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【短編小説】曇り空、オレンジ気分(1000文字小説)

わたしは、いつも、いつも、いつだって

こんなやつだったって

わからないふりは、もう

できなかった。



放課後、学校から出た時
朝から青空が広がるオレンジの似合う日に
そんな天気のいい日に

私は

あっ、曇ってる

と、
思った。

なんでかは、わからない

でも確かにその時曇りだと思った。

その時、後ろから

「うわ、めっちゃ天気いいじゃん」

と、クラスメイトの声
私はてっきり話しかけられたものだと思い込み
適当に相槌を打つ

心をのぞかれたような気がして
へにゃへにゃとしたやる気のない声が出てくる

大声で返事をした後に
クラスメイトの隣に人がいて
私のことを訝しげに覗くのを見て

私は、一人情けなくなった。

私の隣には
誰もいなかった。

その日は、随分と遠回りして帰路についた。

裏路地、
裏山の不法投棄、
遠いところにあるコンビニ
高架下の寂れた公園

当てもなくふらつく
私は、今どこに行きたいんだろう

たぶん、どこかに行きたいんじゃなくて
ここにいたいんだろうなと

さびて誰も寄り付かなくなったブランコの上で
柄にもなく哲学っぽいことを考える

曇りの日は、
いやでもセンチメンタルになる

まぁ、晴れてるんだけどね

私へのあてつけのように
輝く太陽は
見た目ほどではなく、
高架下の影の中だと少し肌寒いぐらいだ

『ニャー』

突然のべたな展開に
幻覚を疑う

今の精神状態では、
そんなものも聞こえかねないと
思っていた

アニメで見たような拾ってください
という具合ではなかったが

捨て猫と思しき猫が

餌を求めてふらふらと歩いていた
あの様子だと
当分ご飯を食べていないだろう

猫は、私にすり寄ってくる
いよいよもうなりふり構っていられないようだった。

そうか、こいつもおなじか
いまのわたしを重ねて思った。

とはいえ、私は、
自分にも優しくできなければ

この猫にも
何もしてあげられない

人を頼れたこの猫の方がよっぽど立派なのかもしれない

部活動も終わる時間になって
この辺りは、下校する生徒が相当数通る

私は、
表通りを通る同じ学校の生徒が
楽しそうに話すのを、
猫をなでながら、じっと

みていた。

ねこは、最後に

『ナ~』

とだけいって
下校中の生徒の方に向かっていった。

「そうだね、生きないと、いけないんだもんね…」

ふと空を見上げる
さっきまで
あんなに透き通るような青い、青い

青い空だったのに

いまでは
遠くの空が、少しずつオレンジ色に染まり始めていた。

ゆっくり、ゆっくり
オレンジのかたまりは

地平線の向こう側に逃げていく

あぁ、曇

そうだ
きょうは、曇りの日だ

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