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まさか取材用ヘリに乗れるなんて…「他の企業にはない体験ができる」新聞社エンジニアの面白みとは

「基地局のサトウさん、基地局のサトウさん、聞こえますか。こちらJA01MK、JA01MKのイチモトです。そちら、状況はどうですか? どうぞ」

2025年9月4日、私は横浜上空を飛行する毎日新聞社のヘリコプターの機上にいた。基地局などとの間で無線通信ができるかどうかを確認するためだ。この日まで、まさか自分が新聞社の取材用ヘリに乗ることになるとは、思ってもみなかった――。

こんにちは。2025年4月に総合ITエンジニアとして毎日新聞社に新卒入社した櫟本悠太郎です。現在、「技術センター」というところで勤務しています。

冒頭でご紹介したヘリの無線通信テストは、あまたある技術センターの仕事のうちのほんの一例に過ぎません。今回のnoteでは、1年目エンジニアの私が普段どんな日々を送っているか、ご紹介したいと思います。


シフト勤務で「遅番」の前に映画鑑賞も

私が社会人になるにあたって一番気になっていたのは、「趣味に割く時間がどれだけ減るか」でした。果たして、学生時代より、その時間は増えました。それというのも、技術センターの勤務体制のおかげです。

技術センターは早番、遅番、夜勤といったシフトを組み、常に誰かが「監視室」にいて、新聞制作システムをはじめとする各システムの障害や問い合わせに対応できるようにしています。

ここで、シフトをご紹介します。

【早番】10:00~18:15
※実働7時間15分、休憩1時間

【遅番】①12:30~20:45/②14:00~22:15
※実働7時間15分、休憩1時間

【夜勤】18:00~翌13:00
※実働12時間、仮眠5時間、休憩2時間

夜勤では、深夜に各システムの立ち下げ、早朝に立ち上げの作業をします。障害が発生しない限りはその時間まで待機となるので、他に業務がないときは「自習」がはかどります。ちなみに自習というのは、資格試験の勉強やプログラミング学習のことです。

夜勤中の様子

夜勤や遅番の時は、惰眠をむさぼってから勤務に入ります。また、勤務開始が遅いので、特に平日であれば、日中の混雑していない時間帯に外出することができるのでラッキーです。

技術センターでは、毎月、その月の土日の数(公休分)+1、2日(有給分)の休みを取ります。シフト制なので、平日に休みがつくこともあります。前の月に勤務希望を提出することができ、平日休みを希望しても理由を求められることは一切ありません。

私の趣味は映画鑑賞なのですが、この勤務体制のおかげで、仕事の前後や休日を使って、映画館で月に30本以上の映画を観ることができています。

「新聞社で働いている」という実感

入社前の私は、化学を専攻する理系学生ではあったものの、ITについては全く知識がありませんでした。就職は自分の趣味との関連から「メディア系」にしようと決め、毎日新聞社以外には出版やエンタメ、テレビなどの業界をチェックしていました。

新聞社では「理系であることが有利になるかもしれない」という理由から、エンジニア職を志望。2023年夏の毎日新聞社のインターンシップに参加して、「総合ITエンジニア」という職種を知りました。

インターンシップで東京本社に来てみると、フロア全体がぶちぬきになっていて、技術センターのすぐ隣に、新聞の紙面を作っている「編集エリア」がありました。記者やカメラマン、デスク、新聞紙面制作の担当者たちが集結しているエリアです。

新聞社への興味がまずあった私は、技術センターと編集エリアとの距離の近さに惹かれました。実際に入社したいま、業務面でも自分は新聞社で働いているのだと日々実感しています。 

業務に必要な「Perl」を猛勉強中

技術センターでは、次の4つのグループのいずれかに所属することになります。

①    新聞制作関係
②    コンテンツ管理・ネットワーク関係
③    インフラ関係
④    業務関係

おおざっぱに言うと、①と②は新聞社特有のシステムの面倒を見ていて、③と④は一般的な企業で必要とされる仕事を担当している、という感じです。

私は②のコンテンツ管理・ネットワーク関係のグループに所属しています。担当範囲は記事や写真などの「素材」を管理するシステムと、ネットワークインフラです。

素材管理システムの仕事の一例として、最近になって始まった「ニュースで学ぶ英語 WSJ×毎日」というサービスのシステム上の設定を担当しました。こういった作業でプログラムの改修が必要になることもあり、最近の夜勤ではPerlというプログラミング言語の勉強をしています。

