小説家・朝井リョウが怖い…怖くて目が離せない。
同郷、岐阜県出身の朝井リョウさん、
新刊『イン・ザ・メガチャーチ』刊行おめでとうございます。
新刊発売にあわせて、朝井リョウさんが出演するメディアをよくみかけるようになりました。
とても喜ばしいことです。
しかし、行動原理が読めない、説明のつかない、謎の多い人物、
朝井リョウ本人に潜む狂気。
それが本当に言語化できない、
理解不能すぎて、怖くて、
あろうことか、
目が離せなくなってしまった…。
そこで、私なりに朝井さんについてリサーチした結果を以下にまとめてみました。
お笑い芸人を知りつくす佐久間Pが認める変人の多い職業「小説家」
その前に、先日のラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」(7/23放送)で、佐久間さんが武道館でのライブを控えたmiwaに対して上から目線でアドバイスする小説家・中村航さん(岐阜県出身)の話をして、
「小説家は僕の知っているなかで一番変人が多い」と話していました。
その瞬間、私の脳内に浮かんだ、
ただ一人の小説家、
朝井リョウ、その人でした。
エンタメとして楽しめるものを紹介するので、できれば引き返してほしい
朝井リョウさんは、早稲田大学在学中に『桐島、部活やめるってよ』作家デビューし、当時直木賞を最年少受賞した『何者』はじめ、『正欲』『生殖記』など。映画化されることも多い、社会派な作品を発表している作家です。
(ファンダム経済を題材にした新作『イン・ザ・メガチャーチ』は40代男性の描写がリアリティあると話題です)
ご本人は「さくらももこのエッセイが好き」とたびたび触れていますが、
それにしたって作品世界と作者本人がまったく違うタイプの人です。
今後、シリアスな朝井作品を読んで、朝井エッセイがノイズになることもあると思うので、そういったノイズが不要な方は、こちらの番組で留めておくとよいと思います。

YouTube「本ツイ」では、面白要素がすっと引っ込み、細やかに情熱的に作品について語る姿に、「きっと創作に真摯で、全作家にリスペクトを持っている方なんだなあ」と、素顔を見たような気がします。
きちんと笑えて、かつ、小説家・朝井リョウの観察眼と表現力が光る2本です! 満足感あります!
だから、ここまでで引き返してもらっていいんですよ?(最終確認)
朝井リョウと私
一歩踏み出したんですね?
そうですか…ここから先を読んで「???」と混乱したとしても、私からできる説明はありませんよ。
朝井さんの母校、大垣北高校は県内でも有名な進学校。
(エッセイでも紹介されているので実名でいいですよね)
私はその向かい側にあるIAMAS(県立国際情報科学芸術アカデミー、略してIAMAS)に通っていたので、いつも大垣北高の校舎を眺めて過ごしていた。
だから、朝井リョウのデビュー作『桐島、部活やめるってよ』に出てくるマクドナルドや大垣駅へ向かう道のりの風景は、まさに私の青春時代の思い出そのもの。
マックの壁紙や階段、広すぎる国道21号、
彼の文章を読むとありありと大垣の街を思い出す。
しかし、IAMASという学校では昼休みに校庭でBBQはじめる人がいたり、「俺、舞踏はじめるから」と突然屋上に呼び出されてビデオ撮影させられたり、変な人の学校だったにも関わらず、
まさかIAMASの学生よりも恐ろしい存在が、向かいの進学校にいたとは…。
求められていない寄せ書き
マジで本当に怖いんですよ、朝井さん。
— 佐久間宣行 (@nobrock) September 4, 2025
俺、本を開けて震えてますよ。
いつかこの寄せ書きが必要なくらい凹む日が来るんですか?
それとは別に、大傑作の本ですよ。
普通に宣伝させてくださいよ。#インザメガチャーチ pic.twitter.com/pFwAZKT6rg
佐久間さんに届いた新刊の献本と一緒に届いた寄せ書き、この画像を見て背中がゾクっとしました。
落ち込んで眠れないいつかの夜のための寄せ書き
[参加者]
・西加奈子(小説家)
・村田沙耶香(小説家)
・加藤千恵(歌人)+お子さん
・三宅香帆(文芸評論家)
・ヒャダイン(音楽プロデュサー)
・DJ松永(Creepy Nuts)
・でか美ちゃん(タレント)
・大島育宙(お笑い芸人)
ラジオ局、出版関係者 ほか
自作自演かなと思ったのですが、これ全員本人が書いたようです。
みなさん、多忙なのに? 会いに行ったの? 手書きですよね?
