見出し画像

「作業をただ自動化する」は続かない——マネジメント脳で考えるAIとの仕組みづくり【前編】

「せっかく自動化したはずなのに、また手作業に戻ってる・・・」

そんなこと、ありませんか?

いくつかの手作業を繋げて自動化する
最初はそれで十分楽になる。

でも、対応内容の頻度が変わり、パターンが変わり——気づけば、自動化した個所にまた同じ手作業で補完することが増えていく。
足しては減り、減っては足す。

・・・あれ?!
これ、自動化する前と何も変わってない( ̄◇ ̄;)


「気が付いたら元に戻る」自動化にありがちな罠


自動化は、たいてい「今の作業をそのままつなげて楽にする」ところから始まる。

手順Aの後に手順Bをつなぐ。
手順Bの後に手順Cをつなぐ。

一見、賢いやり方に見える。
実際、最初のうちはちゃんと楽になる。

でも、状況がひとつ変わっただけで、静かに崩れる。

担当が変わる。
頻度が変わる。前提が変わる。
そのたびに、つないだ手順のどこかが合わなくなって、結局は人の手で補完する状況が戻ってくる。

厄介なのは、自動化じゃなくなっている瞬間に気づけないことだ。
しばらく経ってから、「あれ、いつの間にか自分でやってるな」と気づく。
そのときにはもう、当初の「楽になったはず」の実感は跡形もない。

いままで自力でやっていたから、
困ったら手で何とかすればいいや
という思想になりがちで、
しかもあまりそこに違和感なくやってしまう。


「今の作業をそのままつなぐ」自動化の限界

ここにいる皆さんに分かりやすく
そう、例えば何かをテーマに記事を書くとしよう。

書きたいテーマをリストにして、気づいたときに手で足す。
それだけのシンプルな運用を自動化したとする。

でも、これは【手で足す】が前提の自動化なので、
このリストが枯渇すると止まる。

考えてみたら、まあ当たり前のことだ。
機械はリストがないものは投稿できないので、
当たり前のように投稿の自動化はリスト尽きたところで止まる。

で、あーなんだこれ、ああまたリスト足さなきゃなのかぁ、ってなる。

…これって、自動化??

人に仕事を任せるときと、まったく同じ構造

マネジメントをやっている人はわかってくれるかもしれない、
これは、人に仕事を任せるときとまったく同じ構造をしているのだ。

属人化した手順をそのまま渡すと、前提じゃないことが起きた瞬間に崩れる。
真面目な人は手で何とかしようとしたり継ぎ接ぎして、結局は元通りの属人運用。

この部分をここに貼るだけでいいからやっといて、とかそういうのもね。
これはもう、何か起きるたびに「どうしたらいいですか」の温床。
そして良かれで何とかしてくれてた場合なんて、それに気づかなければ、その人が抜けたらその仕組みは再び止まってしまう時限爆弾みたいなものだ。

人も機械も本当に機能する任せ方は、
手順そのものではなく「役割」と「形」を渡すことだ。

何を受け取り、何を返すか。
そこさえ決めておけば、状況が変わっても、そのつど作り直さずに済む。

なんか図にすると微妙だけど…


人に任せるときもAIに仕組みを渡すときも、同じことが起きている


AIへの自動化も、この構造からまったく逃れられない。

「今のプロンプトをそのままつなげて、手間を減らそう」
という発想で作った仕組みは、状況がひとつ変わっただけであっという間に機能しなくなる。

これは、AIの性能の問題ではない。
依頼する側の渡し方の問題だ。

属人化した手順は、AIだって止まる

人に渡す手順書と同じで、「今の状況にぴったり合わせた指示」だけを渡すと、状況が変わった途端にAIも迷い始める。

「このリストの通りに記事を登録して」

そう頼んで、そのときは良い出力が返ってきた。
しばらくはいい感じ。
でも、リストがないとエラーになる。
あるいは、リストをくださいな、という。

当然だ。
渡していたのは「やることリスト」であるのだから。ないならやることがない。


では試しに、頼み方を変えてみたら・・・?

「毎回、この基準(目的・読者・伝えたい要諦)に沿って書いてほしい。」

「それを作るための流れ」という基準を与えてみる。
任せる相手が人であってもAIであっても、渡すべきは「その場限りの手順」ではなく、「目的」と「受け渡しの形」なのだ。


人の関与はあくまで+αの設計

もうひとつ、大事な視点を足そう。

「人が手を入れることを前提にした仕組み」は、結局のところ大切なところで人の手が必要になる=その人が動けなければ止まる仕組み、だ。
それは、自動化ではなくただの「半自動」でしかない。

「気づいたら足す」という運用に、ヒトの手が入ることを最初から織り込んでいた。

本当の仕組みは、人の手が入らなくても回るべきだ。
人の関与は、あくまで「さらに良くするためのボーナス」「緊急時のイレギュラー特別対応」として、仕組みの外側に置いておこう。

これも、育成の考え方とまったく同じだ。
「その人がいないと回らない」チームは、実は仕組みになっていない。
休んでも、異動しても、ちゃんと回る状態こそが、本当の意味での「任せられている」状態なのだから。

さて、ここまで読んで改めて考えてみてください。
貴方の自動化は、どういう設計になっているでしょうか・・・?


まとめ——「なぜしんどくなるのか」がわかれば、次の一手が見えてくる


「作業を楽にする自動化」がすぐ回らなくなる理由は、シンプルな構造だ。

  • 今の作業をそのままつなぐ:状況が変わった瞬間に、前提ごと崩れる

  • 属人化した手順は渡す:人にもAIにも、渡すべきは手順ではなく目的と受け渡しの形

  • 人の関与は前提にしない:人ありきではその人がいないと止まってしまう

  • マネジメントの経験は、そのままAI時代の武器になる:仕組みで回す発想は、これからお金を払ってでも求められるスキルになっていく


ここまでが、「なぜ自動化しきれないか」の話だ。

では、実際にINPUTとOUTPUTをどう汎用化すれば、状況が変わっても壊れない自動化になるのか——。

その具体的な設計の話は、次回、後編でお伝えしようと思う。

貴方も一度「この自動化、ただの手順の自動化だけになってないだろうか?」と、問い直してみてほしい。


チームへのAI導入・メンバ育成でお悩みの方は、リーダーシップ支援として個別対応しています。
詳細・ご相談はこちらから

個人でのAI活用・仕事術は @mai_no714 もぜひご覧ください。



#人を育てるようにAIを育てる #AI育成 #マネジメント #組織変革 #AI活用

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集