見出し画像

『泥だらけのタイムカプセル』短編小説✖️AIイラスト(3分)

[ストーリー紹介]
幼なじみのハヤトとカオリ。疎遠になった二人は、雨の庭で掘り起こしたタイムカプセルをきっかけに再び向き合う。止まっていた時間が動き出す、その先にある想いとは――。

『泥だらけのタイムカプセル』


降りしきる雨が、アスファルトを濃い灰色に染めていた。

二十歳になったハヤトは、実家から数分の場所にあるカオリの家の裏庭で、スコップを泥に突き立てていた。

「ねえ、本当にここだっけ?」

隣でカオリが、びしょ濡れの髪をかき上げながら訊ねる。

「……たぶん。あの柿の木の根元から、三歩右に埋めたはずだ」

二人の会話は、どこかぎこちない。

保育園から小学校まで、二人は影のように常に一緒にいた。放課後の校庭、秘密基地作り、夕暮れのチャイム。

けれど、中学生という多感な時期が、残酷な壁を築いた。

「ハヤト、カオリと付き合ってんの?」

男子たちの無邪気な冷やかしに、ハヤトは「ただの幼なじみだよ」と突き放すような態度を取った。

カオリもまた、女子グループの視線を気にして、廊下ですれ違っても目を逸らすようになった。

高校、大学と別々の道に進み、家が近くても挨拶すら交わさない数年間。

そんな二人が今、泥だらけになって穴を掘っている。きっかけは、今朝届いたカオリからの素っ気ないメッセージだった。

『庭の改装で木を抜くことになった。昔、一緒に埋めたタイムカプセル、今日中に掘り出さないと重機に潰されるよ』

「あった……!」

カオリの声が弾んだ。

スコップの先が、
カツンと硬い感触を捉える。

二人は手で泥を掻き出した。現れたのは、かつてお菓子の空き缶だった、錆びだらけの鉄の塊。

「うわ、ボロボロじゃん」

ハヤトが笑うと、カオリも「十二年分だもんね」と、幼い頃のような屈託のない笑みを返した。

二人は泥だらけの手と腕を水で洗い流し、縁側へと移動した。

雨は相変わらず降り続いているが、軒の下でその音はどこか柔らかく響いていた。

並んで腰を下ろし、二人は慎重にタイムカプセルの蓋を開ける。

中から出てきたのは、色褪せたトレーディングカード、ビー玉、そしてビニール袋に包まれた二通の手紙。

カオリが自分の手紙を広げ、声を詰まらせた。

「……なにこれ。『二十歳の私へ。ハヤトとまだ結婚してないなら、早くしなさい』だって」

「ぶっ……!」

ハヤトは噴き出した。

「なんだよそれ。小六の時、そんなこと考えてたのかよ」

「だって、あの頃はそれが当たり前だと思ってたんだもん」

カオリは顔を赤くして、手紙を隠した。

今度はハヤトの番だった。彼は自分の手紙を黙って読み、そっと畳もうとした。

「あ、ずるい! 見せてよ」

カオリが手を伸ばし、二人は狭い軒下で、泥だらけの服のまま子供のように揉み合った。

「……待って。ハヤト、これ」

奪い取った手紙を読んだカオリの動きが止まる。

そこには、乱暴な筆跡でこう書かれていた。

『ハヤトへ。カオリが他の奴と仲良くしてると、すごくイライラする。たぶん、俺はカオリが好きだ。二十歳になっても、俺の隣にはカオリがいてほしい』

雨の音が、急に大きく聞こえた。

ハヤトはきまりが悪そうに頭を掻いた。

「……中学生になって、あんな態度取ったのは、ただの照れ隠しだった。でも、気づいたら声の掛け方も分からなくなって」

「私も、同じ。ハヤトが遠くに感じるのが怖くて、自分から壁を作っちゃった」

カオリの手が、そっとハヤトの腕に触れた。

「ねえ、十二年越しの返事、してもいい?」

ハヤトは、カオリの瞳をじっと見つめた。そこには、疎遠だった時間を埋めて余りあるほどの、強い光が宿っていた。

「私の隣にも、ずっとハヤトがいてほしい。……今までも、これからも」

ハヤトは、カオリの手を、自分の手で包み込んだ。

「……遅くなってごめん。今日から、また始めよう」

雨はまだ止まないけれど、二人の間の冷たい壁は、もうどこにもなかった。

錆びたタイムカプセルの横で、二十歳の二人は、ようやく止まっていた時間の続きを歩き出した。

終わり

********************

KOUです!いかがだったでしょうか?

この短編小説は、原案を自分で作り、ChatGPTを使って文章を整えました。

挿絵には、文章からChat GPTで生成したものを使ってます。

スキやフォローしてもらえると励みになります。よろしくお願いします!

初めての実写風での挿絵。意外にも新鮮で楽しかったです。

いいなと思ったら応援しよう!