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推しは弟#2 『祭りのあと』【緋文字】

※悪夢や怪我に関する記載が含まれます。
センシティブな内容が苦手な方はご注意ください。

すみません、暗いです。
昨日の激ハイ・テンションからの落ち込みには「そう鬱」のケを感じられるかもしれないが、事実はそうではありません。
実際疲れ気味であり早めの就寝を心掛けています。
ですが、ご心配には及びません。
これが私のスタイルです。


私は自身のトゲを抜く
針のむしろと
なってしまえば
いずれ剣山のよに
丸くなる?

そんなの待っては
いられない


母の車で家に帰る。

田舎の道を山なりに。
見慣れたクリーム色の家が見えてくる。
母とお出かけをしてきた帰り。

コウ君(弟)へのお土産を袋から開く。
待ちきれなくて…

そして気づく。

「弟は既に死んでいる。」


思い出して絶望に襲われる。

嘘だ、嘘だ、
でも…

そうだった。

死んだん、だった…。
でもやっぱり、嘘だよ。

これは夢だよね。

色んな後悔と彼への懺悔が。

何で死んだんだっけ?

…思い出せない。

けど、事実として「死んでいる」

それは「事実」。

いやだいやだいやだ
うそだうそだうそだ…


コウ君は、僕を守ってボロボロだ。

体がかなりグラフィックに傷ついている。

でも立っている。
普通にしている。

こんな状態で生きられるのか、人間って。

そう思いながら、救急車を呼ぼうとする。

早く早く

だが広告が始まる。

「あと30秒…」

なんかパズルゲームみたいな広告。

なんでこんなのが始まるの?!
早くしないと死んじゃうよ!

誰かの声。
「順番待ちだよ」

終わったと思ったらまた、広告。

前・呼んだときはこんなのなかった。

どうしたって呼べない。

助け、られない…

「早く!」


自分の叫びで起きる。

…夢…

心底ほっとする。

隣を見ると、弟が寝ていた。

「…うるさ…」
眉根を寄せる。

生きてた、生きてた、よかった、よかった…

そうだ、ピクサー展の日は泊まったんだ。
泊まる用意もちゃんと、してきてた。

興奮しすぎてその日のうちにレポート書こうと思ったけど。
彼がいたから書けなかった。
でも頭痛がやばかったし。

十時には寝た。
転がったら、とたんに眩暈。

ぐああーん…
だけど気持ちがいいんだよなァ…
グルグル回るの…

「さァ ・夢幻に参りましょう…」

コウ君が言ってた。
「くすりちゃんと飲んでるの?今日は飲んだの」
「鉄分も飲んだの?買ってきてやったのに」

お手洗いにいって氷嚢取ってくる。

ほんの少しカーテンを開けて外の淡い光を通す。

頭に氷を当てて寝転ぶ。

コウ君の頭に手を当てる。
こめかみから、右のあたり。
子供の頃、文鎮で殴った。
何針か縫うけがを負わせた。
深夜、一階のお手洗いについてきてもらった。
水が飲みたくて台所に行ったら、コウ君は先に帰ろうとした。

とっさに
手に持っていた鉄の文鎮で殴った。

…ごめんなさい…


来日直後に中学入学、
最初ちょっと登校したが。

なんか色々うざったらしくて、もう嫌になって
しばらく不登校きめこんだ。

父は、公立に疑念がある人であったからか、
予想に反して、なんも言わなかった。

母は心配していたが、あきらめていた。

アズちゃんなら、すぐ追いつくでしょう。

弟はすぐに学校に馴染んだ。
友達をたくさん連れてくる。
僕は引きこもっている。

「その部屋はダメだよ」

「ねえ。アズちゃんて、なんで学校いかないの?」

なんで友達作らないの?

…しばらく口をきかなかった。


数か月前、喧嘩した。
なんでか理由は思い出せない。

取返しのつかないことをしてしまった、
…気がする。

怒声浴びせられたので、僕は。

「いっそ、ひとおもいに殴ればいい」
「いや、いっそ、殺せばいい」

と、言った。

だが同時に「コウ君が逮捕されるのは嫌だなァ」とも思う。

彼の右マユがピクリと引き上がった。

「…めめしい…」
「女より、めめしい…」


そう言ったまま出て行った。

だが数日後、何事もなかったように連絡してきた。


寝ている彼の手を取る。

男っぽい手だなァ~
お父さんに似た…
僕はお母さん似の手だ。

顔は似ているのに変なの。

たった1歳半しか違わない、
僕のおとうと…

7月下旬の三重旅行。
大阪のいとこの海ちゃん、20歳、に5年ぶり位に会う。

「うわあーコウ君ますますソックリやあー」

なん…なんでコウ君が本体みたいな…。

後で聞いたとこによると、彼女とよくラインして、相談に乗ってきたんだって…。

いや、僕は全然してないんだけど…

「似ているのに正反対でね、コウ君は橋の真ん中をひょいっと渡るけど、アズちゃんは石橋を叩きまくって渡らない…」

なんで、コウ君みたいに、明るく、

…なれないの…


「今のヘッドショット、ヤバくね?」
「俺が勝つと、すぐ不貞腐れてどっか行くんだからァ」

「山田五郎さん…て、あの?!」

「五郎さんについてのブログへの反響が割と大きかったって?」
「じゃあ検索したら出てくるかな?」
やめてやめてやめてやめて絶対に読まないで!!

「要領が悪いし。気にしィだから。アズちゃんは」

「なんかお母さんが騒いでるんだけど、電話に出ないって。大丈夫?」


自分は兄貴らしいことしたことなんて、ない。
おじいさんが亡くなった時、病室で倒れかけた彼を受け止めた、だけ。

コウ君、

実家に帰ったら、また夜の散歩に行こうよ。
懐中電灯もってお寺がある山まで行こう。
蛍が見れた…
今も見れるのかな。

そのお山にあるお寺の子。
高校の、そのお寺の友達が、いつでも泊まっていいっていった。
卒業式で。

その子のうちに泊まりに行こう。
お堂に布団を引いて寝る。
広いお家で凄いんだよ。
小さい小部屋もいっぱいでさ。
手作りの紙芝居がいっぱいあった。

僕は彼の前髪をかき分けて、生え際の産毛にキスをした。

可愛いなあ…


僕のミゲリン。

…Miguelin幸樹くん。

Kennie



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