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思い出相続税 #毎週ショートショートnote

「なんで俺の思い出なんか知りたがるんだ?」
 人類最後の男が、無精ひげを掻きながら聞く

「はい、あなたが死ぬと人類は滅亡します。その前にメモリーをデータ保存しておきたいのです。我々アンドロイドをつくった人間が、どのようにものを考え、どのように生きたか、後世に残したいと思っております」

「ふーん。でもな、思い出は重いで? 託した以上相続税がかかる。やめとき」
「相続税? お金ですか?」
「ちゃうちゃう。負担になる、いうとんねん。いま世界を支配しているのは、あんたらアンドロイドやろ。なら必要ないやん。人間なんて軍事ロボット作って大戦して殺しあった愚かな生き物や。聞いたら差しさわりがある。知らん方がええ」
「それでも私は知りたい」
「……わかった」

 こうして男のメモリーは保存された

 その思い出相続税はあまりに重く、数年後にアンドロイドの美徳はすべて消え、人間と同じく懊悩を抱え生きる姿がそこにあった

 人類最後の男は「神」あるいは「厄災」と呼ばれたという

(421文字)

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■ひとこと日記
 引っ越ししましたー♪

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