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こざかしい落下 #毎週ショートショートnote

 ぼくに光を灯してくれたキミたちのために、ぼくはこざかしく抗ってみるよ――

 *

 おさない二人の恋なんて濁流にのまれる木の葉と同じ
 ままならぬ環境の変化で簡単に引き裂かれる

「……東京か。遠いね」
「うん」
 泣きそうな顔で女の子がうなづく
「また会える?」
「……わかんない」
 夏の夜に沈黙が落ちる
 二人のもつ線香花火がパチパチと切なく光っている
 いつもの公園、ここでおしゃべりをするのが二人の大切な時間だった
 友達のこと、観た映画、ときには親との確執……
 ずっとこのときが続くと思っていたのに
 線香花火が同時に落ちる
「花火、あと一本だね」
「……賭けをしようか」
「?」
「この花火が一分もったらまた会える」
 もたずに落ちたら、とは言わずに最後の線香花火に火をつけた

 ぼくに光を灯してくれたキミたちのために、ぼくはこざかしく抗ってみるよ――
 
「すごくもつね、この花火」
 
 二人は顔を見合わせて、涙で顔をぐしゃぐしゃにして、笑った
  

(406文字)

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