論文の書き方という論文があった
論文の書き方という論文があった
脳科学とリハビリテーション学会
こんにちは、makokonです。
論文の書き方という論文がありました。若手研究者にとって、論文(特に査読付き論文)を書くのは、敷居が高いかもしれません。また、査読にどのように対応するかがわからないこともあるかと思います。でも、基本を押さえて書くべきことを書けば大丈夫。査読も、丁寧に指摘されたことを正面から受け止めて、対応すれば大丈夫。そのあたりのことをまとめてみました。
元論文も日本語で別に難しいわけじゃないので、そちらも呼んで見ればいいと思います。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrn/15/0/15_150423/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrn/17/0/17_170619/_pdf/-char/ja
若手研究者向け:論文の書き方ガイド
本ガイドは、複数分野の研究者に共通する論文執筆の基本を、IMRAD構成(Introduction, Methods, Results, and Discussion)を中心に、採択率向上のためのポイントや査読対応まで、わかりやすくまとめたものです。特定の学会に偏らず、幅広い分野で通用する内容としています。
1. 論文の内容に求められること
1-1. 必ず押さえておくべき論文構成(IMRAD)

各セクションのポイント
表題(Title) 研究の主題が一目で分かる簡潔なタイトルにする。
要旨(Abstract) 研究の目的・方法・主な結果・結論を簡潔にまとめる。
※投稿先によっては構造化要旨(背景・目的・方法・結果・結論)を求められる場合もある。キーワード(Keywords) 研究内容を端的に表す語句を3~5個程度。MeSH(Medical Subject Headings)など標準化語彙を参考に。
はじめに(Introduction) 研究の背景、先行研究との関係、目的を明確に述べる。「なぜこの研究が必要か」を読者・査読者に納得させる。
対象と方法(Materials and Methods) 研究対象、データ収集方法、解析手法などを具体的かつ再現可能なレベルで記述。他者が同じ研究を再現できるようにする。
結果(Results) 事実のみを客観的に記述。図表を活用し、文章は簡潔に。統計値や有意差など、必要な数値を明記。
考察(Discussion) 結果の解釈、先行研究との比較、意義、限界、今後の課題を論理的に述べる。「本研究は~を示した」「~という可能性がある」など、主張と根拠を明確に。
結論(Conclusion) 研究の要点を簡潔にまとめる。※Discussion内に含める場合もある。
引用文献(References) 先行研究や使用した手法の出典を正確に記載。文献管理ソフト(EndNote, Mendeley等)の活用推奨。
図表(Figures & Tables)
結果や方法を視覚的に示す。
図表には必ず説明文(キャプション)を付ける。
1-2. わかりやすく書くためのコツ
論理の流れを明確に各セクションの目的を意識し、段落ごとに一つの主張を述べる。
専門用語は定義する分野外の読者にも伝わるよう、初出時に説明を加える。
図表を効果的に使う複雑なデータや手順は図表で示し、本文では要点を述べる。
簡潔な文章冗長な表現を避け、主語・述語を明確に。
日本語論文の場合の注意
句読点や表記を統一する。
「である調」で書く。
体言止めを避ける。
主語を明確にする。
「本研究」という表現を使う(「今回」よりも適切)。
「可能性を示唆」など曖昧な表現は避ける。
2. 採択のために
2-1. 論文投稿時に気をつけること
投稿規定の厳守フォーマット(フォント、文字数、図表形式、引用方法など)を必ず確認し、従う。
要旨・タイトル・キーワードの精度検索性や査読者の第一印象に直結するため、特に丁寧に作成する。
図表・引用文献の整合性図表番号や引用番号のミスは減点対象。文献管理ソフトの活用でミスを防ぐ。
倫理的配慮
倫理審査やインフォームドコンセントの記載が必要な場合は必ず明記。
2-2. 査読に対する対応
査読は、先輩研究者(多くの場合3人も)のボランティアで行われています。論文は研究内容が一番なのですが、査読者に手間をかけさせていることを心に刻み、雑な対応をしないようにしましょう。
査読に対する丁寧な対応は、単に論文を採択してもらうためだけでなく、研究者自身の成長や研究の質の向上にも大きな意味があります。
査読者からの指摘や助言は、第三者の視点から研究の妥当性や新規性、論理性を客観的に評価してもらえる貴重な機会です。
これに真摯に応えることで、論文の完成度が高まり、より多くの読者に正確かつ説得力のある形で研究成果を伝えることができます。
また、丁寧な対応は研究者としての誠実さや信頼性を示し、今後の学術的なネットワークやキャリア形成にも良い影響を与えます。
したがって、査読への対応は、研究者自身と論文の価値を高める重要なプロセスであり、誠実かつ丁寧に取り組むことが不可欠です。
査読コメントへの返信例
- 査読者の指摘ごとに「ご指摘ありがとうございます」と感謝を述べる
- 修正内容を具体的に説明する
- 修正できない場合は理由を丁寧に説明する
- 返信書は論文本文と同じくらい丁寧に作成する修正原稿の作成
修正箇所を明示(色付けや下線など、投稿規定に従う)
返信書と修正原稿の整合性を保つ
査読者の憂鬱(こんな思いをさせないようにしましょう)(想像です)
「せっかく時間をかけてコメントしたのに、ちゃんと読んでもらえてない気がするなあ。これじゃあ、論文の質も上がらないよ。」
「指摘したポイントが全然直ってないし、説明も曖昧だな。もう少し真剣に対応してほしいなあ。」
「この対応だと、著者が本当に研究を良くしたいと思っているのか疑問に感じる。次も同じような対応なら、採択は難しいかも。」
3. その他:論文投稿のフロー

4. 体裁・フォーマットの注意点
フォント英文:Times New Roman, Arial, Helvetica など和文:ゴシック体、明朝体(投稿規定に従う)
数字・単位SI単位系を使用。例:m(メートル), kg(キログラム), s(秒)
図表ファイル形式PDF, TIFF, JPEG など(投稿規定を確認)
引用文献
Web上の文献も正確に記載。
文献管理ソフト(EndNote, Mendeley等)推奨。
5. まとめ
IMRAD構成を基本とし、論理的かつ簡潔に記述する
投稿規定を厳守し、体裁ミスを防ぐ
査読コメントには丁寧かつ具体的に対応する
図表やキーワード、要旨は特に丁寧に作成する
文献管理や倫理的配慮も忘れずに
参考:IMRAD構成の概要

参考文献
Sollaci LB, Pereira MG. The introduction, methods, results, and discussion (IMRAD) structure: a fifty-year survey. J Med Libr Assoc. 2004; 92(3): 364-7.
Medical Subject Headings (MeSH). U.S. National Library of Medicine. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/mesh
その他、各学会の投稿規定・ガイドライン
