得者層の生活に欠かせない存在になっています。


この記事では、そんな BNPL市場の魅力とポテンシャル、競合分析など、しっかり解説していきます。



1. BNPL市場が成長していく理由

1-1. Buy Now, Pay Later (BNPL) を使うメリットは?

あれっと思った方も多いはず。
分割払い自体は、クレジットカード(クレカ)でもできます。

ただ、BNPL の魅力は、「手頃さ」です。

  • BNPL の多くは審査がその日中に通って使い始められる

  • ローン申請などに重要な「信用スコア」への影響がない・少ない

  • 分割払いをしっかり守れば利息もゼロ

どれも消費者からすると、利便性の高いサービスになります。


ただ、お店側からすると、BNPL の手数料はクレカよりも高いです。一般的には、クレカが 1.5-3.5%ほどとされる中、BNPL だと 2-8%ほどと言われています。

ただ、BNPL を使う消費者の方が多くの買い物をする傾向があります。BNPLユーザーは非ユーザーと比べて 20-40%多く購入しているというデータもあります。

なので、お店側からしても手数料の分、多く購入してもらえれば、win-win の関係を築けるわけです。


1-2. BNPL企業はどう稼いでいるのか?

BNPL のシステムは、消費者に代わって、BNPL 企業がお店側に支払い・建て替えています

なので、BNPL企業は大きな資金をプールしておく必要もありますし、取り立てるリスクを負っているわけです。

では、どのように稼いでいるのでしょうか?


BNPL企業には、主に3つの収益源があります。

  1. お店側からの手数料

  2. 消費者からの延滞料

  3. 長期ローンの利息

① 手数料に関しては、前述した通りで、お店側も理解して払っている料金です。取引額が大きくなればなるほど、手数料による収益も増えていきます。

② 延滞料は、支払いに遅れた際に、消費者が払うことになります。ただ支払いを忘れなければ、分割払いによる利息もありません。会社によって、固定額の場合もあれば、購入代金に対する割合の場合もあります。

③ ローンの利息は、BNPL 企業の拡大の一手となっています。より銀行やクレカに近いシステムです。スーパーアプリになる過程として、BNPL 企業の多くが導入を始めています。


手数料で稼ぐのか、延滞料で稼ぐのか、取引額の母数で稼ぐのか、BNPL 企業によって方向性がさまざまです。

主要企業ごとの違いについては、セクション3「BNPL市場の主要企業」で解説していきます。


2. BNPLのポテンシャルとリスク

2-1. BNPL 市場の成長予測

BNPL のポテンシャルを数字でもみていきましょう。

2025年の BNPLの決済額(GMV)は、$560 Billion(およそ 68兆円)となり、2024年と比べると +13.7% の増加になりました。

これからの成長率としては、年利成長(CAGR)が +8.5-27%と予想されています。データによって違いますが、10-20%ほどを見込んでも良いでしょう(ソース①ソース②ソース③)。

この成長は世界中で見られており、東南アジアでも、アメリカでも、ヨーロッパでも普及されていっています。

とくに若年層(Z世代やミレニアム世代)に人気で、アメリカではクレジットカード以上に頻繁に利用している消費者が増えてきました。

なので、これからのトレンドとしても、BNPL市場への理解は深めておいて損はありません。


2-2. BNPL市場が抱えるリスク

BNPL市場の大きなリスクは、ユーザーによる延滞です。

ユーザーの「およそ3人に1人」が延滞したことがあるというデータもあり、実際に取り立てることができないこと(債務不履行)となれば会社としては大きなリスクとなります。

もちろん延滞料が取れるので、リターンとも表裏一体です。

また、若年層での延滞による借金の膨らみも、世界中で BNPL に対する厳しい見方も増しています。使いやすい・始めやすいがアダとなることで、政策などのリスクも増していきそうです。


3. BNPL市場の主要企業

3-1. BNPL市場のマーケットシェア・ランキング

各社、決算資料および統計データから参照(2025年12月)

まだまだ BNPL市場は戦国時代です。

Klarna は決済額を見ると堂々の一位です。ただ、二位から四位までどこも横ばいです。また、その他の割合が半分以上あることからも、小さなプレーヤーが多いことを物語っています。

実際、地域ごとに現地の BNPL企業が起業されたり、大手フィンテック企業が BNPLサービスに参入しています。少しずつ淘汰されることがあれば、集約されいくことになりそうです。

各社、決算資料および統計データから参照(2025年12月)

