薫風が通りすぎたその日に、まさかの梅雨入り
〜鹿児島の5月と、薬膳で整える梅雨時期の暮らし〜
1. 薫風の季節、あっという間の終わり
5月は“晩春”にあたり、過ごしやすくて大好きな季節です。
「薫風(くんぷう)」という5月の季語がありますが、これは初夏の爽やかな風を意味します。
窓から入る風に若葉が揺れ、空気も軽やかで、思わず深呼吸したくなるような。
そんな季節の空気が、私はとても好きです。
でも、その“薫風”が通りすぎたかと思ったら——
鹿児島、まさかの梅雨入りでした。
2. 鹿児島の梅雨入りは“覚悟の季節”
鹿児島県民にとって、梅雨入りはちょっとした覚悟の合図です。
沖縄・奄美の梅雨入りがニュースに出ると、「次は私たちか…」と構えるのがいつものパターン。
なぜならこの地域には、桜島や新燃岳といった活火山が多く、地盤が火山灰でできた“シラス台地”。
このシラス地層はとても水に弱く、崩れやすいんです。
実際、1993年の「8.6水害」では鹿児島全域が大打撃を受け、今でも地元では記憶に残る災害です。
私も中学1年生でしたが、被害が甚大で非常に怖かった記憶があります。
鹿児島市内と隣町をつなぐ道路は長期間寸断され、鹿児島市内に行くためには大隅半島住民は陸路ではなく、錦江湾を船で移動するしかなかったなんて、今思ってもすごい災害でした。
毎年、生活道路や斜面が崩れるニュースを聞いたり実際に目にする度に、梅雨はただの季節の移り変わり途中の、雨の多い季節ではないと感じます。
もちろん、治水対策も年々整備され、昔より安心にはなってきました。
でもやっぱり、「梅雨入りした」と聞くと、心のどこかがピリッと引き締まるんです。
3. 今年は全国一番乗りの梅雨入りでした
今年(2025年)はなんと、九州南部が全国で一番早く梅雨入り。
統計史上初のことらしく、例年より14日、去年よりは23日も早いそうです。
「え?まだ沖縄と奄美は梅雨入りしてなかったよね?」
思わず二度見しました。
そんなニュースを見た覚えがなかったから、、
まだ5月なのに、こんなに早く雨のまいにちが来るなんて。
薫風の余韻も、あっという間に遠のいてしまいました。
4. 体も心も、湿気に影響されている
最近、なんだか足がむくむなあと感じていたのですが、梅雨の季節にはちょっと早いからおかしいなと思っていたけど、からだはよくわかってる。
やっぱり湿気のせいでした。
薬膳では、この季節は 「湿邪(しつじゃ)」という外からの湿気と、
体の中にたまった「痰湿(たんしつ)」 が原因で、さまざまな不調が出やすい時期とされています。
とくに女性は影響を受けやすく、むくみやすく、重だるさ・気分の低下・頭痛・肌荒れ・胃腸の不調などが起こりやすくなる時期。
日本は高温多湿の国ですから、ほとんどの女性が水毒だとも言われています。
そういう時は、湿をさばいてくれる食材や、胃腸に優しい食生活で体を整えることがとても大切です。
5. 梅雨の薬膳養生:痰湿をためない食と暮らし方
梅雨時期の薬膳的な過ごし方、私が意識しているポイントをいくつかご紹介します。
🍽 食でできる“水はけケア”
緑豆もやし:体の熱を冷ましながら水分をさばく
はと麦(ヨクイニン):むくみ・肌荒れにも効果的
とうもろこし:甘みがあり、胃腸にやさしい利水食材
小豆・冬瓜・きゅうりなどもおすすめです
🍬 砂糖との付き合い方
私は基本的に料理に砂糖は使いません。
代わりに甘酒や玉ねぎ麹などの自然な甘さで味を調整します。
でも、いきなり“ゼロ”が難しい方は、
砂糖+甘酒を半量ずつにして、徐々に減らしていくのがおすすめです。
🌿 選ぶこと、選ばないこと
どんなにこだわって良い調味料を使っていても、
食事全体が——
加工食品ばかり
炭水化物だけ
揚げ物中心
食物繊維が少ない
…そんな内容だと、腸はうまく整いません。
もちろん、外食やファストフードを楽しむこともあります。
でもそれは“非日常”。
日常は、「何を摂って、何を摂らないか」を自分で選べる状態を大切にしたいと思っています。
6. おわりに:食卓から整えていく、季節との向き合い方
湿気に弱いのは、家の中だけじゃありません。
私たちの体や心も、案外その影響を受けています。
だからこそ、この季節に体を整える食材や暮らし方を少しだけ意識してみること。
それだけで、気分も体調も、ちょっとずつ軽くなるのを感じられるはずです。
梅雨はあいにくの雨模様が続きますが、
“雨の日は整えのチャンス”——そう思えたら、少し気が楽になるかもしれません。
みなさんもぜひ、ご自分のペースで。
季節の声に耳をすませながら、優しいごはんを楽しんでくださいね🌿