後者に関しては、現在Wi-Fiの更新が進行中で、スイッチのログを取得し、ラックの前に立って配線とにらめっこしています。入社前はITと無縁でも、入社してから必要な知識を身につければ問題ありません。

ちなみに、①の新聞制作関係というのは、新聞に記事や写真をレイアウトするためのシステムや、印刷会社に納品するためのデータを出力するためのシステムを運用する仕事。③のインフラ関係は、本社・支局の移転に伴うシステム回りの整備や社有パソコン・スマートフォンの利用のサポートをする仕事。④の業務関係は、経理や人事など各部署で使われるシステムを整える仕事です。

取材の最前線に迫れる“役得”も

また、上記の4つと関係なく入るグループもあります。

新人は基本的に「イベント対応グループ」に入ることになります。そこでの業務として、昨年夏には、東京ドームで開催される毎日新聞社主催の第96回都市対抗野球の記者席の設営・撤収などを担当しました。

大会最終日、撤収の前に決勝戦を観戦しました。記者用のパスを首からぶらさげているので、センターで中継映像の撮影の様子を見学したり、一塁と三塁側の報道写真エリアで試合を間近に眺めつつ、写真部の仕事ぶりを見たりすることもできました。

昨年冬には大阪に出張し、同じく毎日新聞社主催の第105回全国高校ラグビーの前日設営に参加しました。記事や写真を現地から送ることができるようにネットワークを構築しました。

ヘリコプターで江ノ島上空へ

こうした作業以外で最も印象に残っているのが、ヘリコプターからの無線のテストです。

無線通信テストのため搭乗した取材用ヘリコプター

無線基地局で設備の更新があったため、この日は基地局、本社、ヘリコプター間で無線通信ができるかを確認することになりました。

事前の本社内リハーサルで、冒頭でもご紹介した「基地局のサトウさん、基地局のサトウさん、聞こえますか……」といった無線の定型文を練習してから本番に臨みました。

これまで、大好きな映画のワンシーンで耳にしていたセリフを、まさか自分が発することになるとは思ってもいませんでした。

当日は、「もし大事件があったら、写真部がヘリを使うことになるから中止になるかもしれない」と言われていましたが、無事何事もなく、また、その日は雲一つない晴天でした。

羽田空港行きのモノレールはこれから空港に向かうであろう人々を乗せていて、その時間に羽田格納庫駅で降りたのは自分一人でした。

毎日新聞の格納庫には、ヘリコプター2台とジェット機1台が納められています。私は「JA01MK」という機体記号のヘリコプターに搭乗することになりました。

予定では、横浜上空で通信テストをして戻ってくる10分程度の行程でした。格納庫を出発したヘリコプターは、みるみるうちに約600メートルの高さに達し、眼下に大きな観覧車をとらえ、あっというまに横浜に到着したことが分かりました。

テストを開始してみると、地上の無線機の調子が悪く、その対応待ちで、急きょ江ノ島上空まで行くことに。江ノ島側から三浦半島の向こう側を眺めると、美しい海岸線と、波間にサーファーの姿も見えました。

取材用ヘリコプターからの眺め

無事に無線のテストが終わった後、スティープターン(急旋回)を体験させてもらいました。機体を45度以上傾けて旋回するため、江ノ島の海を、「眼下に」ではなく、「眼前に」望みながら羽田に戻りました。着陸前も地上から数十センチの高さを維持しながら格納庫前まで移動するので、飛行機とはまったく異なる空の旅を楽しむことができました。 

新聞社のあらゆるアセットに関わる

150年を超える歴史を持つ毎日新聞社には、新聞はもちろん、スポーツや美術などの主催イベント、今回ご紹介した取材用ヘリコプターなど、多くのアセットがあります。

技術センターで働いていると、こうしたあらゆるアセットに接する機会があります。

他の会社のエンジニアではできないであろう経験ができるのが、毎日新聞社の技術センターの魅力です。仕事はもちろん、最初に触れたようにプライベートも充実しており、楽しいことずくめの「社会人1年目」を過ごしています。

文 毎日新聞社 総合ITエンジニア・櫟本悠太郎

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