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夜行性の黒板消し #毎週ショートショートnote

「先生、用事って何ですか?」
 声が震えているのが自分でもわかる

 二年一組の私が、五組の担任【マジョ】にとつぜん呼び出された。内容は検討もつかない

 五組が『あんなこと』になったのに平然と学校に来つづけるマジョ。頭がおかしい。正直にげたい。

 二週間前、五組の生徒が全員消えうせた
 文字通りクラス全員がこつぜんと

 そしてその翌朝から黒板にぎっしりメッセージがのこるようになった
 たすけて
 たすけて
 た す け て

「そう怖がることはないわ」
 マジョがにっこり笑う
「あなた夜型よね? よく遅刻するって聞いたわ。あと黒板消しが得意だって。ちがう?」
「あれを消せ、という話ですか?」
「まぁそうね」
 楽しそうにマジョがいう
「実はね、うちのクラスの子、消えたんじゃないの。ちゃんといるのよ。……あの日あんまり腹が立ってね、思わず言っちゃったんだ。みんなチョークになっちゃえ♪ って」
「は?」
「で、あなたにお願いがあるの。毎日きれいに消したら元に戻してあげるから」
「?」

「黒板消しになっちゃえ♪」

 こうして私は夜行性の黒板消しになった

(468文字)


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