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男の子の「謎の自信」は、折らなくていいー根拠のない自信は、いつか本物の自信になるための種かもしれない

「何もやっていないのに、なぜそんなに自信満々なの?」

子どもを見ていると、思わずそう言いたくなる瞬間があります。

特に男の子に多いように感じますが、もちろん一部の女の子にも当てはまります。

勉強していないのに、

「余裕」

点数が取れていないのに、

「次はいける」

問題を解いてもいないのに、

「本気出せばできる」

その自信、いったいどこから来るの?

親から見ると、正直かなり危なっかしい。

「今の成績を見て言ってる?」
「その状態で本当に大丈夫?」
「せめて少しは焦ってくれない?」

そう思うこともあるはずです。

でも、この子どもにありがちな「根拠のない自信」は、必ずしも悪いものではありません。

むしろ、扱い方を間違えなければ、子どもを前に進める力になります。

大事なのは、その自信を笑って折ることではなく、行動につなげてあげることです。

根拠のない自信は、ただの勘違いではない


心理学的に見ると、子どもの「根拠のない自信」は、単なる勘違いだけではありません。

そこには、自己効力感というものが関わっています。

自己効力感とは「自分はやればできる」と思える力


自己効力感とは、簡単に言えば、

「自分はやればできる」
「自分には何とかする力がある」

と感じる力のことです。

もちろん、自己効力感は実際の能力とぴったり一致するわけではありません。

まだ十分に勉強していないのに「できる」と思う。
理解があいまいなのに「わかった」と言う。
結果が出ていないのに「次はいける」と思っている。

大人から見ると、見通しが甘い。

でも、子どもの中では本気なのです。

本人なりに、自分の可能性を信じている。

言い換えれば、根拠のない自信とは、まだ粗削りな自己効力感なのだと思います。

自信がない子より、伸ばしやすい面もある


もちろん、根拠のない自信には困った面もあります。

「大丈夫」と言いながら何もしない。
「本気出せばできる」と言いながら本気を出さない。
「次はいける」と言いながら、同じミスをくり返す。

これでは、ただの油断になってしまいます。

けれど、一方で大切な強みもあります。

それは、とりあえず前に出られることです。

消極的すぎると、挑戦そのものが減ってしまう


自信がなく消極的すぎる子は、失敗を避けようとします。

「どうせ無理」
「間違えたら嫌だ」
「できるようになってからやる」
「恥ずかしいからやりたくない」

こうなると、挑戦そのものが減ってしまいます。

もちろん、慎重さも大切です。
不安を感じる子にも、その子なりの繊細さや、深く考える力があります。

ただ、中学受験や家庭学習の場面では、「まずやってみる」力もとても大切です。

根拠のない自信がある子は、見通しは甘くても、とりあえず動ける。

失敗しても、

「今回はたまたま」
「次はいける」
「まだ本気じゃなかった」

と、よくも悪くも立ち直りが早い。

この軽さは、親から見ると雑に見えます。

でも、子どもが前に進むためには、時にこの雑さが必要なこともあります。

これは男の子に限った話ではありません。
女の子の中にも、失敗を重く受け止めすぎず、「次はできる」と前を向ける子がいます。

性別で単純に分けられるものではなく、その子の気質や育ってきた環境によっても変わります。

ただ、そういう少し楽観的な強さは、学びの場面では大きな武器になることがあります。

折るのではなく、現実につなげる


親が気をつけたいのは、その自信を真正面から折らないことです。

「何その自信」
「全然できてないじゃん」
「口だけでしょ」
「現実を見なさい」

そう言いたくなる気持ちは、とてもよくわかります。

でも、子どもの自信を折ると、行動する力まで一緒に弱くなってしまうことがあります。

大切なのは、自信を否定することではありません。

その自信を、行動に変えることです。

「できると思うなら、何をする?」に変える


たとえば、こんな声かけです。

「できると思っているのはいいことだね。じゃあ今日は何をやる?」

「本気を出せばできるなら、その本気を10分だけ見せて」

「次はいけると思うなら、前回のミスを1つだけ直そう」

「自信があるなら、この3問で確認してみよう」

こう言うと、子どもの自信を否定せずに、現実へつなげることができます。

「できると思う」だけで終わらせない。

「じゃあ、何をする?」に変えていく。

ここが大切です。

自信は、あとから根拠を育てればいい


子どもの自信には、最初から立派な根拠があるわけではありません。

むしろ、最初は根拠がないことの方が多いのだと思います。

でも、根拠がないからといって、すぐに否定しなくていい。

「自分はできるかもしれない」

その感覚があるから、子どもは挑戦できます。

挑戦するから、経験が増える。
経験が増えるから、少しずつ力がつく。
力がつくから、やがて本物の自信になっていく。

つまり、根拠のない自信は、最初から完成された自信ではありません。

本物の自信になる前の、まだ未熟な芽のようなものです。

放っておけば、油断になる。
叩き潰せば、挑戦する力まで失われる。
けれど、うまく育てれば、前に進む力になる。

「その自信、形にしてみようか」


子どもの謎の自信に、親はつい振り回されます。

でも、少し引いて見ると、それは子どもが自分の未来をまだ信じている証でもあります。

「今はできていないけれど、自分はできるはず」

その感覚は、幼くて、雑で、危なっかしい。

でも、決して悪いものではありません。

親がすべきなのは、

「何その自信」と笑って折ることではなく、

「その自信、形にしてみようか」と導くこと。

根拠のない自信は、いつか本物の自信になるかもしれません。

そのために必要なのは、否定ではなく、行動への橋渡しです。

子どもの中にある小さな自信を、少しずつ現実につなげていく。

それもまた、親がまける大切な、まなびの種なのだと思います。

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