男の醜い嫉妬
SNSやYoutubeを開けば、髭が生えた童顔の某メンズコーチと、自称・筋肉思想家のインフルエンサーなどの綺麗に割れた腹筋と、耳障りの良い薄っぺらい綺麗事がツイートや動画で流れてくる。
「脂質を抑えて、白米と鶏肉とブロッコリーを食べよう」
「ストレスを溜めないことがボディメイクの鍵」
「筋トレと勉強をたくさんして男としての価値を上げよう」
なにがメンズコーチだ。なにが筋肉思想家だ。誰でも思いつくし、どこの自己啓発本にも書いてそうな薄っぺらいテンプレを並べて、説得力の奴隷である無知な大衆から小銭と承認を巻き上げているだけじゃないか。
でも、世の中の大半を占める「説得力の奴隷」たちは、そんなありふれた一般論に盲目的に群がっていく。なぜなら、彼らには「筋肉」と「インフルエンサーという肩書き」といった、わかりやすくて強烈な『虚栄の説得力』があるからだ。
俺は知っている。彼らの言う「高糖質・低脂質」や「野菜をたくさん食べる」スタイルの食事が、長期的な健康や生化学の仕組みをガン無視した、ただ見映えを良くするだけの「表面上のハリボテ」だということを。糖化、酸化、植物毒や不飽和脂肪酸などのリスクも知らず、大衆に向けた浅い一般論をドヤ顔で語るその姿に、俺は強烈な嫌悪感と吐き気を覚える。
でも大衆は、言葉の本質やその裏にある生化学的なリスク(植物毒や糖質過多による細胞の酸化)なんて知らない。
というかどうでもいいのだろう。
ただ「見た目がかっこよくて影響力のある人間が、それっぽいパッケージで発信している」というだけで完全に思考停止し、彼らのファンになって小銭と承認を落としていく。
でも、俺の腹の底に渦巻いているこのドロドロとした黒い感情の正体は、彼らへの単なる怒りや、無知な大衆への軽蔑だけじゃない。
それは、間違いなく「嫉妬」だ。
たしかに俺はまだ、弱い。
誰が見ても惚れ惚れするようなたくましい筋肉も、たくさん稼げるような高いスキルも、人生を涼しい顔でコントロールできる資金力も、思考停止した人間を納得させるような権威ある看板も、まだ何一つ手に入れていない。
自分の夢を叶えるために、安定したホテルのバーテンから転職して、毎日、底辺の派遣で削られながら日銭を稼ぎ、いつか自分の腕一つで成り上がるために、血反吐を吐きながらITインフラとセキュリティの勉強をしている。世間の常識に抗い、自分の体を実験台にして、カーニボアを信じてクリーンな食事を追求している。
だからこそ、悔しくてたまらないんだ。 俺が喉から手が出るほど欲しい「圧倒的な強さ」と「金」と「影響力」を、あいつらが浅いゲームで先に手に入れて、大衆からチヤホヤされているこの現実が、狂おしいほど不条理に感じる。
「俺の方が本質を見抜いているのに」 「俺の方が泥臭く戦っているのに」
そんな惨めなルサンチマンが、夜になるたびに俺の首を絞める。
嫉妬。ああ、そうだ。これは紛れもなく、持たざる男の醜い嫉妬だ。
でも、俺はあいつらの養分という名の信者には絶対にならないし、あんな薄っぺらい生き方で満足するつもりもない。
このドス黒いルサンチマンは、俺が底辺から這い上がるための最高の燃料だ。大衆向けの浅い最適化なんてクソ食らえ。
俺は、誰も到達できない深さまで自分の頭脳と肉体を鍛え上げて、誰にも文句を言わせない「本物の実力」を必ず手に入れる。
笑いたきゃ笑え。俺は俺のやり方で、最後に全部ひっくり返してやる。