なにそれ、怖い…。
でも、加藤千恵さんの子どもの名前が付箋で隠されているあたり、
計算された、計算つくされた意図を感じます。
そして、私が思い出したのは、2024年秋にSNSで見かけた朝井リョウの姿でした。
世田谷文学館で柚月麻子が歌い、朝井リョウが踊る
2024年11月に、突然SNS上に朝井リョウと柚月麻子(ブリティッシュ・ブック・アワード受賞ほか英国で3冠、ダガー賞最終ノミネート作家)とでか美ちゃん(タレント)が「黄色いお空でBOOM BOOM BOOM」を歌って踊る画像と映像が流れました。
文脈が複雑すぎて説明が難しいのですが、柚木麻子さんと朝井リョウさんとでか美さんが歌い踊るステージを世田谷文学館で見ました。ハロプロ曲を3曲歌ってました。めちゃくちゃよかった……面白かった…… pic.twitter.com/Ok5iQBwcHO
— toya (@toya) November 16, 2024
世田谷文学館で開催された本と雑貨の蚤の市「セタブンマーケット2024」の一幕なのです。
イベントのテーマは「〈中央アジア・コーカサス・アイスランド〉+〈異文化体験〉」で、柚月麻子さんがZINEを販売する(売上はガザ支援団体寄付)という事前情報はあったようですが…。
大変失礼ではありますが、ハロプロ楽曲を歌って踊るステージができるようなイベントではないような…?
なぜ、朝井リョウが踊るのか? この3人の関係性、ハロプロとの関わりは??
当時、リサーチした結果わかったことは、
ユニット名は「柚月麻子 with jornal2」
朝井リョウは早稲田大学でダンスサークルに所属していた
3人は雑誌『CDジャーナル』でハロプロを語る連載を持っている
しかし、今回のステージとCDジャーナルは関係ないらしい???
…わからない。調べても謎が深まるばかり。
多感な中高生に高すぎるハードルを科す「ショートショート発表会」
岐阜市立図書館が入った「ぎふメディアコスモス」という公共施設があります。(建築家・伊東豊雄 設計)
11月2日(日)、ぎふメディアコスモス「第11回ぼくのわたしのショートショートコンテスト」応募締切の8月12日(火)まであと1週間となりました。Webでの投稿も可能です。全国の中高生の皆様の作品を今年も引き続き審査員を務めてくださる中村航さんと共にお待ちしております!https://t.co/wyYN9JMc3E pic.twitter.com/XvaXyYvm5g
— 朝井リョウ (@asai__ryo) August 5, 2025
ぎふメディアコスモスはデザインも、館内サービスもいろいろ、ほんとに素晴らしいのですが、今回はその話ではなく、
ここで2015年から毎年、中高生を対象に開催されている
「めざせ直木賞作家!ぼくのわたしのショートショート発表会」
について触れたいと思います。
第一回から作品の選考・講評を務めるのが、岐阜の星である朝井リョウ。
2024年からは、佐久間さんが認める変人の中村航さん(岐阜の星)も参加しています。
こちら中高生向けの短編小説コンテストと思いきや、
その名の通り「発表会」なんです。
自分が書いた小説(原稿用紙5枚程度、上限2,200字)を応募して選ばれると、
200人の来場者の前で、
さらにオンライン視聴者400人が見守るなかで、
自作の小説の朗読(約2200字)をしなければならない…!
自分で書いた小説を、マイクを通して、聴衆に向けて読み上げる!
想像しただけで、怖い!!!
無理! 私、絶対無理!
