手が覚えている記憶
ギリギリになって申し訳ないのですが、、、
くりすたるるさんの企画「#手」に参加させていただきます。
長女が小学生だった頃
ベッドに入ってから
私がマッサージするのが日課だった。
赤ちゃんの時から体を使うのが大好きで
生後9ヶ月で歩き始めて以来
毎日外で遊んでいた長女。
自分でやりたいと言って
4才で始めたチアリーディングは
小学校にあがってから
とてもハードな練習に変わった。
上級生のチームに組まれ
背も低くて体力もないおチビちゃんは
とにかく頑張った。
練習が終わって家に帰る時には
母の自転車の後部座席で一瞬で寝るほど。
慢性的な筋肉痛で身体中がガチガチ‥
見かねた私がマッサージをするようになった。
お風呂の後、腿のストレッチや脹ら脛の揉みほぐしをして、最後の仕上げは足裏マッサージと決まっていた。
長女はこの足裏マッサージが大好きだった。
まず足首を丁寧に回す。捻挫がクセになっていた左足はそっと回す。
次に足の指を1本ずつ、伸ばしたり回したり
する。
そして、足の指の間に私の手の指をからめ
前後にゆらす。
ストレッチの時は「イタタタ」と騒いでいた子が、無口になって、体の力を抜いている。
足の裏の親指の付け根を揉みほぐし、ゆっくり土踏まずまで押していく。
小指の付け根側も同じように、私の両方の指で押してゆく。
途中で、なぜか自分がマッサージされているような感覚になる。
「ここを押されるとこんな心地」と想像(というより感覚共有)しながら、私の手指を動かしていく。
足裏を縦に折り曲げたり甲を伸ばしたり、かかと周りもさする。
甲も骨にそって私の手をグーにした関節でやさしく撫でる。
痛い時はピクッとなるから、ゴメンと謝りながら手の力を加減する。
もう一度、親指の付け根から土踏まずまで
丁寧に私の両手の親指で押していく。
ここまでくる間に寝息が聞こえてくる。
「もう大丈夫。安心して入眠できたみたいだ」
私の気持ちが満たされる。
気持ちよさそうに眠る長女の顔を
満足そうに眺めながら
私の手もポカポカしていた。
チアは女子特有の人間関係に疲れて
しばらくして辞めてしまったけれど
足裏マッサージは回数を減らしつつ
中学生になっても続いた。
長女は、ボディタッチが好きではないので
抱きしめたり頬っぺたを合わせたりは
させてくれない子だったけれど
足裏マッサージは私たち母娘の
大切なスキンシップになっていた。
今も私の手にはあの頃の記憶が残っている。
柔らかな長女の足裏の
冷たくて硬かったところが
ほぐれて温かくなっていく感触。
灯りを落としたベッドサイドで
手だけで探る研ぎ澄まされた感覚。
長女は覚えているだろうか。
覚えていなくてもいい。
足裏に感じたずっと前の安らぎが
少しでも彼女の生きる力に繋がっていたら
こんなにうれしいことはない。
「どうか与えられた命を生ききってね」
大げさな言い方だけれど、本当に
それだけはお願い🙏
