光のそばで迎えた、穏やかな日々の間奏【間奏編】
今は、ただゆるりと優しい時間が流れている。
気が緩むと、うたた寝してしまうような
緩やかな時の流れ。。。
窓辺からこぼれる午後の光は、まるで薄い金色の布のように部屋の空気に溶けて、ゆっくりと揺れている。
その光の中で、猫たちが三匹、好きな場所に散らばって丸くなっている。
ひとりは私の膝に身体をあずけ目を細め、ひとりは床に落ちた光の粒を追うように尻尾だけをふりふり動かし、もうひとりは窓際で背伸びをしてから大きなあくびをした。
その口の開け方があまりにも無防備で、まるで「ここには危険なんてないよ」と言い切ってくれているみたいで、思わず胸があたたかくなる。
光は猫たちの毛の一本一本まで照らして、白い部分は柔らかく滲み、黒い部分は静かに影を落とす。そんな当たり前の光景に、私は時々、理由もなく泣きそうになることがある。
過去の私がどれだけ欲しくても手にできなかった“普通の穏やかさ”が、今、こうして目の前で丸く呼吸しているからだ。
過去の痛みも、苦しさも、甘酸っぱい季節も、ぜんぶまとめて私の上に積み重なってきた。
何度も立ち止まり、何度も折れそうになった。未来なんてないと決めつけて、闇に沈んでいくような日もあった。あの日々の重さは、今思い出しても呼吸がふっと浅くなるほどだ。
でも、今は違う。。。
光は静かに私の肩をなでるように触れ、猫たちはいつのまにか隣にきて、まるで「ほら、ここにいるよ」と寄り添ってくる。
私は苦めのコーヒーをひと口飲む。その苦さが、ここにたどり着くまでの長い道のりをそっと思い出させる。
でも、昔みたいに胸を締めつける苦みじゃない。どこか丸くて、やさしい苦さだ。
木漏れ日のような光がカーテンの隙間から揺れ落ちてきて、その模様が床の上に静かに広がっていく。猫たちがその模様の中で丸くなって、沈んでいた私の心までゆっくりほぐしていく。
気づけば私は、あの頃の自分にそっと語りかけている。
――大丈夫だよ。長い夜を越えたあとには、こんな穏やかな時間が待っていたよ、と。
だからこそ今、私は過去を拾いあつめて、書いているのかもしれない。
あの闇にいた自分に、そして同じように迷う誰かに、この穏やかな現在が届くように。。。
夜明け前の静けさの中で、深く息を吸い込む。
昨日の悲しみも、重かった痛みも、少しずつ遠くに感じられる。
小さな窓の外では、風が木々を揺らし、柔らかい空気が肌にまとう。
洗ったばかりのシーツの肌触りや、香ばしいパンの匂いに、心がそっとほぐれる瞬間。
どんなに辛い日々も、こうした穏やかな朝を迎えることができる未来が必ずある。
絶望感に嘆き悲しむ時があっても、きっと振り返る時がきたら、なにか大切なものを、心の奥に置いて行ってくれてるかもしれない。
今、苦しんでいる誰かの胸に、そっと希望が届きますように。。。
猫の寝息と、光のゆらぎと、コーヒーの香りに包まれながら。。。
少しだけ肩の力を抜いて。
今日もまた、私は人生のページをひらいていく。

✴︎✴︎✴︎今日も読んでいただき
ありがとうございました✴︎✴︎✴︎
