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saya_hoshikage38
食事の記憶PART2 - 20 冬の筑前炊き
冬の定番は、根菜をたくさん近隣農家さんから頂いた昭和時代には「筑前炊き」・「汁物」・「鍋料理」が、我が家での、贅沢三大メニューだった。
特に「筑前炊き」は、我が家のレギュラーである。
母の作る「筑前炊き」は、鶏肉のももか手羽元に、蓮根・ごぼう・干し椎茸・人参・大根・里芋・たまに薩摩芋が入る。
鶏肉と蓮根・ごぼうは買わなければならないが、他は頂き物である。
春が近づくと、ここに、さやいんげんの緑色がのる。
冒頭の写真みたいに、いんげん豆は我が家の「筑前炊き」に入らない。
いんげん豆は基本的に胡麻和えで頂き、たまに、天ぷらになるが、煮炊き料理に母は使わなかった。
冬の定番と題したのは、寒い季節、夕飯に「筑前炊き」がかなりの登場回数を誇るからである。
父親の酒の肴には勿論、我々のご飯のお供にも最適だが、お弁当のおかずにもなるからなのだ。
冷えると、少し鶏肉の脂がまいて、白っぽくなるものの、味が染みた「筑前炊き」は、やはり美味しい。
冷めても美味しい料理というのは、色んな意味で強い。
母は、肉類の脂がまいてしまった、冷めた料理は苦手なのだが、父親・弟・私は寧ろ好きである。
この白っぽい煮物を、温かい白ご飯の上にかけて頂くのが良いのだ。
お行儀は悪いが、こうして炊きたての白ご飯と、翌日の冷めた「筑前炊き」を楽しみにしていた。
母は、自分の分(ぶん)だけ電子レンジで必ず温めなおす。
そして、丼物が苦手だから、ご飯の上に汁ごとかけて食べる我達(われら)3人を見る目が、遠くなっていたのを思い出してしまった。
