探そうと思えば、どこにだって宇宙はある|旅日記8/7|ソフィア
今朝、尊敬してやまない義理の母から、LINEでメッセージが届いていた。
まいちゃんも かずの守りもあり
元気で無事に旅を楽しんでて本当に良かった!
沢山見聞拡げ 食文化堪能して ふっくらネ
母 生かされ活きていかねばと
無理しないで 少しずつ前に
本当に2人でよく頑張ったね ありがとネ
かず まいちゃん
これを読みながら去年の夏を思い出し、ありがたさとよくわからない感情で、涙でぐしゃぐしゃになってコーヒーを啜り、一日を始めた。





ネオビザンティン様式のブルガリア正教会の大聖堂。なかなか古めかしく、ドームに描かれた壁画にひび割れがぎっしり。それを見て、器の貫入をのぞきこんでいる気分になった。
茶道をやっていたとき、お茶を飲んだ後にお茶碗を眺める時間が好きだった。あれと同じ景色だ。探そうと思えば、どこにだって宇宙はある。
ひと歩き終え宿に帰ったら、ダリとキャシーが呆れた顔で私を待っていた。インスタグラムにメッセージをくれていたのをフル無視してしまっていたのだ。私は致命的に言葉足らずで、絶望的に報連相ができない。

レシピメモ
きゅうり、とまと、茹でたポテト、ゆで卵、ヨーグルト、塩胡椒、レモン
健康志向の彼らしく、オイルを全く使わないサラダ。おいしかった。カブリを作るという昨日の話がどこにいったのかわからないが、お手伝いできず申し訳なかった。でもありがたく(図々しく)完食。

ダリは一緒におすしを食べようよと誘ってくれていたのだが、さすがにキャシーのサラダで満腹になってしまい、お腹が追いつかず。お断りしたらしょんぼりしていた。こういうの、胸が痛む。
キャシーが夜のお散歩に誘ってくれたので、7時頃に外で落ち会う約束をしてしばらく宿でだらだら。
そこへ同室の台湾人の女の子が戻ってきた。彼女は今日、リラ修道院のツアーを満喫してきた様子。同じくツアーに参加していた日本人の男の子も帰ってきた。
試しに夜のお散歩にお誘いしたらご一緒してくれることに。キャシーと合流する前に3人で夜ごはん。


この2人、ドラクエでいうなら僧侶、完全なるヒーラーである。ヨーロピアンからはあまり感じ取れない癒しオーラが漂っている。私がアジア人だから親近感を感じるだけだろうか。
ふりかえってみても、アジア人にはヒーラータイプが多いような気がする。おそらく私も含めて。基本的に物腰が柔らかい。これは偶然なんだろうか。
そしてこう感じるのはレイシズムなんだろうか。私はこの、抗いきれない人種的な傾向が、おもしろくて美しいと思うのだけど。もちろん、例外は山ほどあるというのを大前提として。
途中からキャシーと合流して4人でごはん。そしてみんなで夜のソフィアをお散歩。



台湾人の女の子は、私と同い年。ふと話の流れで、私たちの年齢についてどう思う? と聞かれた。27歳。もう大人だけど、まだ何かができる。
日本人は結婚が早いよね、台湾はもっと晩婚化と少子化が進んでる、私もMBAをとろうか悩んでいる、と。
私は無責任だとは思いつつ、迷いなく彼女の背中を押した。何かをはじめるのに年齢は関係ないし、あいにく足踏みしているほど人生は長くない。
その流れでなぜ旅をしているのか聞かれ、初めて人に夫のことをきちんと話した。今まで、必要に迫られて開示することはあっても、自分から切り出すことはなかったのに。
前向きに話せたのは彼女の優しさのおかげだ。こんなにありがたいことはなかった。コマがひとつ、進んだような気がした。


夜は空港に向かう日本人の男の子をお見送り。お土産をお裾分けしてくれた。薔薇の香りがするオイル。最近暑くて自分の汗の匂いに辟易していたので、あちゃー私臭かったかなあと恐縮しつつ、ありがたくいただいた。
彼が出発するまで共用スペースでみんなで駄弁っていたら、ダリが私にスマホを預けてくれた。それで好きな音楽を流しなさいなということらしい。
まいDJの本日のジャパニーズミュージック
都会 大貫妙子
悲しみのラッキースター 細野晴臣
テネシー・ワルツ 江利チエミ
こんな風に過ぎて行くのなら 浅川マキ
上を向いて歩こう 坂本九
上を向いて歩こうは日本人の男の子のリクエスト。この曲を流した瞬間、普段は物静かな彼が、「こんなところでこの曲が聴けるなんて」と感激して動画を撮りはじめた。
その横顔から、彼がこの曲にどれだけ思い入れがあるのか、そしてこの曲に思い入れがあるということが何を意味するのかが、手にとるようにわかった。
彼の様子を眺めながら、澄んでいるな、と思った。ここにも宇宙があった。
🍽️飲食費
コーヒー €3.6
夜ごはん €12
スーパー €3.48
