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ル・クルーゼで作る鶏ハム【晩酌おじのアテ日記100】

「古いほど、味わいが深まるもの」

「女房と鍋釜は古いほど良い」という、いささか時代錯誤にも聞こえる古いことわざがあるのを知ってた???

現代の感覚からすれば「女性を道具と同列に扱うなんて」と眉をひそめられそうだが、その本質を少し角度を変えて眺めてみると、そこには忘れがちな「時間と愛着の価値」が隠されていることに気づく。

新品のピカピカした道具にはない、使い込まれて手になじんだ道具の頼もしさ。そして、お互いの弱点も知り尽くした上で、空気のように自然に寄り添える関係性。この言葉が本当に伝えたかったのは、「歳月を重ねることでしか生まれない、唯一無二の味わいと信頼感」への最大の賛辞ではないか。


キッチンの相棒

我が家のキッチンには、まさにその象徴のような存在がある。30年以上、毎日のように火にかけられ、ずっと食卓を支え続けてくれているル・クルーゼ(Le Creuset)の鋳物ホーロー鍋

ル・クルーゼを愛してやまない妻。結婚当初に購入したので、僕との関係も30年以上となる。

この赤色の大きな鍋が一番の古株。煮込み料理全般で使用。

その他にも、25年選手の黄色、こちらは炊飯担当。

5年選手のグレーは、長時間の煮込み用。

我が家の鍋の話は、コチラで紹介している。


30年目のル・クルーゼが教えてくれること

30年前、まだ料理もおぼつかなかった頃に我が家にやってきたこの鍋は、ずっしりと重く、最初は少し気難しい相手のようにも思えた。しかし、火加減のコツを覚え、何度も煮込み料理やスープを作るうちに、その圧倒的な保温力と、食材の旨味を極限まで引き出す実力にすっかり魅了されてしまった。

その後、上記で紹介しているル・クルーゼを人生の節目で購入してきた。

今では表面に細かな傷や年季が入っているが、これこそが僕たちふたりの「美味しい」の記憶が刻まれた証拠。流行りの最新調理家電には出せない、圧倒的な安心感がここにある。

今回は、そんな30年もののル・クルーゼだからこそ、最高にジューシーに仕上がる「自家製鶏ハム」のレシピを紹介する。

ル・クルーゼが持つ「じっくり熱を伝え、ゆっくり冷ます」という特性は、鶏むね肉に最もストレスを与えない、最高の調理環境なのだ。


極上しっとり鶏ハム

コツさえつかめば、驚くほど簡単にできる!

極上しっとり鶏ハム

①鶏むね肉(2枚 約600g)のドリップを拭き取り、余分な皮と脂肪を取り除き、筋を外して、2cmほどの均一な厚みになるように身を広げ、全体にフォークを刺す。

②①の1枚につき、てんさい糖(小さじ1)を両面にすりこみ、その後、塩(小さじ1)をすりこむ。お好みで、黒こしょうやハーブをまぶす。ラップでピッチリ包んで冷蔵庫で3時間以上おいてなじませる。

※砂糖を先に塗ることで肉の水分を保つ。

③3時間たったら冷蔵庫から取り出して室温に戻す。水気をよく拭き、広げたラップの上に肉を置き、端からしっかりと巻き込んで、直径7~8cmの筒状に丸める。ラップで包み、かたく締めて形を整えたら、空気が入らないように両端をきつくねじって留め、キャンディー巻きにする。さらにその上から、ラップを巻いて2重にし、もう一度形を整える。

④耐熱性の密閉袋に入れ、空気を抜くようにして口をしっかり閉じる。

⑤ル・クルーゼ(保温性の高い大きめの鍋)に、鶏肉が完全に浸るくらいたっぷりのお湯を沸騰させ、沸騰したら④を入れ弱火で5分煮込む。少し煮立ってきたら肉を天地返しする。また、煮立ってきたら、蓋をして火を止めて、そのまま1時間以上(3~4時間が理想)かけ余熱で火を通す。湯が冷めたら鶏肉を取り出してラップをはずす。好みの厚さに切り分ける。

晩酌おじの「ちょいうまポイント」
味付けのハーブは、ローズマリー・タイム・ローリエなどが良い。ただし一緒に巻き込み煮込むと肉が剝がれてしまう可能性が高くなるので、②の工程でしっかりなじませる。黒こしょうは、食べる直前に使うことを勧める。

ル・クルーゼのような保温性が高い鍋なら大丈夫。火を消した後の「極上の余熱」だけで、肉の芯までゆっくりと優しく熱が通る。これが、パサつきがちな鶏むね肉を驚くほどしっとり仕上げる秘訣なり。


今宵のお品書き

今宵のお品書き

🍳鶏ハム
🍳絹さやとえのきの胡麻炒め
🍳みそじゃが
🍳蕪の甘酢漬け

冷めた鶏ハムを切り分けると、断面はほんのりピンクがかった極上のしっとり感。一口食べれば、時間をかけたからこその贅沢な食感に驚愕する。

一度に食べきれないので、薄く切って保存。サラダや冷やし中華に添えたり、サンドイッチにしてもGOOD!

絹さやのシーズンは終わりですね。今年は、よくお世話になりました。

別の機会で紹介するが、甘酢漬けのレシピをアップデートした。甘みと酸味のバランスが良く、以前のレシピよりも味の深みがある。


今夜は、いつもよりも軽めの晩酌…乾杯🍻


歳月を愛おしむということ

妻と出会って38年。結婚して30年。社会人として32年。烏兎匆匆(うとそうそう)のなすがまま、気づけば55になろうとしている。鍋も、人間関係も、そして自分自身の重ねてきた年齢も、それだけの時間が過ぎている。

新しさを競い合う世界から少し距離を置いて、「古くなるほどに愛おしく、価値が増していくもの」を大切にしていきたい。30年もののル・クルーゼが教えてくれたのは、そんな、歳月を重ねることを心から楽しむという、大人の贅沢な生き方なのかもしれない。







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