こんな恐ろしい企画を立てられるのは、絶対に朝井リョウだ…。
「発案者は、朝井リョウにちがいない…」と私は勝手に確信しています。
※ ソースが見つかりました。企画発案者は図書館のIさんだそうです。詳細は追って。
選ばれた発表者は会場で審査員の朝井さん、中村さんの二人とトークができ、講評を聞き、作品集は図書館で永久保存される。
そういう素敵なイベントでもあります。
当初は岐阜市内の中高生が対象でしたが、今は全国から応募できるそうなので、気になる中高生のみなさんはぜひ挑戦してみてください。
だが、しかし、
この作品募集の2025年版PR動画を見てほしい。
なぜ、ここまでするのだろう…なぜ、ここまでできるのだろうか?
映画『君の忘れ方』の作道雄監督が制作協力してまで…。
※ 『君の忘れ方』は、岐阜へ帰省することをきっかけにした物語だそうです。
完成度の高いルックに、小説家2人よる違和感のあるお芝居がクセになります。これで視聴数300回はもったいない。
その前提に、2024年の朝井リョウのXの動画があったからだとはおもうのです。
エレベーターホールで、自撮り棒をつかってラフに撮られたPR動画。
11月3日、ぎふメディアコスモスで開催「ぼくのわたしのショートショート発表会」の作品募集が始まりました。今年は第10回記念ということで、岐阜県出身の審査員がもうひとり参加致します。また、Webでの投稿も可能になりました。詳細は以下のURL等をご参照ください。https://t.co/KoFp6NDdPY pic.twitter.com/txuW79hldk
— 朝井リョウ (@asai__ryo) June 3, 2024
とにかく、朝井リョウの行動原理がわからなすぎる…。
自宅の本棚に積読のままだったエッセイがあったことを思い出し、私は『時をかけるゆとり』を手に取りました。
漫画単行本の作者コメントをやるタイプの小説家
『時をかけるゆとり』を読みだして30分後、
「朝井リョウはこっちが本物か…」
これまでの奇行の理由はわからなくても、かろうじて納得はできる、
ちょっとだけ彼を知る糸口がみつかった気がする。
でも、朝井リョウ、
下ネタ(下半身の内臓部のこと)ばかり言うやん…。
小説とはまったく異なるタイプの文章に動揺しつつも、
なぜか私はエッセイのページをめくる手が止まらなくなりました。
そして、読み進めるたびに、これまでの疑問に対して、ある意味で解答となる部分を数多く見つけました。
『時をかけるゆとり』を読み終え、
「朝井リョウとは…」と物思いにふけっている時、
文庫本の表紙カバーそでにあるプロフィール部分(著者紹介)が目に入りました。
著者(自己)紹介
朝井リョウ(あさい・りょう)
1989年(平成元)年、岐阜県出身。早稲田大学文化構想学部卒業。2009年「桐島、部活やめるってよ」で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。お腹が弱い。10年『チア男子!!』でスポーツ小説ならではの大人数の書き分けに失敗。
…
以下、省略
著者(自己)紹介…お腹が弱い。…大人数の書き分けに失敗。
ん? 著者プロフィールってこんなんだっけ?
あわてて、自宅にある他の朝井リョウ作品、他の小説家のエッセイを確認するも、こんなおふざけはない。
ごく普通の、一般的な経歴と受賞歴が載っている…。
この主観的なプロフィールは朝井リョウのエッセイのみ存在するらしい。
この人、文庫本の著者プロフィールで遊んでる…!!!
ジャンプの漫画家みたいに…!
私の探究心の勢いは止まらず、 いや、むしろ加速し、 翌日には近所の本屋でエッセイの続編『風とともにゆとりぬ』、『そして誰もゆとらなくなった』を購入。
続編でも「著者(自己)紹介」は継続しているので、
ぜひ、ご自身の目で確認していただきたいです。
そして私は現在、エッセイ三部作を一気読みしています。
(仕事と育児と家事をのぞいた)1日の大半を朝井リョウのリサーチに捧げ、
毎朝、夫に「ちょっと悪いんだけど、今日も朝井リョウの話をしてもいいかな?」と確認をとるほど、朝井リョウ漬けの日々になりました。
それくらい毎日なにか発見があるのです。
次回、伏線回収としての朝井リョウエッセイ三部作の読書感想文を書きたいと思います。
今回の記事の参考文献
個人の主観で書き散らしてしまい、関係各位のみなさまには大変失礼いたしました。
こちらご購入いただけると、私も報われますし、
何より朝井リョウさんもきっと喜んでくれるはず。
私はそう信じています。
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