初めての彼氏で、夫で、今は異国で暮らす君へ
夫とわたしは、大学の同級生だ。夫は中学からエスカレーター、わたしは高校まで公立で育った生粋の下町っ子。付属組でワイワイ集まっているのを眺めつつ、わたしは「一生関わり合うことのないだろう、手塩にかけられたお坊ちゃんたちだな」と思ったのだ。
大学入学時のわたしは、イタく尖っていた。「夫はいらないけど子どもは欲しい」と、精子バンクの利用を真剣に検討する女子高生だった。また、家業を営む家に生まれた長女で、下に弟が2人いたこともあり、いかに家がわたしにお金をかけなくて済むか、祖父母と母の折り合いをつけるか、母の愚痴をどうやり過ごすか、そんなことばかり考えて育った。
だから、お金も時間もかけて育ってきた彼らがうらやましくもあり、また、蔑んでもいた。苦労は買ってでもしろ、憎まれっ子世に憚る。頭の中で、呪文のようにそう唱えていた。
タイマッサージを受ける際、チップをいくら渡すかいつも悩んで、たいてい大盤振る舞いしていまいます。そうわたしは見栄っ張りな客です。
