紀州犬 リキ の思い出 第4話
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《人犬 リキ》
夕方、暗くなりかけた頃
お母さん!
リキ帰ってるよ!
玄関から娘の声。
急いで出てみると、
リキが庭の向こうでこっちを見てる。
(良かったあ、
鎖 引っ掛けなかったんだ)
「リキ!おいで」
と言ってもじっと見ている。
急いで餌を持って来てリキの食器に入れて
「おいで、ご飯食べよう」
と言ったらやっとノロノロとやってきて、
ハラペコでガツガツ食べるのかと思ったら
いつものようにフンフンしてから、
「ドウデモイイケド・・」みたいな素振りで食べ始めた。
リキってそうなんだ。
いつも「食べろって言うから食べるけど」
みたいな感じにゆっくり食べる。
決してガツガツという感じには食べない。
前に飼っていた秋田犬もそんな感じだった。
ドッグフードが気に入らないんじゃなく、
何を上げてもそんな感じで食べていたっけ。
日本犬の特徴なんだろうか?
(日本犬を飼っておられる方
コメント欄で教えて頂けますか?)
鎖をリキのオウチの横の杭に繋ぎ、
食べ終わってから首から鎖を外して抱き上げ
お風呂場に入れた。
泥だらけでなんだかドブ臭い。
どこまで行って来たの?
心配しちゃったじゃん
なんて言いながら
洗い場で温水シャワーで洗う間、
嫌がらずにおとなしくじっとしている。
もともとお風呂は嫌いでは無かったけど、
この時は「なんだか随分おりこうだなあ」と思った。
察しの良い子だから、
「お母さんに悪い事をしたんだ」と
感じてでもいたのだろうか?
そうだ、察しが良いと言えば、
犬が、好きな人をペロペロしたがるのは当たり前なのだが、
私は舐め回されるのが嫌なので、
ある時
嬉しそうに私の顔を舐めてきたリキにちょっと顔を背け
「舐めちゃダメ」といったら一度で理解して、
それきり誰に対してもペロペロしなくなってしまった。
(@_@。
リキはすぐ人間の気持ちを察するのだ。
私は、好きな人の顔を舐めたいという
犬の本能の行動を禁止してしまった
悪い飼い主なのだろうか・・・(;´・ω・)
娘は、
「だってリキは犬じゃなくて人犬なんだから
それでいいんじゃない?」
と言う。
確かに、普通の犬じゃないような気はする。
飼い始めてから、
朝一番に玄関横の窓を開けて「リキ、おはよう」
と言うのを日課にしていたのだが、
2週間ほど経った頃だったろうか?
いつものように「リキ、おはよう」と言ったら、
リキは立ち上がってしっかり4本の脚を踏ん張って
おもむろに
オーワーオーーー
と言ったのだ。
(◎_◎;)
ちょうど玄関を出ようとしていた夫に
「ねえ、聞いた?」
と言ったら、
「何を?」
「リキが私に「オワオーー」って返事したじゃん!」
「ふーーん」 だって!
もう、つまんない人!
きっと明日も
オワオーーー
って返事してくれるに違いない。
翌朝
娘を呼んで、
「リキがきっとオハヨウって言うから聞いててね」と言って
窓を開けて、
「リキ、お早う」といってみた。
オーワーオーーー
「ほら!聞いたでしょ?」
「ほんとだ! お早うって言ってる ( ^ ^ ♪
リキ、おはよう!」
オワーオーーー
(少し上手になった)
娘は大喜び。
それからは毎朝娘が窓を開けて
リキと朝の挨拶を楽しむようになった。
私は、なんとかリキにいろんな言葉を教えようと、
朝の餌を持って行った時に
「あかあさんて言ってみて? おかあさん」と言ってみた。
するとしばらく間が有って、
ガアワン!
(*^_^*)
(頭ナデナデ)
次は何を教えようかなぁ ♪ ♪
その夕方
餌を持って行き、
「ちょうだいって言ってみて? ちょーだい」
オーワン
(アハ ^ ^♪ もうちょっとかな?)
「ちょー・だ・い」
・・・・・・・
そしたらナント!
リキはクルッと後ろを向いて
オウチに入ってしまったのだ。
ワ!怒っちゃったんだ ((+_+))
・・・・・おなか空いてるのに・・・
ごめーん、悪かった
「ゴメン!リキ
ゴハン食べて。ごめんね」(;´・ω・)
リキは私に背中を向けて丸くなってビクともしない。
「ちょうだい」なんて、
犬の口の構造考えたら無理に決まってるじゃないの!
私ってバカ!!
ごめんね・・・後で食べてね!
じっと動かないリキの背中をなでて家に入った。
しばらくして玄関ドアをそっと開けて様子を見た。
食べてない!!
胸がヒリヒリした。
リキの背中をそっと撫でてみても じっと動かない。
可哀そうな事をしちゃった。
あ~あ、私ってバカ!
それにしても、この子って
「フン!そんな無理を言うなら要らないよ!!」って
意地を張ってゴハンを拒否するんだ。
なんてプライドの高い犬 (@_@;)
これを聞いた娘が
「やっぱりリキって人犬なんだ」
だって。
仕方無く
「リキ、じゃあ全部捨てて別の上げるからちゃんと食べてね」
と言って庭の向こうの畑の隅に捨て、
新しいドッグフードを食器に入れた。
ナント、今度はいつものようにフンフンと匂いを嗅いでみて
ゆっくり食べ始めたのだった。
やっぱりリキは娘の言う通り
「人犬」なの?
つ・づ・く
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