名探偵は「コップのシミ」を見るのです
~「地」を手繰り寄せる魔法~
「ぷはーっ!」
寒くなってきましたねぇ。こういう夜は、お湯割りの湯気が、なんだか人生の深淵のように見えてきますよ…(ゴクリ)。
はい、呆録酔語です!
前回は、目の前の派手な問題(図)ばかりに目を奪われず、それを生み出している背景(地)を見ようぜ!という、ちょっと哲学的な話をしましたね。
「言ってることはわかるけどさぁ、酔っ払いさんよぉ」
「『地』って背景でしょ? 見えないじゃん。どうやって見るのよ?」
そんな声が、空になったグラスの底から聞こえてきそうです(幻聴?)。
そうなんです。「地」は背景ですから、普通に見ていたら見えません。
でも、「地」は必ず、表の世界に「痕跡」を残しているのです。
今日は、その痕跡を見つける、「暮らしの名探偵」になろう、というお話です。
🥃 「モノ」は口ほどに物を言う
例えば、訪問した利用者さんの家で、テーブルの上に「茶渋のついた湯呑み」が置いてあったとします。
【図(客観的事実)】
茶渋のついた湯呑みがある。
これを「図」としてだけ見ると、「汚れている(問題)」→「洗う(対処)」で終わっちゃいますよね? これが対症療法です。
でも、ここで「地」に目を凝らす専門職(=名探偵)は、こう考えます。
「なぜ、この湯呑みだけ、こんなに使い込まれているんだろう?」
聞いてみると、
「これはね、亡くなった爺さんが、最後に茶を飲んだ湯呑みなんだよ」
なんていう話(ナラティブ)が出てきたりするわけです。
ほら! 見えましたか?
「茶渋(図)」という小さな痕跡から、「亡き夫への思慕と、それを大切にしたい価値観(地)」という、巨大な背景がズルズルっと引き出された瞬間です。
🔍 「暮らしの痕跡」を読み解く
僕が執筆中の本(仮題:見えないものを見る力)でも触れているんですが、この「暮らしの痕跡」こそが、見えない「地」へ降りるためのハシゴなんです。
壁に貼られたカレンダーの書き込み(誰とのつながりを待っているのか?)
すり減った畳の位置(毎日どこに座り、何を眺めているのか?)
繰り返される昔話(今の状況を、過去の栄光で支えようとしているのか?)
これらは一見、バラバラの「点(客観的事実)」に見えますが、実はその奥にある「人生の文脈(地)」が、ポロッと表面に顔を出した瞬間なんですね。
🤝 「地」がわかると、ケアが変わる
さっきの湯呑みの話に戻りましょうか。
「地(夫への思慕)」が見えたら、もうヘルパーさんは、その湯呑みを「汚れた食器」として漂白剤につけたりしませんよね?
「大切な湯呑みですね、優しく洗っておきますね」
という声かけに変わるはずです。
これが、「地」に敬意を払うということです。
そして、この瞬間にこそ、利用者さんは「ああ、この人はわかってくれた」という、深い安心感(ゆとり)を感じるわけです。
📝 次回予告:手がかり「その1」
さて、「地」を見るための「探偵の眼」を持ったところで、次回はそれをどうやって「関係性ダイアグラム」に落とし込むのか。
ちょっとマニアックだけど超重要な「てがかり」について、お酒の肴にしながら語りたいと思います。
「呆けてるけど、ちゃんと観察する。酔っ払ってるけど、ちゃんと敬意を払う。」
そんな専門職の誇りを胸に、今夜も深酒…いや、深掘りしていきましょう!
というわけで、今回も最後までありがとうございました!
コメントや質問、大歓迎です!あなたの現場で見つけた「名探偵エピソード」も教えてくださいね。
それでは、今日も乾杯!🍻
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