「葉っぱ乗ってなかったね」と息子に言われて
たぬきって、田舎にも、都会にも、どこにでもいる。
東京に住んでいたときも、みかけたことがあったな。
この間も、さっと横切る茶色い影があった。
「あ、たぬきだ」
そう言うと、息子が、
「葉っぱ乗ってなかったね」
「頭に葉っぱが乗ってるたぬきは、しゃべるんだよ」
訳知り顔の衝撃発言。
どこで、誰から聞いたんだろう。
面白いので、否定はしなかった。
子どもの世界って、現実とファンタジーが混ざってる。
忍者はドロンって消えるし、サンタクロースは空からやってくる。
サラリーマンはリストラされたら首を切られる。
世の中の色んなことが曖昧で、面白くて、怖かった。
――そんな感覚を、少しだけ思い出した。
