GPSは誰が運用してるか知ってる?|宇宙一わかりやすく解説|GPSの基礎の基礎#2
前回の記念すべき第一稿では、GPSが世界中のどこに居ても位置がわかっちゃう上に、無料のすごいサービスであることを説明しました。
本稿では、そんな無料のサービスを誰が提供しているのか?というところから説明したいと思います。
GPSを運用しているのは?
さて、GPSを運用しているのは誰かというと・・
アメリカです。
もっと詳しくいうと、アメリカ合衆国の国防総省です。通称ペンタゴン。
つまりアメリカ軍ということですね。
そうです、GPSは元々軍事目的で作られたシステムだったんです。
「作られた」と過去形で言いましたが、現在でもバリバリの軍事用なんです。
GPSの運用にはメチャクチャお金がかかる
GPSが正式に運用開始されたのは1995年。
今でこそ、かのイーロン・マスクが設立したスペースXなどの民間企業もありますが、当時は宇宙開発といえば巨額な費用がかかるし、国家レベルじゃないと成り立たないような時代でした。
GPSを世界中で利用できるようにするには、GPS衛星をたくさん打ち上げなければなりません。今でも30個くらいのGPS衛星が常に地球上を回っているのです。
しかも、GPS衛星は一度打ち上げれば終わりではありません。ずっと運用を続けるには、常に新しい衛星を打ち上げて古くなった衛星と交換する必要もあります。
正確なところは分かりませんが、GPSの維持には毎年2000億円以上の費用がかかっていると思われます。
そんな巨額な費用をかけてでも、GPSというシステムを作り上げることになったのは、当時のソ連との東西冷戦という背景がありました。
軍事目的だったGPSを民間人が利用できるわけ
さて、バリバリに軍事目的で作られたシステムであるGPSですが、何でアメリカ人でもなく、軍の関係者でもない私たちがそんなシステムを利用できるんでしょうか。
きっかけは、1983年に発生した大韓航空機撃墜事件だったようです。
ニューヨーク発ソウル行きだった大韓航空の民間航空機が、慣性航法装置が正常に働かなかったことで大幅に航路を逸れて、ソ連の領空に入ってしまいました。
それをソ連空軍に米軍機による領空侵犯と判断され、撃墜されてしまったという事件です。
269名の乗員乗客が犠牲になりました。
この事件を受けて当時のレーガン大統領が、民間航空機の安全な航行のためにGPSを民間でも利用できるようにすることを表明しました。
(後の調査で、大韓航空機の慣性航法装置が働かなかったのは、機器の問題ではなく操縦士のミスである可能性が高いことが分かりました)
現在の誰でもGPSが利用できる便利な世の中も、多大な犠牲があって成り立っているということですね。。
さて、気を取り直して。
そんな便利なGPSですが、実はすべてアメリカだより。。
それじゃマズイ!ということでアメリカ以外の国でも自前のGPSの運用を始めています。
次回は少しそのあたりについて触れていきたいと思います。
