京都の山の中で、「今に感謝する」ということを改めて考えた
駅から少し歩いた。
地図を見ながら、住宅街を抜けて、山の方へ向かった。
いわゆる田舎だ。
「本当にこの先にお寺があるのか」と思いながら歩いていると、急に階段が現れた。
それが鈴虫寺だった。
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並んでいる人たちを見渡すと、ほとんどが女性だった。
男は少数派だ。
少し場違いな気もしたけど、そのまま列に並んだ。
階段を登ると、音が変わった。
「鈴虫の鳴き声だ。」
客殿の中には、常時数千匹の鈴虫がいるらしい。
徹底した温度と湿度管理で、季節を勘違いさせて、1年中鳴き続けさせているという。
自然の摂理すら仕組みで変えてしまう。
それだけで、このお寺ただ者じゃないと思った。
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お坊さんの話が、刺さった
お茶と黒糖菓子をいただきながら、約30分の説法を聞いた。
難しい仏教の話ではなかった。
時事ネタも交えながら、笑いもあって、でも最後には「今をどう生きるか」という本質に落ちてくる。
その中で一番残ったのは、
「今に感謝すること」
という話だった。
過去を引きずらない。
未来を不安がらない。
今ここにあるものを、ちゃんと見る。
頭ではわかっていた。
でも改めて言葉にされると、刺さり方が違った。
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わらじを履いたお地蔵様に、願い事を一つだけ伝えた。
内容は秘密だ。
ただ、「一つだけ」というルールが面白かった。
何でもいいと言われると、人は欲張る。
一つに絞れと言われて初めて、「自分が今本当に求めているものは何か」を真剣に考える。
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帰り道、また階段を降りながら思った。
便利な都市の中で生きていると、こういう場所に来る機会がない。
でもたまにこうして立ち止まって、「今に感謝する」ということを思い出す時間が必要なんだと思う。
鈴虫の音が、まだ耳に残っている。