それではトップ5の企業の特色を、投資家目線で詳しく見ていきましょう。


3-2. Klarna (KLAR)

Klarna(クラーナ)は、スウェーデン発のBNPLフィンテック企業です。

決済額だけでなく、ユーザー数でも導入店舗数でも堂々の一位で、BNPLを代表する企業になっています。

ただ、懸念すべきなのは、売上高の低さです。決済額シェアで見ると2倍以上の差をつけていても、売上高ベースで見ると同等またはそれ以下という状態です。

手数料や遅延料を抑えることで、より多くのユーザー・店舗を巻き込めるメリットもあります。ただ、どこかのタイミングでしっかりと収益化できるモデルに切り替えていく必要が出そうです。

ちなみに株価としては、2025年9月に上場されたばかりで、それからはダラダラと下降トレンドに入っています。

その黒字化のタイミングを狙うのか、ほか企業を応援するのか、また全然違った投資戦略になっていきそうです。


3-3. Block (XYZ)

Block(ブロック)は、アメリカ発の総合フィンテック企業です。

もともと「Square」という小売やレストラン向けの POS (Point-of-Sales) システムを提供する企業です。そして、「Cash App」と呼ばれる個人間(Peer-to-Peer)のお金の送受信ができるサービスも提供しています。

そこに BNPL が加わったのが、2022年に買収したオーストラリアの BNPLフィンテック企業「Afterpay」でした。

BNPL市場での成長は、ピュアプレイ(Klarna や Affirm)に比べると、遅い印象があります。ただ、ほかのビジネスがあることで安定感がありますね。

BNPL の収益化に対する焦りが少なめで済むのが良い点ですね。


3-4. Affirm (AFRM)

Affirm(アファーム)は、アメリカ発のBNPLフィンテック企業です。

Affirm は特にアメリカ市場に力を入れており、Amazon とのパートナーシップなど、ローカルでの存在感がしっかりあります。

また Klarna と比べても、しっかりと売り上げを出しており、すでに継続的に黒字化もしている有望企業です。

長期的に見て、どちらが成功するのかは判断が難しいですが、定期的にとくに Klarna との比較していく必要はありそうですね。


3-5. PayPal (PYPL)

PayPal(ペイパル)は、アメリカ発の決済フィンテック企業です。

オンライン決済や個人間送金に使われる「PayPal」および「Venmo」を提供しています。そして、それらアプリの一環として、BNPL サービスを提供しています。

それらだけでも 500M 以上のユーザーベースを抱えており、Klarna の114M アクティブユーザーを凌ぎます。なので、うまく活用していければ、シェアを拡大していくポテンシャルは持っています。

ただ、もともとの決済サービス業界での競争激化にも巻き込まれています。なので、投資する際には、BNPL だけでない側面を考慮していかなければいけません。

わたしの場合は、PayPal のバリュエーションの低さは評価しているものの、成長力という側面で投資に踏み切れていないです。


4. 【必見】 BNPL市場のKPIの見方

4-1. 決算資料のココをみよう!

  • 【成長力】アクティブユーザー数・導入店舗数の推移

  • 【成長力】決済額の推移(GMV・GPV)

  • 【稼ぐ力】売り上げ・利益率

  • 【稼ぐ力】資金調達コスト

  • 【リスク】債務不履行・延滞率


4-2. 見る際の注意点は?

  • 企業によっては、見やすい数字になっていない
    BNPLサービスだけを提供していないので、詳しい内訳を提示していない企業が多いです。なので、要所要所から推測する必要もあり

  • 企業単体ではなく、全体感を持ってみる
    BNPL企業の間でも比較していく必要があります。とくに Klarna や Affirm など、市場全体の鈍化なのか、企業単体の問題なのかが見えてきます。

  • 余裕があれば、カード企業や小売店の決算も覗いてみる


5. Buy Now, Pay Later (BNPL) 市場の投資分析まとめ

この記事では、BNPL (Buy Now, Pay Later) という後払い決済サービスについて解説していきました。

BNPL は世界中で広がっている、高い成長ポテンシャルがあります。年間成長率が 10-20%というのは、今後5年で2倍ほどの成長期待があるということです。

ただ、債務不履行や政策などの影響による業界自体のリスクもあります。その点は、企業ごとの特色も押さえながら見てみてください。


今まで BNPL を知らなかった方、これから BNPL 市場への投資を考えている方の助けになったのなら幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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